第4章 出発 ⑨「驚きの再会」
ところで、講話での出会いは行く先々の先生方や生徒達だけではない。すごい偶然で出会った人をご紹介したい。
2019年8月9日、この日は長崎に原爆が投下されてから74年の日にあたる。
私は長崎の北西にある壱岐島にいた。高校の登校日に行われる平和集会で講話をするためだ。
長崎に生まれ育っていながら、壱岐に行くのは初めてだった。美しいエメラルドグリーンの海と、心地良いそよ風に癒されながら、前日の夕方に壱岐入りした。
講話は島内の大ホールで行われた。そこに生徒と教職員が合わせて500名くらいいただろうか。初めての大舞台で緊張しながらも、1時間の講話を終えた。
***
終了後、パソコンや舞台の片づけなどをしていると、一人の男性が私のところにやってきた。
「あの、すみません。田平さんよね?沖田です!覚えとる?」
男性はなんと、私の高校時代の先生だった!
私が3年生の時に赴任なさった沖田先生は、私達の学年担当ではなかったため直接教わったことはないが、お顔とお名前はしっかり覚えていた。
私は突然の再会に頭が混乱しながらも、嬉しさを抑えられなかった。沖田先生…懐かしい。まさか壱岐で高校時代の恩師にお会いするとは!そういう出会いがあるなんて全く予想外である。
***
しかしなんで私のことを覚えていてくださったのだろうか?
高校を卒業してからもう8年半経っていた。そのうえ、私は目立つような生徒ではなく、(今では考えられないが)内気でおとなしい子だった。不思議に思ったので聞いてみた。
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