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なぜ、スタジアムに行ってしまうのか

気づけば5月になっていたことに驚きを隠せない今日この頃です。

GW会いたい人に会ったり、大学のハンド部の試合を見たりととても充実したものになりました!

4月に大学院に入学し、様々な人に出会い、その中で、自分の知識量のなさや方向性のあやふやさなどを少しでも改善するために毎日出来うる限り学んできたので、自分の中では、満足した4月・GWを過ごすことはできましたが、

後こうして、大学院生として過ごすことができる1ヶ月も23回しか残されていないということに驚いています。

毎月毎月、今月も成長できた1ヶ月だったなぁと締めくくれるように今月もしっかりと日々積み上げていこうと思います。

今回は、5月27日に発表予定のスポーツマーケティングの講義で使用する論文のパワポ作成の前に今一度まずは、文章でまとめていきたいと思います。

論文の主な内容としては、観客が何に価値を見出し、スタジアムを訪れているのか。

という内容です。

僕の専攻でもあるハンドボールに置いても、プロ化をする上で、アリーナの設営が義務付けられることで、アリーナに訪れる観客が何を求めているのか、

ということを学術的な観点からでは、

というものを自分なりにではありますが、まとめ、自分自身の資料作成に活かしていきたいと思います。

専門分野でもなく、比較的難しく長めの論文のまとめとなりますので、うまくまとめられる気がしませんが、、、

よければご覧いただければと思います。


まず、スポーツや音楽の観戦・鑑賞には2つの側面があるそうです。

1、プロフェッショナルの観戦・鑑賞
2、競技の進行や作品の制作プロセスに関与するもの

今回の論文では、この2つのうち1番のプロフェッショナルの観戦・鑑賞
その中でのJリーグの観客にフォーカスし、観客が何を目的にスタジアムに足を運んでいるのかということを調査したものになります。

また、1の中でも顧客参加型の特徴を持っているサービスを

「スペクテイター・サービス」

と定義し、
その中でも観客がスタジアムに行くためには3つの要因があると考えられています。

1、プロダクト要因
→試合やチームの人気など

2、物的環境
→シンプルなスタジアムの綺麗さやアクセスの良さなど

3、不安定要因
→天候やスケジュールなど


また、一方で

「スペクテイター・サービス」

自体にも3つの特徴があります。

1、観客が時間・場所・サービスなどの経験を共有しなければならない

2、物的環境の影響が強い

3、観客にとって2種類以上の参加者が必要
→友人や知人+その他の人物など(従業員や選手は含まない)
→要するに自分とその知人など以外の全く知らない人も観客にとっては重要

この論文では、上記の3に注目し、
jリーグの観客を観察することにより、スタジアムに来る観客の特徴は、ライフサイクル毎に異なるということを実証しようとしている試みであり、

観戦経験回数をもとに以下のように分類し、
各分類によって以下のような特徴が見らることが明らかになっているそうです。

各因子の説明


「見込み観戦者」(一度もスタジアムを訪れたことがない観客)
→チームへの心理的コミットメントが最も重要

「トライアル観戦者」(年間観戦数が1回)
→他人や世間の評価・情報の得やすさや、時間の影響が大きい

「初期リピート観戦者」(年間観戦数が2〜8回)
→ チームへの心理的コミットメント,不特定の他の顧客,情報の得やすさ・時間が,参加意図形成に影響する

「コア観戦者」(年間観戦数が9回以上)
→ スタジアムなどの物的環境などのサー ビス・クオリティの手がかり,情報の得やすさや時間が影響する。


以上を踏まえた上で、本研究においては、3つの課題があります。

1、参加意図に、影響及ぼす要因の顧客のライフサイクル上での変化


2、2種類の参加者が顧客のライフサイクル上、参加意図に与える影響


3、チームへの心理的コミットメントが、顧客のライフサイクル上、参加意図に与える影響

また、上記3点に加え、筆者は以下5つの仮説をたて、立証・棄却しています。

顧客のライフサイクルごとに参加意図要因は変化する。(仮説1)


見込み観戦者(潜在観戦者)は特定できる参加者が参加意図に影響与える。(仮説2)


トライアル観戦者については、特定できる参加者の存在が参加意図に影響する。(仮説3)


初期リピート観戦者では、2種類の参加者の存在が参加意図に影響する。(仮説4)


コア観戦者は、チームの心理的コミットメントが参加意図に影響する。(仮説5)

この5つの仮説のうち立証されたものは、仮説1と4の一部であり、それ以外の仮説は棄却されています。


仮説1の立証

顧客のライフサイクル(観戦経験回数)という視点で調査した際、ライフサイクル毎に参加意図要因が変化していることが明らかになった。

「トライアル観戦者」

「初期リピート観戦者」

→サービスの構成要素が、参加意図に影響する要因に追加

「コア観戦者」

誘った仲間や友人に不快な思いなどをさせないために、スタジアムの質や環境が気になる

仮説4の立証

「初期リピート観戦者」にとって、友人や知人以外の誰かしらが存在していることは、重要である。
しかし、「トライアル観戦者」や「コア観戦者」にはそのような特徴は見られない。

棄却された仮説2

観戦経験なしとありの求める条件

「見込み参加者」にとって、情報や観戦のための時間の得やすさ,他人や世間からの観戦に対する評価,一緒に観戦する仲間の存在などの要因は,観戦意図には影響しない。


棄却された仮説3


「トライアル観戦者」では、2人以上での観戦が多く(89.2 %),
しかも、自分自身が計画することは少ない(25.8 %)。

「トライアル参加者」は主に誰かに誘われて観戦にいくことが多いために、2種類以上の参加者や試合情報や開催時間などの情報をそれほど必要としない。

棄却された仮説5
「コア観戦者」にとってチームへの好意は大前提のものであるため、チームへの心理的コミットメントはこの段階まで到達した観戦者にはほとんど無意味である。


結果

1、顧客からみた2種類の参加者(特定の他の参加者,不特定の他の参加者)は参加意図を決める要因となる。

2、サービス経験の蓄積,すなわち顧客のライフサイクルごとに参加意図要因が変化する。

「トライアル観戦者」
 →連れて来られることが多いため、あまり3つの要因は影響しない

「初期リピート観戦者」
 →サービス+2種類の参加者が大きく影響する

「コア観戦者」
 →主となり、他の観客を誘うということからスタジアムの質や環境を重要視する。

3、2 種類の参加者については、初期リピート観戦者で不特定な他の顧客の存在が参加意図に影響を与える。

研究の意義と実務への応用

これまでサービス構造のトライアングルの 一角を占めるのは,従業員とされてきていたため、従業員の行動は,サービス満足に影響を与えるとされ,相互作用の必要性など様々な研究が実施されてきた。

しかし,顧客参加型スペクテイター・サービスに目をむけると,サービス消費場面で顧客にとってハイコンタクトとなるのは、従業員ではなく,時間と場所と経験を共有する顧客からみた場合の2種類の参加者である。

特に,本研究の対象としたJリーグ観戦では2種類の参加者のうち、「不特定の他の参加者」を企業が維持管理することが重要となっている。

今研究は、応援組織であるサポーターの参加意図への影響を実施した研究ですが、彼らは企業にとって,リピーター顧客であると同時に,
他の顧客の参加意図を誘引するサービスの構成要素でもあります。

コア観戦者が友人などを誘いやすいスタジアムの環境や質を提供していくことで、「見込み参加者」や「トライアル参加者」がスタジアムに訪れてくれるきっかけとなり、その誘いが継続的な観戦につながる制度を作ることが必要となってきます。

3つの課題

1、顧客のライフサイ クルの再検討
→今研究では、特定できる参加者の参加意図への影響がみられなかった
=分類の仕方に問題あり?

2、今回の分析では説明できなかった見込み観戦者独自の参加意図を明らかにすること。

3、顧客と2種類の参加者同士の相互作用の意味について,顧客のライフサイクルごとに明らかにし,参加意図との関係を導きだすこと
→ 顧客と2種類の参加者同士の相互作用の意味について,顧客のライフサイクル ごとに明らかにし、参加意図との関係を導きだすこと

いかがでしたでしょうか。

僕自身も読み進めていくうちに、?が重なりまくりでしたが、時には専門外の論文などを読みまとめることも新鮮で面白く感じました。

心理で考えると、やはりライフサイクル毎のファン心理などを調べ見ても面白いなぁと思いました。

また、読み進めていく中で、このような分析方法もあるのかを考えながら読み進めていることに気づき、大学院生になったなと少し自分の成長を感じました。

この記事をもとにまた授業で発表するパワポを作成し、noteにも完成品をあげていきたいと思います。

また、心理の知識などもインプットはしているので、ガンガンアウトプットしていきたいと思います!

それでは!



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