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トスカーナ・オリーブの夢 ひらめきと誕生
9月中頃。
黒く熟し始めたオリーブもあれば、まだまだこれから…と言わんばかりの青いオリーブたちがいる。
この頃から少し、収穫を意識し始めた。
ラベル作りは続いている。
本当なら、プロに頼んで一気に作ってもらった方が、
きっと素敵なものが出来るに違いない。
皆、どこに頼んでいるのだろうか。
それも知らない。
人に頼めば、楽もできるだろうけど、
乗りかけた船。
ひとまず、イタリアで、オリーブオイルのラベルに必要な事項を理解するには、
自分の手を動かした方が、きっと早く理解できるだろう…とも思う。
いろんなフォントで、自分の名前を打ち込んでみると、実にいろんなカタチがあることに気づく。
ああでもない、
こうでもない。
全て違うフォントなのに、どれも同じに見えてくる中で、
ひとつだけ、気になる字体の文字を見つける。
何と呼ぶのだろう。ヘラクレスみたいな名前。
「HERCULANUM」。
このフォントの「Y」と「o」。
コレを組み合わせたら、オリーブの枝と実っぽくならないかな…
そんな事を思いつつ、その日は床に就いた。
翌日、改めて、打ち出した自分の名前の数々を眺める。
「HERCULANUM」
うーん、やっぱり、これが気になる。
使っているソフトの、要領も得ないのに、
とりあえず打ち込んでみる。
Y o
「Y」と「o」は、私のイニシャルだ。
それが、オリーブっぽく見えるのも、不思議な話。
そうだ、これでロゴを作ってみよう。
デザインツールがないソフトで、デザインをしていくという、無謀さ。
これを正しいソフトに置き換える方が、多分きっと、大変かと思う。
どこをどう、操作したのか。
自分でも分からないまま、
気がついたら、
画面上では、それっぽいものが出来上がっていた。
「OLIVE DELLA YUKI」のロゴが、こうして誕生した。
偶然の産物ではあるけれど、素人っぽくて、
それはまさに、私そのもの。
世の中、やってみなくては、
分からないことは沢山ある。
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