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平和活動家だからこそ、異分野の仕事をすべき理由

核兵器廃絶と直接関係のない仕事を始めてよかった。
私はつくづくそう思うんです。
↑の写真は、私が職場で核問題について話をしているところです。

大学時代に核問題を学んでから、私の人生と平和活動は切っても切り離せないものになりました。
初めての仕事は核問題を研究するシンクタンクの事務スタッフ。その後は被爆体験の継承活動を始め、月3,4回のペースで全国を継承講話で飛び回る日々。
次に、福島原発事故の被災地を支援する大学のセンターで働きました。

平和活動一筋だったからこそ、私は核廃絶とは関係のない仕事をしたほうがいい3つの理由を挙げたいと思います。

1.核廃絶だけが平和ではないから

児童生徒に「平和って何?」と聞くと、バリエーション豊かな答えが返ってきます。

・友達とケンカとかせずに過ごせること
・美味しいご飯が食べられること
・問題を暴力ではなく対話で解決できること

私自身、核兵器の廃絶は世界平和を達成する一つの手段として捉えています。
世界には気候変動、経済格差、思想の対立、紛争…あらゆる問題がありますが、それらを一つひとつ解決する道が平和そのものではないかと考えるようになりました。

核兵器がなくなっても通常兵器はあるし、戦争の火種があるなら、真の平和とは言えないのではないでしょうか。

2.視野や世界を広げた方がいいから

核廃絶運動の世界(?)に長年いたことで、活動にどっぷり浸かると視野が狭くなりがちだなと感じました。

選挙で選ぶ政治家を日本の核政策だけで判断したり、
核廃絶に関心があるというより、活動をしている自分に酔いだしたり、
「核なき世界」の達成が目的になってしまったり(手段の目的化)

活動家にはそういうきらいがあるな…と心がモヤモヤしたことは、数えきれません。
政治家の仕事は核廃絶を達成することだけでないように、国民の役割も核廃絶を訴えるだけではないはずです。

3.平和は足元からしか創れないから

私は今、不登校や引きこもりなど、生きづらさを抱える子ども若者支援の現場で働いています。
もともと私も不登校経験があり、過去の自分を救う仕事をしたいと15歳から思ってきて、やっと仕事につながった形ですね。

いわゆる弱者が弱者のまま、置いてけぼりにされてきたのを見ると、彼らを幸せにせずして何が平和なんだろう、といつも思います。

めでたく核廃絶が達成されたとしても、目立たないところに不幸があるなら平和ではないと考えています。
だからこそ平和のために今いる場所で、できることを毎日続けることが大事だと思います。

平和を創る主体者になろう

以上3つが、平和活動とは別に仕事を持った方がいい理由です。

ちなみに、講話先の学校で担当の先生とじっくりお話する機会がありました。
その時に私の仕事を話すと「うちの学年にも発達に課題がある生徒がいて…」という話になったんですね。
共通点が見つかると人間関係を作りやすいと言われるように、仕事が先生との関係構築にも役立っています。これは嬉しい誤算でした。

私はこれからも、平和を創る主体者として仕事と平和活動を両立していきます。

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