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【News! AIRS-Lab #022】今週のAIトピック「深層強化学習による核融合」、明日2/21のライブ講義など

先週、Udemyの受講生数が8万人を超えました。
多くの方にAIを学ぶ機会を提供することができて、講師として嬉しく思います。
今年中に10万人を目指します。
今回は、明日2/21のライブ講義、今週のAIトピック、Udemyコースの一部無料公開などについてお知らせします。
なお、この配信のバックナンバーは、noteの方で公開しています。
https://note.com/yuky_az/m/m36799465e0f4

【matplotlibの基礎】

明日2/21(月)の21時から、新しいライブ講義「NumPy+matplotlib実践トレーニング」 Section3が始まります。
NumPy+matplotlib実践トレーニング Section3 【Live! AIRS-Lab #81】 https://youtu.be/Jwue_5Il_4s

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「NumPy+matplotlib実践トレーニング」は、機械学習で非常に有用なツール、NumPyとmatplotlibを練習する講座です。
NumPyはPythonの拡張モジュールで、深層学習などの機械学習で頻繁に使用されます。
多次元配列を強力にサポートし、内部はC言語で実装されているため高速に動作します。
また、大規模な数学関数ライブラリを持っており、シンプルな表記で効率的なデータの操作を可能にします。
matplotlibはNumPyと同じくPythonの外部モジュールで、グラフの描画や画像の表示、アニメーションの作成などで使用されます。
機械学習ではデータを可視化することがとても重要なので、matplotlibは様々な場面で活躍します。
本講座では、このようなNumPy、matplotlibの扱い方を学んだ上で、トレーニングを重ねます。
本格的に深層学習、機械学習に取り組むためのベースとして、NumPy、matplotlibのスキルを磨きましょう。

【コミュニティ「自由研究室 AIRS-Lab」】

「AI」をテーマに交流し、創造するWeb上のコミュニティ「自由研究室 AIRS-Lab」を開設しました。
メンバーにはUdemy新コースの無料提供、毎月のイベントへの参加、動画の先行公開、Slackコミュニティへの参加などの特典があります。
​https://www.airs-lab.jp/​
活動報告: https://note.com/yuky_az/m/me9b21d94f4e7​

【News! AIRS-Lab】

AIの話題、講義動画、Udemyコース割引などの、AIRS-Labの最新コンテンツを配信する無料のメルマガです。
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バックナンバー: https://note.com/yuky_az/m/m36799465e0f4

【今週のAIトピック: 「深層強化学習による核融合」など】

シミュレータにより合成された顔画像を使って、リアルな顔データを全く使わずに良い結果が得られると主張する論文です。
https://openaccess.thecvf.com/content/ICCV2021/html/Wood_Fake_It_Till_You_Make_It_Face_Analysis_in_the_ICCV_2021_paper.html
人工的に合成したデータで学習したモデルが、リアルなデータを使った予測に汎化可能であることを示しています。
合成データがリアルなデータと同等の精度を持つことは、手動によるラベリングのコストが高く敬遠されてきたタスクに新たな可能性が開けることになります。
ヴァーチャルなデータで訓練したモデルを、リアルに適用するということがますます一般的になるのではないでしょうか。

「画面を見ていない間は広告ムービーを一時停止する」という機能を備えたアプリが登場したとのこと。
https://gigazine.net/news/20220215-moviepass-eye-tracking/
まだごく一部のアプリでの実装に限られているようですが、お気に入りのアプリでこれが登場したらかなりウザそうです。
スマホアプリで広告が登場したらしばらく他の作業を行い、広告が終了した頃を見計らってアプリに戻るという僕の行動パターンが遮られてしまいますね。
特にスマホゲームの広告は実際に少しプレイしないと消えなかったり、×ボタンが小さすぎて押しにくかったりとウザさ満載なのですが、広告はさらにウザい方向に進化していくのでしょうか。
ユーザーと広告主が、ともに満足できる方向に進化してほしいと願うばかりです。

言語が無いと、人間は「4」までしか数えられないとのこと。
https://nazology.net/archives/104756
数字に名前がない文化では、数を数える能力が極めて限定されるようです。

人間にとって1億や10億は0と同じく概念としてのみ存在する数であり、認識しているというよりは1億や10億という概念や言葉を「知っている」に過ぎないのです。

やはり、言語は偉大ですね。
言語により、人間の認識できる世界が大きく拡張されたようです。
AIも、「言語」により世界を認識するようになるのでしょうか。

ソニーが新しく開発した耳を塞がないイヤホン「LinkBuds」、間も無く発売のようです。
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2202/16/news167.html
マイクも内蔵されており、スマートフォンなどのワイヤレスマイクとしても利用可能とのこと。

5億を超えるサンプルを機械学習で解析して作られたAI(人工知能)によって、装着者の声とそれ以外の環境ノイズを分離し、装着者の声をクリアに抽出するアルゴリズムが搭載されている。これにより、騒がしい場所でも大きな声を出さずに会話を楽しめるとのことだ。

耳に装着するのにマイク内蔵とは、一体どんな構造をしているのでしょうか。
さらに、コンパスとジャイロセンサーが搭載されており首の向きによる操作も可能とのこと。
道案内や位置ゲームにも使えそうです。
まるで耳に装着するスマホですね。ひょとしたら世界に躍進するかもしれません。

深層強化学習の新たな応用例が。
https://www.nature.com/articles/s41586-021-04301-9
核融合において、プラズマ磁場閉じ込め装置の設計に利用するとのこと。
シミュレーション環境で学習したモデルを、実際の核融合炉に適用するようです。
プラズマのような人類の知では制御困難な対象に対して、囲碁や将棋などではるかに人類を上回る深層強化学習AIを適用することは有効かもしれません。
果たして、深層強化学習がその真価を発揮する日は近いのでしょうか。

深層強化学習による核融合について、MIT Tech Reviewの解説記事がありました。
https://www.technologyreview.jp/s/269151/deepminds-ai-can-control-superheated-plasma-inside-a-fusion-reactor/
まさに、ビックサイエンスとしてのAIですね。

訓練されたニューラル・ネットワークは、1秒に1万回の頻度でプラズマの形状と位置を示す90種類の数値を取り込み、それに反応して19個の磁石の電圧を調整する。

ただ、すぐに実用化できるというわけではなく、稼働時間は2秒であったようです。

AIがプラズマを制御していたのは合計でわずか2秒間だったが、そもそもこのTCV核融合炉の稼働時間は2秒が限界である。

果たして、AIは人類のエネルギー問題を解決してしまうのでしょうか。

最後の「ヤーガン語」の話者が死去したとのこと。
https://youtu.be/wUn1Bx8I7Io
ヤーガンは南米のパタゴニアにかつて存在した民族で、宣教師などによって運ばれた伝染病など激減したようです。
独特のファッションセンスが印象的で、地球からいなくなるのが寂しく思います。
言語の数が急激に減少しているようで、文化が画一化しつつあります。
話者が少ない言語を継承することは、コストが高い割に実用性が低いので自然と消えていくものなのでしょう。
でも、ヤーガンのような文化が今後ゼロから生まれることは、かなり考えにくいのではないでしょうか。
地元の茨城を離れ、茨城弁を話さず、地元の文化を継承するつもりのない僕が言うことではないかもしれませんが....

「ホンソメワケベラ」という魚が鏡の中の自分自身を認識できることが、実験により確かめられたようです。
https://nazology.net/archives/104981
魚類では世界初とのこと。
これまで鏡像自己認知が可能な動物は、チンパンジー、ゾウ、イルカ、カラスなどのわずかな種に限られていたようです。
対象群をいくつか用意した精密な実験で確かめられたようで、間違いはなさそうですね。
脊椎動物以外でもタコやイカはかなりの知能を持っているようで、なぜヒトに匹敵する知能は海の中から生まれなかったのか、文明は海の中から生じなかったのか、常々疑問に思っています。

バックプロパゲーションを使わずに、順伝播のみで学習する方法を解説した論文です。
https://arxiv.org/abs/2202.08587
まだアルゴリズムを十分に理解できていないのですが、順伝播のみでいいのであれば脳科学的に解釈可能なのかもしれません。

文学賞「星新一賞」でAIと共に執筆した小説が初めて入選したとのこと。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2202/18/news137.html

星新一賞は、応募規定で「人間以外(人工知能など)の応募作品も受け付けます」とAIなどによる作品の応募を認めている文学賞。今回の応募総数は2603編。そのうちAIを利用して作られた作品は114編(前年14編)あったという。

約4%の作品がAIを利用しているようで、文章執筆にAIを利用するのが当たり前になりつつあるのかもしれません。
「AIは単なるブーム」と主張する人も多かったですが、今真っ只中の第3次AIブームはこれまでのブームと異なり社会にしっかりと根付いているように感じます。

【コースの一部無料公開について】

Udemyコース「NumPy+matplotlib実践トレーニング」は、3月半ばに公開予定です。
このコースの動画の一部は、YouTube上で無料公開されています。
【Section2: NumPyの基礎】NumPy+matplotlib実践トレーニング -Udemyコースを一部無料公開-: https://youtu.be/75l83EQvKm8

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コード: https://github.com/yukinaga/numpy_matplotlib

【AIと遊ぼう!AIRS-Lab】

もう一つのYouTubeチャンネル、「AIと遊ぼう!AIRS-Lab」の動画はコミュニティ「自由研究室 AIRS-Lab」内で先行公開しています。
一般公開は2週間後です。
縮小する「猫」の脳。AIは脳を変えていくのか。【AIと遊ぼう! AIRS-Lab #069】: https://youtu.be/oyYRH_h1Knw

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【書籍】

Udemyコース「AIパーフェクトマスター講座」が書籍になりました。
新刊「Google Colaboratoryで学ぶ!あたらしい人工知能技術の教科書」(翔泳社)は9/8に書店に並びました。
Google Colaboratoryを使って、CNN、RNN、生成モデル、強化学習、転移学習などの人工知能技術を一通り学ぶ本です。
また、他のUdmeyコースの書籍化の企画が既に始まっています。どうぞご期待ください。

今後も、皆様にとって有益なコンテンツを提供していけたらと思います。
ご意見、ご感想、コースのご要望などがありましたら、ぜひお聞かせください。


我妻幸長(Yukinaga Azuma )

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