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収穫量について、考える。

2月も下旬に差し掛かる。

比較的、暖かいと言われている今年の冬だけど
2月の最初のあたりは、寒気に襲われていた。
フィレンツェあたりで0℃以下、
トスカーナの中では比較的暖かいオリーブ畑のある地方も
夜には0℃くらいまで下がったようだった。

それまでが、あまりにも暖かかったからか
剪定をしているところもチラホラとあったけれど、
いきなり冷え込んできたら
オリーブにとっては厳しくないかな…と心配になる。

自然を相手にする仕事は、その見極めが難しい。

昨年の3月に、大胆な剪定をしてしまった我がオリーブ畑は、
そのおかげで、大きな実をつけてくれたけれど、
数が圧倒的に少なかったし、
今年は、大きな剪定はしないと決めている。
その代わり、
出来たら、もう少しオリーブの木を増やしたいと思っているのだけれど、
どうしよう。

昨年、品質保証のひとつである IGPの申請をしたから、
どれくらいの広さがあって、何本、オリーブが植っているのか、キチンと登録されている。
それを変更するのには、変更手続きをしなくてはならない。
ズボラなようでいて、案外細かいイタリア。
まるで、建築や土地の登記みたいだ。

迷っていたら、世話役フランコがポツリと言った。
「今ある木の収穫量を増やす努力をする…という手もあるよ。」

おっしゃる通りだと思った。
でもどうしたら、増やせるだろう?
新たに木を増やしたとて、すぐに収穫には繋がらないし、
最低でも3年、多分、5年くらいはかかるだろう。

言うは易し。
決めるのは、大変。
行うのは、もっと大変。

冷たい風に吹かれて
揺れるオリーブの木々を眺めながら
やっぱり考えてしまう。

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