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2023.9.3朝日カルチャーセンター講座「炭素は地球環境を左右する?」振り返り(後編)

2023年9月3日(日)、朝日カルチャーセンター名古屋教室において「科学的見地から考える〜炭素は地球環境を左右する?〜」という講座を行ってきました。
現在、地球温暖化が問題とされていて、二酸化炭素の排出が主な原因と考えられています。
また、「脱炭素」「カーボンニュートラル」「ゼロエミッション」「炭素税」といった言葉が広がっています。
この講座では炭素にまつわる話題を、高校の生物・地学の知識・考え方をもとに改めて見直してみました。
今回は非常に学習意欲の高い受講生さんが数名集まり、炭素だけでなく様々な地球環境問題についての活発な議論がなされました。

今回の記事は、前回に引き続き、講座の後半のダイジェストをつらつらと。


なぜ「化石燃料」というのか?

恥ずかしい話、教員になって数年経つまで、石炭や石油をなぜ「化石燃料」という理由を詳しく知りませんでした。
地学の授業を担当して授業準備をしていく中でわかってきたことが多くありました。
その名の通り、太古の生物が、長い年月をかけて化石化していく中で取り出されたものといえます。

石炭

<定義>
約3億年(古生代石炭紀)〜6000万年前(新生代第三紀)に繁茂していた植物が地殻変動によって大地に埋没し、長期間に渡る加圧・加熱によって炭化(化石化)してできたもの。

<長所>化石燃料の中でも最も埋蔵量が多いとされ、価格も安い。

<短所>取り扱いが不便な固体。不純物が多い。低カロリー。

石油

<定義>
約1億2000万年〜5000万年前にかけて動植物、プランクトンなどの死骸が海底に堆積し、長期間に渡る地圧と地熱によって分解されてできたもの。

<長所>
輸送・貯蔵がしやすい。高カロリー。石油に比べて不純物が少ない。

<短所>
枯渇性がある。燃焼したら有毒な排気ガスが生じる。偏在している。

「温暖化」について考える

人間活動によって排出された大量の二酸化炭素が地球温暖化の原因とされ、気候変動をもたらしているということで、世界中で大きな問題とされています。
講座の後半は、温暖化について批判的に考えるような形で、話し合いが盛り上がりました。

  • 34万年前から現在までの気温変化と二酸化炭素濃度の変化を比較すると、実は微々たるものでは?

  • むしろ、地球そのものは温暖化してるのだから、水中に溶けきれなかった二酸化炭素が大気中に増え、その濃度が上昇しているのでは?

  • 人間活動で二酸化炭素濃度が増えたとしても、地球の平均気温の上昇にそんなに影響しないのでは?

  • 二酸化炭素の濃度が増えたら植物にとっては光合成を行いやすいのでは?

  • そもそも化石燃料を無駄使いすること自体が問題なのでは?

ここで綴った内容は、あくまで当日の講座で話し合われたことですので、内容には事実誤認もあるかと思います。
また、二酸化炭素が地球温暖化の原因であるという学説が示されていることも伺っています。
諸々の点から、この記事をご覧になっている皆様方におかれましては、見当違いも甚だしいと思われるやもしれません。
ただ、こういった意見もあったんだなということで読み流していただけるか、逆にご一考にしていただけるか、ご指摘をいただけるとありがたいです。

地球温暖化についてはさまざまな学説がございますが、まずは二酸化炭素の排出を抑制が第一ということで、「脱炭素」「カーボンニュートラル」「ゼロエミッション」といった言葉が編み出されました。

ここで一息

今回の講座では、地球温暖化と二酸化炭素の排出を抑えるということではなく、あくまでも地球環境と炭素との関わりについては、地球上での炭素循環と「エンジン」のフレームで考えることを述べて参りました。
その上で、現在問題とされている地球温暖化だけでなく、その他の環境問題や資源・エネルギー問題について、皆様お一人お一人がよりよく考え、より良く行動できる一助となれば幸いです。

理科教育力向上ラボ

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