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曼珠沙華よ彼岸に届け

あなたが投げたガラスの破片
粉々に私に降り注ぎ、
全身に刺さってそのまま膿んだ。

それからも、ずっと投げつけて、
苦しむ私を見て笑う。

なんのことはない憂さ晴らし。
まとわりついてくる者たちの
機嫌取りに疲れたから。

膿み爛れた全身の
ガラスは皮膚ごとえぐり出し、
取り除かねば命がない。

今は死ねない自分だから、
手ぬぐい噛んで、刃物でえぐる。

ここに落ちて、血膿にまみれた爛れた肉を、
ガラスごとあなたに喰わせたい。

ガラスが腹を突き破ればいい。

でも例え、腐り果てたとしていても、
私の肉があなたの一部になるのが耐えられない。

曼珠沙華よ、彼岸に届け。
あの人の命を彼岸に渡せ。

もしも目の前にいるのなら、
引き裂き曼珠沙華の花を咲かせよう。

そうして地獄に落としたい、
だけど、私も地獄に落ちる。

同じ地獄に居たくない。

曼珠沙華よ、根の毒を
水に流してあの人に届けて。
私の知らないある日に於いて。

含んだ水よ、染み通り、
吐かせて、その血を咲かせよう。

彼岸花よその名の通り、

彼岸をこちらに手繰り寄せて。

辺土(リンボ)と辺土に永遠の隔たりあれど。

あなたと同じ所に居たくない。

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