見出し画像

自分を生きてるからといって、心が常に軽やかなわけではない。

ジュエリーブランドNUDGEを立ち上げてから、はや半年が経ちました。ちょうど約半年の節目なのもあり、この半年の振り返りをしようと思います。ブランドの振り返りではなく、自分の在り方について。

初めて自己紹介を書いた記事の後、今日に至るまでnoteは空白でした。本当は自分の棚卸しのためにも、誰かの「自分を生きる」を応援するためにも、noteをはじめ、色々と発信したいと思いつつ、今時点では、ものをつくって届ける一連のサプライチェーンの全てに、たったひとりで携わっているため、なかなかに余白がない日々を送っていました。

そう、余白がない。

余白が無くて、心も体もくたくたでした。
特にコロナで厳密な自粛生活を送っていた4~6月と、ウィズコロナな中アクセルを踏みまくった8月は酷かった。好きなことを仕事にしている、にも関わらずです。

前回のnoteにしたためたように、今自分が取り組んでいるのは、自分軸にシフトした生き方。
暮らしも仕事も、自分で自分の心の声に気づき、相談し、決定を下し、実行し、反省し、学びを深めていく。全部自分次第の世界。だからNUDGEを始める前は、これからはもうすこし楽に生きられる、と思っていました。かつて抱えていた生きづらさは手放して、自分の人生の舵取りを全部自分でするのだから。

わくわくしながら新しいチャレンジに没入しているので、基本は前向きですが、実際は、自分で決めて行動していても、キャパオーバーになるまで仕事をしてしまったり、できませんとお断りする勇気がなくて、仕事の難易度をあげたりと、自分で自分の首を絞める日々でした。

画像1

(8月はオーダー会という、新しいチャレンジをして楽しさと負担がいつも同居していた。本当にやってよかったです!)

その一方で、NUDGEを始めて、たくさんの方に、「自分で人生切り拓いてすごい!」とか、「したいことをどんどん実現しててきらきらしてる!」などといった恐れ多いお言葉をたくさんいただくようになりました。

ありがたい。ありがたいのだけど、その度に、そうなんです、と全力で首を縦に振りたい気持ちと、きらきらなんてとんでもない、日々泥の中でもがいています、という否定したくなる気持ち、どちらも同時に芽生えてくるのです。特に、くたくただった期間は。

そんな、好きなことをしていて幸せだけど、決して常に心が軽やかなわけではないという実感について、自分なりに深めてみました。

辿り着いたのは、

1) マインドフルであることは「自分を生きる」スタート地点にすぎない
2) 気づいた気持ちに、ことば・行動を一致させていく
3) 自分を生きる≠苦しみ・痛みがなくなる

の3つです。

画像5

マインドフルであることは「自分を生きる」スタート地点にすぎない

今振り返ると、NUDGEを始める前、「自分を生きる=マインドフルである」という方程式を猛烈に信じていました。けれど今の自分は、マインドフルであることは、自分を生きるための必要条件であって、充分条件ではないのだと実感しています。

マインドフル。最近よく聞く言葉だと思います。(「マインドフルネス」の方が耳慣れているかもしれません。)

マインドフルネス(英: mindfulness)は、今現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程であり、瞑想およびその他の訓練を通じて発達させることができる。
マインドフルネスの語義として、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」といった説明がなされることもある。新しい考え方ではなく、東洋では瞑想の形態での実践が3000年あり、仏教的な瞑想に由来する。
現在マインドフルネスと呼ばれる言説・活動・潮流には、上座部仏教の用語の訳語としてのマインドフルネスがあり、この仏教本来のマインドフルネスでは、達成すべき特定の目標を持たずに実践される。(wikipediaより)

かみ砕くと、「良い・悪い」などの価値判断をすることなく、「今この瞬間」の自分に深く注意を向け、気づいている心の状態を指します。

自分軸で生きることを、私は「自分を生きる」と表現していますが、そのためには、まず今この瞬間の自分に気づく必要があります。(「自分」とひとくくりにせず、頭・心・体の状態を切り分けるとよりクリアになります。)

生きることは決断の積み重ねに他ならないですが、小さかろうが、大きかろうが、何かを決断するということは、自分の気持ちと相談しながら、より良いと思えること・ものを選んでいくこと。
決断というと、転職や結婚など、何か大きなライフイベントを想起しがちですが、何時に起きるのか、何を着るのか、昼に何を食べるのか、といった日々の細々したことだって、考えてみれば自分で決断しています。

その決断の前に「自分に気づく」というステップがどれだけ大事か。具体的に挙げてみます。

例えば、

(疲れているからゆっくり寝たいし)8時半に起きよう
(子供と1日過ごすし、動きやすい格好がいいから)薄手のパンツを履こう
(今日は大事な会議があるから満腹になりたくないし)素麺にしよう

この()の部分が気づきによる動機。ある状態を生み出すのに作用すること・ものが人によって全く違うので、自分が自分に気づくことが、意思決定に大きな役割を果たすことがよくわかります。

ひとによっては、

(明日は仕事も多いし、いつもより早めに)8時半に起きよう
(暑そうだから、快適に過ごしたいし)薄手のパンツを履こう
(早く作れて楽だから)素麺にしよう

と、同じ決断をしているように見えても、動機が違うかもしれないし、

(疲れているからゆっくり寝たいし)10時に起きよう
(子供と1日過ごすし動きやすい格好がいいから)スニーカーを履こう
(今日は大事な会議があるから満腹になりたくないし)食事を抜こう

などと、同じ動機でも決断が異なるかもしれません。

要は、自分で自分のことを観察して気づき、内側から純粋に湧いてくる動機を元に決断する。それこそが「自分を生きる」のベースです。

画像3

気づいた気持ちに、ことば・行動を一致させていく

ここで念を押したいのは、気づくだけではなく、「気づきをベースに、決断して行動する」こと。私は、自分への気づきを瞬間瞬間手に取れることさえできれば、「自分を生きる」を実践できると思ってたのですが、気づきはただのスタート地点でしかないんですね。

この半年の間、満喫しているものの、くたくただった自分を思い返すと、実際くたくたな状態にあることには気づいてました。そういう意味ではマインドフルだったんだと思います。
しんどい・苦しい・辛いという局面でも、「きっと必要な出来事だから、その感情を否定せずそのまま味わおう」「未来の自分が感謝できたらOK」と、決して価値判断を下さず、ニュートラルにその感情たちに向き合ってました。うん、たしかにマインドフルではありますよね。

けど、しんどい。苦しい。

そして、やっと腑に落ちたのは、気づいた気持ちと、ことば・行動を一致させていくという、気づきの次のアクションを起こすことが大切だということでした。

自分軸を取り戻すまで、自分の気持ちに散々蓋をしてきたので、いつの間にか自分は「気づき至上主義」になっていました。自分と向き合い続けながら、今のこの瞬間の自分の心の様子を気づくことも、湧き上がってくる感情をジャッジしないことも随分とできるようになってきていたので、「気づき」に関しては上達してたのだと思います。

でも、しんどい・苦しいと気づいたら、その感情や状態を観察し、味わった上で、次の一手に変換してかないと、結局目の前の現実は変わらない。「心と言葉と行動の一致」はよく聞くフレーズではあるけど、ようやく体全体で納得できました。

この半年の自分の場合は、しんどい・苦しいと思いながらも、「ブランドをやりだしたんだから全力でやりたい」「まずは全ての業務を自分がやるべきだ」のような、理想論やべき論(とはいえ、これも私の気持ち)を掲げて、どちらも私の本音なのだ!と自覚的な気になっていました。
けど、後者の気持ちを尊重しつつ、しんどいし寝たいと思っているなら、「仕事の進度はこのままがいいけど、睡眠時間を削るのは嫌だから、アウトソースする。」のように、次の一手にまで手を伸ばせれたらよかったです。

画像4

自分を生きる≠苦しみ・痛みがなくなる

結局、自分を生きて、暮らしも仕事も自分のスタイルをどんどん形にしていても、苦しいしつらいし、胃がきりきりするような想いと無縁になることはできないということもよくわかりました。
この瞬間に味わう辛さや痛みを、どうにか「負の感情」だと決めつけず、未来の自分からしたら、学びや恵みであるに違いない、と思いながら過ごしています。

きっと人生は螺旋階段のごとく、愛や喜びだけでなく、苦しみや痛みも、デジャブのように何度も何度も味わいながら、振り出しに戻ってそうだけど実はワンフロア登っていた!というものかと思います。

感情の波がどんどんゆるやかになって、やがてどんなことが起きても中庸を保てる自分になることを必死に目指しているけど、波があること自体が、自分を人間たらしめている理由でもあるので、ここは、「苦しくてもいい、にんげんだもの」です。
面白いことに、最近は、愛や喜びと苦しみや痛みは対局にあり波をつくる、というよりは共存しているような感覚。

階段をのぼる過程でのすべての体験が、自分の器を少しずつ大きくしてくれると思うので、これからの自分の感じ方の変化も楽しみです。
今後も、時折、「自分を生きる」の地図をアップデートしていきたいと思います。

画像5

▼NUDGE instagram
https://www.instagram.com/nudge_jewelry/

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?