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窓辺の猫 第五十六回「猫は見た目じゃ分からない」

三毛猫は飼いにくいか?

 どうも強そうな猫の飼い主です。SNSで、我が家の三毛猫の柄が強そうだと言われたことがあります。三毛猫はほとんどがメスです。メス猫を象徴するのが三毛猫柄ではないでしょうか。その柄が強そうに見えると言う事は、女性的な面には異性が畏怖を感じるようなところがあるのかもしれません。例えば、口紅をつけると女性らしく見えるかもしれませんが、色によっては優しげに見えたり、強そうに見える人もいるかもしれません。どちらもより女性的であることには変わりがないのです。

 三毛猫はメス猫らしいと思います。少なくともこれまで8匹の猫たちに関わってそう思います。一方で、メス猫は他の猫と仲良くしないから飼いづらいと思う人もいるようです。私は初めて飼ったのが三毛猫のセミ猫であったため、猫はこんなものだと思い込まされてしまったところがあります。セミ猫を基準で考えると、複数の猫のお世話をする事は、それほど大変には思われなかったのです。

 けれども、普通の野生で育った猫は、人間にそう簡単には懐きません。後輩のトンボ猫は人間に可愛がられた形跡がありますがセミ猫は生後2ヶ月足らずで、我が家の庭に一匹で現れたので、それほど人間に可愛がられた経験があるとは思えませんが、当初から非常に従順でよく言うことを聞きました。脱走もしましたが、人間を引っかいたり噛み付いたりということをほとんどしないので、いつでも安心して触ることができます。

姉妹でも似ていない

 兄弟でも親子でも柄が似ていても猫の性格は同じじゃないと思います。例えば、我が家に居着いた4匹の猫家族。避妊手術を実施する上で、それぞれの猫の性格もただ眺めていた頃よりも、もう少し身近に感じられるようになりました。

キャリーは猫にとって恐い箱

 確かに傾向はあります。白キジの父親猫と娘猫は好奇心旺盛で明るい性格をしていました。父猫カエルくんはキャリーを気に入りました(ごはんが出てくる魔法の箱)が、他の猫たちはキャリーが怖いようです。家の中で飼っている二匹の猫も当初はキャリーが苦手でした。狭い箱に閉じ込められても落ち着いているカエルくんが異質なようです。

 娘猫のキジ白さんはもらわれていきました。

見知らぬ場所で少し怖がってましたが、キャリーにすぐ入りました。

 シャーシャー言っていた割に、それ以外では鳴かず、ケージで落ち着いていていて、トイレも最初から使えました。

 一方でキャリートレーニングが必要なのが、もう一方の娘猫です。もらわれる予定がありましたが、中止しました。人間が悪いのですが、キャリーを嫌がって暴れて窓ガラスを割ってしまったのです。我が家には窓ガラスのない部屋がなく、術後縁側で猫さんたちに過ごしてもらっいました。しかしその娘猫さんは術前でも縁側にいます。

手前が母猫。奥が問題の娘猫。※この記事の下書きの後、娘猫は姿を消しました。

 避妊手術の日に2回も脱走してしまったのです。正確には2回目はあまりに暴れるのでキャリーに入れるのを断念しました。我が家のトンボ猫もキャリーは二つ破壊しています。ガラス窓も問題ですが、キャリーも割ったら怪我します。避妊手術するために命の危険に晒してキャリーに入れるのも違うなと思い直しました。
 一方で、このポイントカラーの白猫娘は外にも出ていきません。積極的に出そうとしていないのもありますが、やはりごはんにありつけるのが捨てがたいのでしょう。ただし、困った事にこの猫さんだけトイレを覚えないのです。仕方なく使わない布団やダンボールやペットシートや新聞を縁側に広げています。すると布団が気に入ったようで、その上で大も小もします。布団の上にペットシートを敷いたらかろうじて小はしてましたが、大はやはり布団の隅に。ネットで調べてあれこれやってもトイレをケージから出して3つ置いてもトイレの場所が定りません。

脱走後は隅にいます。鳴いて騒ぐわけではありません。

 実は私が近づいてもすぐ一目散に逃げたり暴れたりするわけではありません。近づいて毛が触れても動かないのです。しかし、捕まってキャリーに入れられるのが恐ろしいようで持ち上げようとするとダーッと走って逃げます。にゃあにゃあ鳴かないので、居場所を探すのも大変です。

 我が家の家猫二匹はケージのドアを外したり、ドアを開けたり、キャリーのチャックも開けられます。この白猫娘も4匹の家族の中で唯一脱出術を持っています。布製のケージのチャックを開けて脱走し、障子も何ヶ所も破きました。キジ白二匹と母猫には見られなかった行動です。常に家族猫の後ろにいておとなしそうに守られていました。一方で高い場所に登っていたので、身体能力が高そうだとはわかっていました。

 白猫は体毛が目立つため警戒心が強いと言われています。しかし、他の家族に守られて育った猫なのでなんとなく納得いかないのもあります。4匹全てに同様の危険があったと思うのです。

 母猫だけ唯一捕獲器を使いました。一度捕まえて放したのです。しかし、二番目のこねこたちは既に自分で餌がとれる月齢でした。いまだ捕まりません。子猫を捕まえる動画がよくありますが、どうやって捕まえているのか自分でやってみて感心します。動物病院の獣医さんにも「よく捕まえましたね」と毎回言われます。何せ素手で触れないのですから。

白猫の傾向は?

 そんなに凶暴な猫たちではないのです。餌で釣ってキャリーにガッと押し込んで捕獲して来ました。しかし、そのやり方がまずかったのかもしれません。カエルくんはそもそもキャリーの扉を閉めても無反応で毎回ムシャムシャ食べ続けました。もう3回も捕まっています。

 捕獲する時は、捕獲が一番大変だと考えていました。しかし、捕まえてからはもっと手探りです。猫家族は猫エイズでした。わかる前からワクチンをした後も我が家の猫たちから隔離していました。

 母猫はトイレの砂をかなり散らかします。これについては我が家の三毛猫ほどトイレの始末がいい猫はいないようです。何せ子猫の頃からスコップに片付けていたほどなので、そこまで散らかりようもありませんでした。しかし、他の猫は自分のブツを踏むんですね。ペットシートを掘り出してビリビリにしてジェルが出るので、直接敷くのはやめたいと思いつつ、白猫娘はビリビリにはしないので悩ましいです。さらに母猫は水で遊ぶので水入れの水をこぼして器に紙やシートを入れたりします。
 母猫をケージから出したのは、白猫娘に落ち着いてほしいと思ったのと、ケージの掃除が大変だったからです。猫はトイレの作法に性格が多少出ます。
 食べ残しで蟻が来るのも怖くて家の周りに蟻対策しました。すると蟻対策のクローバー型の緑のプラスチックケースが我が家の庭の真ん中に落ちていました。リリースしたカエルくんが遊んだのでしょう。

 どの猫も私の前ではおもちゃに無反応です。しかし、朝夕片付けやごはんを与えに行くとおもちゃの場所が動いています。今のところ三匹はリリースになりそうですが、母猫の体調も心配で白猫娘の通院の目処が立ってから先を考えることになりそうです。

 白猫って野生でも生きづらく人間と暮らすのも大変なんでしょうか。白猫だからというのであれば、保護したり飼ってらっしゃる方を改めて尊敬します。長毛の母猫は体臭がひどく毛がボロボロになっていて、一度洗ってブラッシングをしたいのですが、娘猫ほど怖がらせたくないので様子を見ています。
 いずれにしろ、獣臭がする縁側のトイレの始末や換気が日々一番骨が折れます。

 我が家の三毛猫がいかに手がかからないか痛感して、尊敬の念が増しました。膝の上で黙って私の朗読を聞いてくれるなんて他にいるでしょうか。ブラッシングは大好きで自分から寝転び、洗うのも拒絶せず、よく遊び、食べ過ぎず、寝ている時に落っこちた事がなく、ハーネスは脱がず、ドライブが好きで、シャーなんて人間に威嚇したことがありません。こんなに温厚な三毛猫に出会えたことに感謝です。

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