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25:全然HSPじゃない上司


今の上司がわたしの上司となってから明日で丸2年になる。

ドライな性格で極端な言い方をすれば少し機械的な人なので心の内が分かりづらいが、恐らくとても大事にされている。むしろたまに過剰な愛情を感じる(上司は同性かつ子持ちの母)。

わたしも論理的なところがあり一見ドライな印象を与えがちだけど、内面はとても感情的な所があり、だからこそ今自分の気分のアップダウンに自分で振り回されている。上司にとってはそのギャップがツボだったようだ。というか上司は自分がドライゆえに感情的な人間に魅力を感じるのかもしれない。

とても印象的なエピソードがある。

2019年の春、今の部署に来た時のわたしは、会社に対しても、今の上司に対しても、猜疑心でいっぱいで心を閉ざしていた。誰も信じられない、ギザギザハートの状態だった。当時は異動の話さえなければ春から休職するつもりだった。

今の上司は異動の事情(前の上司のパワハラなど)はある程度聞かされていたものの、基本的に人に無頓着な方なのでわたしの心情など知る由もなかった。なんかツンとした感じの子がきたなと思いながら(後日談)も普通に接してくれていた。

そのうちにわたしの気持ちも落ち着いてきて、上司にも心を許してきたが、もう過去のような失敗は繰り返したくはなかった。
それで、何かの時はじめて2人で食事をした時、この人に前の上司とのいざこざと、自分がその時々どう感じ、どう苦しんできたかを一度きちんと伝えておこうと思った。まだ傷が癒えてなかったのでちょくちょく感情的にはなってしまったが、割と懸命に筋道を立てて話したつもりだ。
上司は中華料理をつまみながら話をうんうん聞いていたが、途中から何故か明らかに『へぇー!』と目を輝かせていた(大きな瞳の方なので本当に目がキラキラしているように見えた)。

そして最後に
『〇〇(わたしの名)さんって今どきのクールな感じの子かとおもったら、意外と感情豊かな方だったんですね!』みたいなわたしの思惑とはズレた感想を嬉々として述べてきた。

なにそれ。

何か違う気がしたが、まぁ伝わったならいいやと思って帰路に着こうとするとその上司がついてくる。あれ車停めてるのも自宅も反対方向じゃなかったっけと思いながら駅に向かう。
『〇〇さんの話すごい面白かったからもう少し一緒にいてお話していてもいいですか?』と言われた。

意味がよく分からなかったけど
そうなのか、いいですよ。と
結局駅前まで話しながら来て、あー遅いし送ってくれたのか、と思う。
じゃあ、とわたしは定期を取り出す。するとなぜか上司もICカードを取り出す。
わたし『お家反対方向ですよね?』
上司『うん、だから〇〇(わたしの名)さんの話もっと聞きたいから〇〇さんの最寄りの駅まで一緒に電車乗って聞こうと思って!そのまま私だけまた引き返してきますので。』

今書いていてもやっぱり変わった方だなーと思う。これシラフだったのになぁ、、

この時わたしは流石に引いてしまい、それが顔にも出ていたらしい。
上司も流石にそれを読み取り急に我に帰って
『私ちょっとこういう所があって、ごめんなさいー』と謝りながらさーっと帰っていった(ちょっとかわいそう)。

ちなみにこの年は数ヶ月間お弁当を作ってもらったりもしていた(お金は払ってたけど)。

変わった人だけどわたしもこの上司のことが結構好きだと思う。

でもなにせキャラクターが違うため未だに距離感が掴めなくなる時がある。
特に最近は打ち解け感を出し過ぎていたというか、馴れ合いの関係を強め過ぎていた。上司は行動力があり、実務能力が非常に高い方だ。私の苦手とする業務を沢山担っているので、劣等感や申し訳なさから盛り上げ役や心理的サポートに回り過ぎてしまった(上司曰く上司の苦手な部分を私が担っているから劣等感は感じなくていいらしい)。

今回のメンタル不調にはそのストレスも多分にあったと考えている。


ということで今日上司には

『前までのわたしはもう"しんだ"と思ってください。無理してたから病んでしまったということでしょうから。』

と少し勇気を出して伝えてみたが

『わかりましたー!』

と元気に軽く受け流していた。

たぶんわかっていない。





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