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ローライ35のちびっこいやつ(3) ローライC35を持って山へ

ローライC35が到着して数日後、ちょうど日帰りで山登りに行く予定があったのでそこで試し撮りすることにしました。リュックを下ろさずに出し入れできるよう、登山口から腰のベルトに取り付けられる小さなポーチにカメラを入れて出発し、6時間ほどの山行でフィルム2本分を撮りました。

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まず第一に感じたのは、これまで何度も書いてきた「軽さ・小ささ」です。300グラムに満たない重量なので、腰回りに付けていても重さを感じることは全くありませんでした。急な上り・下りの際や、ジョグペースで軽く走っているときには多少ポーチが揺れましたが、たいして気になりませんでした。ただ、カメラを傷つけないよう保護クッション付きの入れ物には入れた方がよいと思います。この時期でも山に登るとそれなりに汗をかくので、ジップロックのようなものでカメラを包むことも必要です。

次に、ローライC35を使ってみた感想です。私はこれまで、ローライ35Sを使っていたので「目測」には抵抗はありません。露出計がないのも、特に不便は感じませんでした。ある程度露出の許容範囲が広いネガフィルム(ISO400)を使っていたので、大まかな勘で調整です。晴れた日中の屋外で、絞りf11、シャッタースピード1/125秒あたりを基準に、その場の光の当たり方などを見て多少変更しながらシャッターを押しました。日中の山歩きをする分には、1/30よりも遅いシャッタースピードを使いたい場面もなかったので、スローシャッターがないことも気になりませんでした。

一方で、使用時の注意点もいくつかあることがわかりました。特に、ローライ35Sやオリジナルのローライ35などを使い慣れている人は戸惑うだろうなと、実際に私が何度も引っ掛かった点がふたつあります。ひとつは、写真を撮った後でレンズを沈胴させる際、ロック解除ボタンの位置がローライ35S(やオリジナルのローライ35)とC35で違っていることです。ローライ35Sなどでは、軍艦部の右側に2つボタンがあります。ひとつがシャッター、もうひとつが沈胴のロック解除です。これがC35だと、軍艦部右上にあるボタンはひとつだけ(シャッター)で、レンズを沈胴させるときはボディ前面の小さなボタンを押してロック解除することになります。

下の写真で左側がローライ35、右がC35です。シャッターボタンは似た形状をしていますが、C35のシャッターボタンは前面に近い場所にあります。前後で考えれば、ローライ35における沈胴ボタンに近い位置と言えるかもしれません。

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これが、ローライ35Sに慣れている身にとっては混乱のもとになります。C35のボディを観察して「沈胴時にはこのボタンを使うんだな」と頭では理解していました。でも実際に使ってみると、体が理解していませんでした。自分でも初めてわかったのですが、特に移動しながらのスナップ撮影では、シャッターを押した後の沈胴はいちいちボタンを目視したりせず、指で軍艦部のボタンを探って押しレンズを沈胴させるという操作を半ば無意識に行っていたようです。

するとどうなるか。ローライC35でも同じようにシャッターを押してから一連の流れの中でレンズを沈胴させようとし、半ば無意識に手で沈胴ボタンを探るうちに、軍艦部にひとつだけあるシャッターボタンを間違えて押してしまうのです。沈胴ボタンは軍艦部にあるということが、10年もローライ35Sを使っているうちに自分の中での「常識」になってしまっていたようです。フィルム2本を使い切る中で、5回以上このようなシャッターミスをしてしまいました。

もうひとつは、ファインダーの位置です。ファインダーをのぞく側から見た場合、ローライ35Sでは上の左端にファインダーが付いていますが、C35ではこれが真ん中よりも少し右側になっています。いくらか軽いとはいえ、35Sと大きさや外側の質感はほとんど変わらないので、写真を撮ろうとするとつい、左上を目のところに持ってきてしまいました。ファインダーをのぞくというのも、慣れたカメラだと半ば無意識に行っているものだということが、今回よくわかりました。

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ファインダーの位置の違いは、シャッターを間違えて押してフィルムを1コマ無駄にする、といった実害にはなりません。でも、ファインダーが左側から右側に移ったことで、縦の構図で写真を撮ろうとしたときに目よりも高い位置にカメラのボディが行く部分が増えることになります。カメラが被っていた帽子のツバにぶつかることがあり、ちょっと不便に感じました。

さて、こうした試行錯誤をしながら撮ったフィルムを、さっそく現像に出しました。上がってきた写真の一部がこれです(ネガを家庭用スキャナで読み込んでいます)。

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色はきれいにでていますね。。でも実は、フィルム2ロールの中で、それなりにちゃんと写っているのはこれぐらいしかありませんでした。ほかの写真は無残なものばかり。このカメラには、フィルムを装填してみないとわからない、大きな欠陥があったのです…。



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