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収穫の日

10月14日、
2022年のオリーブの収穫が始まった。
昨年が10月15日だったから、ほぼほぼ、同じ日。

収穫隊の朝は早い。
この日のイタリアの日の出時間が朝の7時半で、
その頃には、収穫隊は既にスタンバイしていて、
私がオリーブ畑に顔を出す頃には
もう既に収穫が始まっていた。

ブイーンと高枝切りバサミみたいな棒を動かしながら
ポトポトと落ちていくオリーブたち。
今年は剪定をしたから枝葉が少ない。
その分、熟した実は大きく、ツヤツヤしている。
「絶対、美味しく出来ると思うよ。」
数が少ないから、慰め程度に言ってくれた収穫隊隊長モハメッドは
その日は来ていなかった。
この時期は、あっちやっこっちに、引っ張りだこなのだろう。

収穫隊の邪魔をしないように、
取り残したオリーブを手摘みしていく。
やり始めたら、目が慣れてきて
あ、ここにも、あ、あっちにも。
昨年の実が大豆よりちょっと大きいかな…という大きさなら、
今年は、その倍くらいの大きさ。
願うは、その搾油率だけれど、
搾ってみない限りには、なんとも言えない。

夢中になって、収穫のお手伝いをしていくうちに
時間は、あっという間に過ぎていった。
日中は、夏みたいに暑くって、
水が本当に美味しい。

夕方近くになって、ようやく30箱くらいにまとまった。
搾油所への配送は、今年も、世話役フランコがかって出てくれた。

「2時間後に来てね。きっと搾油出来てるはずだから。」

今年は、どうなんだろう…

ワクワクした気持ちと不安な気持ちを抱きながら、
その時間を待つことにしたのだった。

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