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第4章 出発 ⑧「眠くならない講話、だそうで」

 感想文ではないが、講話をした学校の先生から生徒の様子を教えてもらったことが2回あった。
 2019年5月中旬、奄美大島の中学校で2年生に向けて講話をし、3か月後に学年主任の先生と生徒全員からの感想文をもらった時のことだ。読みながら思わず笑ってしまったのは先生からのお手紙だった。

 「修学旅行で行った原爆資料館では、田平さんが講話で使った(原爆資料館にも展示されている)資料を見つけて『これだ!』と言いながら学びを深める生徒がいました。あまりに熱心すぎて、集合時刻に遅れてきた生徒が何人もいました。全行程の中で遅刻した生徒がいたのは、ここだけです」。

 これほどまでに生徒の様子が鮮明に想像できるユニークなエピソードが他にあるだろうか。講話が生徒一人一人の心に、自分の想像以上に届いていたことを実感でき、とても嬉しかった。

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 また、同月末、岡山県倉敷市の中学校で2年生全体に講話をしたときのことだ。学年主任の先生によると、授業中いつも寝ている男子生徒がいるらしい。
 講話後、彼が先生に「いつもは眠いけど、今日の授業(講話)は眠くならん」と言ったそうだ。先生がそれをわざわざ教えてくださったのが嬉しかったし、講話の練習を頑張ってよかったと思った。

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 毎回講話を終えるたびに、反省点や改善点などを見つけ、修正するように努めている。こうした小さな努力を積み重ねることで、相手の反応も変わるということを学んだ。

 こういう、感想文の一枚一枚や先生からのお手紙、心温まるエピソードの一つ一つが私の大きな原動力になっている。
 

 

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