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「学校を創るとしたら?」学生からの思わぬ質問

こんにちは、An-Nahal代表の品川優です。
この『多様性とイノベーションの科学』シリーズは、“インクルーシブリーダーシップ”や“グローバル・ダイバーシティ”について創業者の私が日々感じていること、日本企業のD&I推進に奔走する現場のリアルな日常をお伝えするnoteです。ぜひマガジンをフォローしていただけたら嬉しいです。

起業家として学生に講演🎤

この春はご縁あって中学校と大学で講演をする機会が複数ありました。起業して5年目、ありがたいことに毎年様々な場面で講演機会をいただいています。特に学生を対象に話す機会は私にとっても自身を振り返る機会であり、学生からの素直で鋭い問いは刺激的で、嬉しくありがたい時間です。

特に今回は、中学生からの質問が刺激的でした。
「社会にいいことをやっているのは分かるけど、どうやってビジネスとして成立させているんですか」
「これからの成長プランを聴かせてください」

あれ?投資家と話てたっけ…?と思うような質問が!(笑)
ちょうど私が担当した授業の前に、スタートアップで大型の資金調達をされた起業家の話を聞いていたようです。非常に鋭い質問を投げかけてくれて、内心少し焦りました…。ちゃんと答えられていたらよいのですが…。

そして、「ゼロから学校を創るとしたら、どんな学校を創りますか?」という問い。
このテーマの講演ではないため長い時間はとれなかったのですが、非常に面白い問いですよね。学生にも意見を聞きながら場が盛り上がった質問です。私からは
「校内に水場や緑があってリラックスできる空間がほしい」
「教室ではなく、自由におしゃべりができるラウンジがほしい」
「“エモーショナルインテリジェンス”について学べるようにしたい」
などを挙げました。

「推し」は世代を超えて、関係性づくりのきっかけに

“エモーショナルインテリジェンス”とは「感情的知性」「こころの知能指数」のことで、“EQ”とも呼ばれています。
人の感情を識別し理解する能力のことで、自分の感情を分析して管理し、適切な対処をしたり、他者の感情に気づいて共感する能力と定義されています。企業経営や、マネジメント層のリーダーシップの要素としても重要視されており、これを学生時代から学び、自分や他者を理解し、どうやって周りと協力していくのかを学生生活の中で身に着けられたらもっと優しい社会になるのではと考えています。

この“EQ”について、私は自分の推しであるF1レーサーのルイス・ハミルトン選手にも影響を受けています。7回もワールドチャンピオンに輝いている彼は、現在のF1レース業界では唯一のアフリカにルーツを持つ選手で、幼少期から人種差別問題が身近にあった方です。その彼もインタビューの中でこの“EQ”の重要性(他者の痛みをわかる、想像する力)について触れており、常々私は競技としてのF1を楽しむとともに、彼の生き方や考え方、発言、リーダーシップにもインスパイアされています。

全編英語なのですが、そんな幼少期の差別体験など赤裸々に語っているロングインタビューはこちら📖

そんな背景も学生と会話をする中で「推し」として話題にしました。すると学生もそれぞれ自分の推しがいる話をしてくれて、お互いの推しの話になると前のめりになったり場が明るくなったりして、推しの存在は世代を超えて繋がるきっかけになるなと改めて気づきました。推し、尊い…!

オープンマインドと他者から学ぶ

学校を創る話、推しの話…と少し飛びましたが、“EQ”を高めることは、仕事でも学校でもプライベートでも、さまざまな場面で他者といい関係を築き、協働する原点になるものだと思うんです。

日本の学校では同質性の高い環境であることが多いと思いますが、周りと比べて自分なんて…と自己肯定感を高められなかったり、他者は自分とは感じ方や考え方が違うことを想像できずコミュニケーションが上手く取れなかったり、それが言葉や力の暴力に発展してしまったりしています。大なり小なり心理的な痛みや傷をかかえることも少なくありません。
自分自身の感情や考え、状況を理解すること、人それぞれの違いを認識・理解することは一朝一夕では難しいものです。だからこそ、多感な時期にこそ自分や他者の感情について知る、学ぶ、思いを馳せてみることはとても大事だと思います。
違いを知った上でお互いが協力する、自分らしさを発揮し合うにはどうすればいいのかを実践する機会が学生の頃からあれば、大人になってからもよりよい人間関係を築きやすくなるのではないでしょうか。
近年のVUCAの時代に必要な資質の1つとしてもよく提唱されており、私も学生の頃から知って学べていたらなと強く思うことの1つです。

そして“EQ”と合わせて、他者とよりよく協働するための行動の第一歩が「オープンマインドと他者から学ぶ」のセットだということを、今回すべての講演のkeyメッセージとして学生に伝えました。

オープンマインド=自己開示と、同時に相手のことも知る、相手から学ぶ。この2つのセット、相互作用が協働への第一歩です。

同質性の高い間柄、組織だと「察して」文化が強くなりがちですが、やっぱり言葉にしないと分からないことがたくさんありませんか?
協働=コラボレーションをするにも、私は誰、あなたは誰、の理解なしには始まりません。「あなたは誰?どんな人?どんな想いや考えを持っているの?」という関心、聴いていくこと、同時に「私はね…」と自己開示をすること。察して、ではなくきちんと伝え合うこと。こうした理解や関心こそがフォロー(助け合う)にもコラボレーション(協働する)にも必要不可欠です。

「食べ物」の話は万国共通🍽

上記の話をする中で、学生から「多様なバックグラウンドの人たちと仲良くなるために、最初はどうやって話しかけるのがいいですか?」という質問も出ました。短い時間の中で、私のメッセージを受け取って行動に移そうとしてくれる姿勢にとても嬉しくなりました。

まずは「好きなもの(こと)」についてを話題にすることがポイントで、中でも私のおすすめは「食べ物の話」です。
「食べ物」って平和的というか誰にでも親しみやすい話題で、万国共通点の多い食べ物もあれば、その地域独自の文化もあって、話しやすいテーマでもあり、深堀りもしやすいテーマ。「え、そんな簡単な話題?」と思われるかもしれませんが、ビジネス関係でも使っているテーマで、まず最初はカジュアルなところから入っていくことも大切だと思っています。

大学では、大学生活がこれからという1年生向けの講演もあったため、「Strength of Weak Ties 弱い絆の強さ」の話にも触れました。
これはスタンフォード大学の博士が提唱した理論でもあるのですが、家族や親友、同じ職場の人といった強い繋がりよりも、ちょっとした知り合い(例えば同じ授業をとった人、研修で一緒だった人など)の方が有益な機会や情報を得られる可能性が高いという理論です。

例えば、新卒から同じ会社で勤務していている人同士の飲み会の場合、同じメンバーとなると同じような価値観・経験・情報を持っている人と話すことが多くなり、話題もそこまで新鮮なものになりにくいです。
一方で、趣味の集まりや、地域活動、ボランティアなど普段と違う人たちと接点を持つことで、全く知らない情報を得られるというのは想像できるのではないでしょうか。

ただし、せっかく普段と違う場に参加しても、一方的に話を聞いているだけではこのような情報を得ることは難しいかもしれません。
それはあなたがどんな人なのかわからないからです。

例えば、
「音楽に関わる仕事をしたいからボランティアで関われるものを探してる」
「同じようなキャリアを経験した年上の方に相談したい」
など、具体的になると
「それなら紹介できる人がいる💡」とわかりますよね。このような情報は自ら話さないと相手が察することは難しいです。

私も先日、スポーツメディアで長く働かれている方と会った時に、
「いつかルイスハミルトン選手をダイバーシティのテーマで取材してみたいんですよね〜!」とポロッと話したところ、「繋がりができそうか考えてみますね!」と驚きの返答がありました。
その方はスポーツといってもF1は全く関係なかったのですが、意外にも可能性はゼロではないみたいです。(密かな楽しみ)

他にも、とある研修で一緒だった方から
「優さんの事業に関心がある人がいて、お繋ぎしてもいいですか?」
と紹介いただけたこともありました。
これも研修の中のワークで「チーム体制を強化したい、こういう人に来てほしい」と私が話していたことを覚えていてくれたからです。

残念ながら誰にも言わず内に秘めていたら誰からも理解されたり気づかれることはありません。
「私はこんな人」「あなたはどんな人?」
「あなたはどんなことに関心がある?」「私はこれに興味がある」
自己開示と相手から学ぶことをセットで、まずは近くにいる人と、食べ物の話や好きなもの(こと)の話から始めてみませんか。


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