【SONY/ PCM-D100】レコーダーレビュー
こんにちはYuriです。
ここ2年、ダンスミュージック制作の傍ら、レコーダーを旅に持ち歩いてアンビエントミュージックの制作を続けています。
「旅」と「音楽」= 私の好きなコトを繋げること。
を考えて、新しい作品作りにトライしました。
これが転じて、MUTEK.JPや、前回お知らせしたフランス・パリで行われるConnection Festivalへのライブ出演が決定するなど本当に嬉しい限りです!
定期的にインターネットへアップロードしていた音楽を見つけていただき本当に感謝です。
そんな作品作りにかかせない相棒がレコーダー。
今日はいつもフィールドレコーディングで使っているSONY/ PCM-D100のレビューを書いていきたいと思います。
SONY/ PCM-D100の特徴
「高音質DSD 2.8MHz/1bit、リニアPCM 192kHz/24bitのハイレゾ録音再生に対応している」ところが1番の特徴ではないでしょうか。
前回の記事でもご紹介したDSDでの録音・再生はリニアPCMとまた異なったアナログからデジタルへの変換方式です。(前回の記事で比較しているのでご参考に!)
DSD、リニアPCM方式のそれぞれに適したADコンバーター搭載しており、中身の設計にもこだわりがあります。
※詳しい仕様はSONYさんのHPでチェックしてみてください!
そのほか可動式高感度ステレオマイクロホン内蔵など、独自開発の「デジタルリミッター」や、SONYの技術がぎゅっと詰まったレコーダーです。
音質に関してはみなさんのご想像通りとても素晴らしいと感じていますし、個人の好みもあります。なので、今回のレビューは使い勝手を中心に書いていきます。
PCM-D100を使ってみて感じたメリット・良いところ
この項目では個人的に使っていて「便利だな」「よく使うな!」という機能を紹介します。
・マイクポジションが変えられる
マイクの左右の角度は可動式なので、「X-Yポジション」と「ワイドステレオポジション(A-Bポジション)」の2ポジションを選択して録音することができます。
私の場合、フィールドレコーディングで虫の鳴き声など音源がマイクから近い距離だったり、水の滴る音などのピンポイントで何か録音したいときは「X-Yポジション」で録音します。
公園などのフィールド全体の音や、広い場所で録音するときは「ワイドステレオポジション」で録音すると、広がり感があり、よりその場の臨場感が感じられるレコーディングができます。
音源からの距離や録音する内容に合わせて変えることができるのは便利です。
・REC LEVELは左右別々に音量調整が可能
左右のボリューム差をつけて録音することは少ないですが、周囲の状況によっては片側から大きな音が鳴っていて、均等に調節したくなることもあります。
あと、ダイヤルガードがついているので誤操作の防止にもなります。
・小型スピーカー内臓
ある程度内臓のスピーカーでテストした録音のチェックだったり、ぱっとその場で録音した音のチェックができるのはとても嬉しいです。
個人的にモニタリングはちゃんとイヤホンなどで行ったほうがよいかとは思うのですが、有線だとひっかかったりしてストレスなんですなんですよね・・・あと思いがけない音が楽曲制作に大活躍するのもよくあることです。
そんなハプニングもフィールドレコーディングの楽しさです。
・ピークホールド、ローカットフィルターの搭載
風がきつかったり、予期しない大きな音がはいるとピークホールドが効いてくれます。
ローカットは、バスや飛行機の中などエンジン音の低音がすごいときや、海の激しい波の音など、「後から確実にローカットするやろな」みたいな状況のときは使ったりします。
・クロスメモリー録音
内蔵メモリーまたはメモリーカードの残量が録音途中でなくなった場合でも、自動的にもう一方のメモリーに切り替えて録音を続けてくれるクロスメモリー録音という機能がついています。
まだこんな状況には出会っていないんですが、いざというときについていると安心ですね。
わたしは録音したデータを別のSDカードへ保存する設定にしています。もしこれがいっぱいになった場合、本体のメモリーへ切り替えて録音してくれるので、「メモリーがいっぱいで録音できない!!」なんてトラブルが少なくなります。
・リモート録音も可能
付属のワイヤレスリモコンと受信ユニットを接続して、でリモート録音も可能です。
さっき書いた公園などのフィールド全体の音や、広い場所で録音するときに自分がレコーダーの近くにいると、壁になってしまい録音される音が変わったりします。
少し離れたところから録音できてば、よりその場の音が録音できると感じるのでリモート録音できるのはいいですね。
PCM-D100使ってみて感じたデメリット・注意点
不便だと感じた部分もあげていきます。
・小型レコーダーの中では大きく重たい
例えば私がもうひとつ持っているZOOMのH3-VRは120 g、周りで使っている人の多い同社のH5は176gです。
それに対して、こちらは395gとけっこう重量があります。
私的に持ち運びには問題ないですが、H3-VRを買ったときに「軽いってやっぱええよな・・・」と感じました。
・録音時の音量調整がちょっと難しい
もうちょっと細かく入力レベルの設定ができれば嬉しいなと思います。
フィールドレコーディングの際、突如の音(例えば、ものが落ちたりしたときの大きな音や、突如の強風)に備えてREC LEVELは低めに設定しておくのですが、ダイヤルの1メモリ下げると、入力レベルもけっこう下がってしまう気がします。
なので、ベストなレベルを見つけることに苦労することがあります。
録音するときのポイント
ここから少し私がフィールドレコーディングするときに気を付けていることなどを書いていきます。
・REC LEVELの塩梅
自分は前述のように突如のピーク音に備えてREC LEVELは低めに設定しておくことが多いです。
良いアンビエント音が録音できていたのに、強風や突然物が倒れた音で「あーあ・・・」と残念な結果になってしまったことが何回もあります。
これは制作の際に感じることですが、レベルは小さすぎてもあまりよくないと思います。
「録音した音が小さすぎるから音圧を上げないと・・・」→「リミッターとかをつかう」→「余計なノイズ音まで持ち上がる」→「結果、エディットが大変」なんてことも。
なので、ここはいい塩梅を探してみてください。おすすめは気持ちレベル低めです。
・三脚やグリップを使う
とても感度が良いので、本体に体が触れたり、少しイヤホンの線が当たったりしたらそれも収録されています。
(ワイヤレスイヤホン対応とかしてくれたらめっちゃ便利かも。)
PCM-D100は背面に三脚取り付け用穴があるので、本体を直接手で持たず、三脚やカメラグリップなどに取り付けて録音するのがおすすめ。
本体や内蔵マイクロホンの角度をより正確に調節でき、手と本体の摩擦により発生しやすいノイズを防げます。
私が使っているのは「Manfrotto ミニ三脚 PIXI カメラ用」です。
たまに大きいのも使います。
マンフロットのカメラ機材は耐久性の評判もよく、軽量なものが多いです。
三脚もピンキリですが、大切な機材を乗せると考えると頑丈でしっかりと重さを任せられるものを選びたいです。
・ウィンドスクリーンを使う
強風のときなんかはかなり「ボコボコ」と音がはいります。
なので付属のウィンドスクリーンはいつもいつも持ち歩くのがおすすめです。
私は予備とH3-VR用にZOOMのウィンドスクリーンも使っています。
まとめ
というとこで、今日はSONY PCM-D100について書いてみました。
レコーダーも適材適所で使い分けるのが本当はいいのですが、自分の使用用途に適しているかということもさらに重要です。
私の場合は、
・きれいに録音できること
・手軽に持ち運べる重さであること
・荷物の中へシンプルにまとめられること
このような点からフィールドレコーディングの機材を選びました。
音のクオリティはもちろんですが、気軽に自由に録音できることもとても重視しています。
ということで、今年もたくさん旅に出よう。
本日もご高覧ありがとうございました。
いつもご拝読ありがとうございます◎いただいたサポートは活動資金として大切に使わせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。