過冷却
コーチングの信念
大学院の講義でこのようなやり取りがありました。
A「僕が考えるいいコーチとは、僕がいなくなってもチームや選手がいい結果を残し続けることだと思っています。」
B「なるほど。…僕は少し違う考えを持っているのですが、時間も時間なので次に進みましょう」
この何気ない講義の中のやり取りが個人的にはすごく印象に残りました。
自分にとって指導の信念とは?
ということを改めて考えるきっかけになったからかもしれません。
恥ずかしいことながら、大学時代からコーチとしては関わらせていただいていたものの、
スポーツ科学的な知識を付けることばかりに目を向けていたばかりに、(今思えば精一杯だったかも??)
自分自身のコーチングの信念
というものについてはそこまで深く考える機会もなく、
むしろこんな僕が信念をもったところで。。
とすら思い、今まで深く考えることをしてこず、
前期のこのやり取りがずっと頭に残ったまま、
若干のもやもやを残して、前期が終了しました。
過冷却とは
がらりと話は変わりますが、
水は何度で氷になるか知っていますか。
常識すぎるやろ!!
という声が聞こえてきそうですが(笑)
水は、0度で氷に代わります。
(凝固という懐かしい言葉を思い出しますね)
さてそれでは、今回のタイトルでもある過冷却とはどういったことなのでしょうか。
過冷却とは上記の映像のように冷却されても個体にならないで液体の状態のままになっていることを言います。
水は、0度になるとすぐに氷になるわけではなく、
0度を下回って何かしらの刺激(上記の映像では、コップに注がれた際の刺激)によって一瞬にして氷へと変化します。
この話を聞いた際
自分的には、コーチングもそのようなものなのではないか。
と感じました。
どれだけ優秀なコーチであっても、
そのコーチの言葉1つですべての選手がなにもかもうまくいくようなことはないと思います。
しかし、優秀なコーチとは、
様々なコーチングを通して、水の温度を0度に近づけることができ、
その結果その選手がなんらかの刺激(何がその選手にとって刺激になるのかはわかりませんが、)が加わることによって氷になる(結果として表出する)
のではないかと思います。
僕自身が現在学んでいる心理学のメンタルトレーニングなどが特にそうですが、
これをしたから明確な結果が出るといったことはありませんが、
選手を過冷却な状態に持っていくこと
はコーチとして意識しなければならないのかなと感じました。
もちろん刺激を与えることができるコーチも重要ですが、そればかりを意識しても選手が過冷却の状態になければ、氷になることはありません。
結果が出ない。自分のコーチングが正しいか悶々とすることもありますが、
このような視点も持ちながらコーチングにあたっていきたいと思います。
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