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OLIVE DELLA YUKI 2年目の春

週末は、オリーブ畑へ出向く。
先週も、今週も、
あまり様子は変わらないのだけれど、
そろそろ、剪定の時期を具体的に考えなくてはならない。

昨年、収穫を手伝ってくれた収穫隊のボスはモロッコ人で、
近くの大きなワイナリーが所有するワイン畑やオリーブ畑も、
彼が取り仕切っている。
春から秋まで、イタリアのそれぞれの畑仕事を終えると、
ゆっくり休むイタリア人とは対称的に、
今度は地元のモロッコに帰って、
モロッコの畑の仕事をする。
年中、働いている…のだと語る。
「家族を抱えているしね。」
笑いながら、そう言う。
一夫多妻制というのも、男にとっては、大変な仕事だ。

何度か電話して繋がらなかったのは、
モロッコにいたせいで、
3月になって、ようやくイタリアに戻ってきたらしい。

「3時半から4時ごろ伺います。」
剪定をお願いするのに、電話をしたら
早速来てくれるとのことで、ありがたい。
「あんまり遅くなると、芽吹いてきちゃうから、今くらいの時期がちょうど良いかと思うよ。」
そう、教えてくれた。

昨年は、契約だのなんだので、すっかり剪定の時期を逃してしまったから
今年こそ、ちゃんと手掛けないと…と思っている。

昨年に比べて、少し寒い春。

オリーブ畑に居ても、少し寒かったけれど、
青々とした草たちに囲まれて、
太陽の光を浴び続けるオリーブの木たちは、
静かに剪定の日を待っている。

2年目の春。
私にとって、新たな年が始まった。


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