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新型冠状病毒肺炎診療方案 試行第7版(再掲)

新型コロナウイルス肺炎診療方案の訳です。前半の西洋学的な治療法になります。
(試行 第7版)

*2020年に訳したものです。
現在時間をかけて公表されてきたことの大半がこの時点で分かっています。

2019 年12 月以降、湖北省武漢市に新型コロナウイルス肺炎患者が続々と確認され、感染蔓延に従って中国他の地域と海外にも症例が相次いでいる。急性呼吸器伝染病である新型コロナウイルス肺炎は、「中華人民共和国伝染病防治法」では二類伝染病として分類されているが、一類伝染病として管理される。

一連の予防のための規制や、医療による救助、治療を施すことにより国内においては一定の安定状態となり、大多数の省においては鎮静、しかし、国外(越境して)からの患者は依然として増加傾向にある。(注 2020年3月時点)可能な限り早く患者の病態を把握し病理学的検査や、疾患への経験的な判断により、疾患の早期診断早期治療で高い治癒率と死亡率の低減をはかり、何よりも院内感染を予防する。
国外からの感染に関しても考慮していき診療方案の第6版に続いて今回7版の作成が終了した。

一、病原学的特徴
新型コロナウイルスは包膜に覆われており、多形性の性質を持つ直径60-140nm の円形や楕円形のβ属コロナウイルスである。
新型コロナウイルスの遺伝子は、SARS-CoV やMERSs-CoVと比べ明らかな違いがある。現時点の研究では、新型コロナウイルスと蝙蝠SARS 仕様コロナウイルス(bat-SL-CoVZC45)の類縁度(ホモロジー)が85%以上であることが確認された。2019-nCov は、体外分離培養後約96 時間で人体呼吸器上皮細胞内から検出できるが、一方Vero E6 とHuh-7 細胞系の分離培養には約6 日かかる。
新型コロナウイルスに対する理化学特徴の認識は大半がSARSs-CoV とMERSs-CoVの研究を踏まえたものである。新型コロナウイルスは紫外線と熱に敏感で、56°で30 分間の加熱やエーテル、塩素消毒剤、過酸素酢酸、クロロホルムを含む脂溶性薬剤によって有効に不活化できる一方、クロルヘキシジンによっては有効に不活化できない。

二 流行上の特徴
1) 感染源
現状は感染者が感染源となる。無症状の感染者も感染源となる。
2)伝播経路
主として、呼吸器からの飛沫伝染と密接接触が主要な伝播経路となる。密閉された環境で長時間の暴露で空気伝搬も可能。また、糞便中から新型コロナウイルスを分離できることから、糞便による環境汚染状態から空気、もしくは接触での伝播もありうる。
2) 感染しやすい人
人全体が感染しやすい。

三 病理改変
限られた数ではあるが、検死と穿刺採取した検体から判明した病理学的特徴は以下の通り。

(一)肺
肺胞内に漿液が見られる。繊維タンパクの浸出物や、透明幕の形成がある。浸出液の内容は単核細胞と巨食細胞(マクロファージ)、また他に多核巨大細胞もみられる。
Ⅱ型肺胞上皮細胞は顕著な増殖、部分的には細胞が脱落し、Ⅱ型肺胞状細部と巨大細胞は内部に液体を持ち、肺胞周囲の血管は充血、浮腫、単核細胞とリンパ細胞は浸潤および血管内に透明の血栓を形成。肺組織は出血、壊死、出血性の梗塞脂肪。肺胞が部分的に筋肉化(?)や間質繊維化もする。
肺内の気管支粘膜上皮は脱落、内腔には粘液や粘液の栓が形成。少数の肺胞は膨らんで伸びる、肺胞隔は断裂、もしくは膿胞を形成する。

顕微鏡下で気管粘膜上皮とⅡ型肺胞上皮細胞質内にウイルスの顆粒を認める。免疫組織を染色すると肺胞の上皮と巨食細胞(マクロファージ)がコロナウイルスの抗原陽性。RT-PCR検査でのDNA陽性。

(二)脾臓、肺リンパ節と骨髄
脾臓は明確に縮小、リンパ細胞も減少、炎症性の出血と壊死、脾臓内では巨食細胞増生、同時に呑食現象も見られる。リンパ節でのリンパ細胞は減少、壊死も見られる。免疫染色ではリンパ節内でのCD4+T細胞とCD8+T細胞が減少。骨髄の三系細胞量が減少。

(三)心臓と血管
心筋細胞には変性、壊死が見られ、間質では単核細胞が少数、リンパ細胞、好中球の浸潤、部分的に血管内皮の脱落、内膜炎、血栓が見られる。

(四 )肝臓と胆嚢
堆積増大、暗紅色。肝細胞変性、中性粒細胞浸潤を伴う「かまど」性の壊死(炎症性?)肝臓の類洞の充血、「マニホールド」内リンパ細胞と単核細胞の浸潤、微小な血栓の形成、胆嚢は高度の充盈。(造影剤を入れた状態ではなく、何らかの物質で充満している状態を指していると思われる)
(五)腎臓
腎臓の小体内ののう腔にタンパク性の進出物あり。腎小管の上皮変性、脱落、管が透明に見える、間質の充血、微小血栓と「かまど」性の繊維化が見られる。

(六)その他の臓器
脳の組織は充血。浮腫、部分的に神経の変性、腎上腺(おそらく副腎皮質などホルモンの分泌部位)は「かまど」性の壊死。*注)炎症の激しいものを「かまど」と表現していると思われる。

四 臨床特徴
(一) 臨床表現
目前で起こっている流行に関して。潜伏期は1-14日、多くは3-7日。発熱、乾いた咳、一部の患者で鼻づまり、鼻水、のどの痛み、筋肉痛、下痢が見られる。重症の患者は発症から1週間後に呼吸困難や低酸素血症が見られる。重症のものは急性の呼吸逼迫性の症状一般と敗毒症性のショックが見られ、代謝アシドーシスと血液凝固能の異常などが起こる。
重症者に注意すべきことは、危篤状態であっても体温は低く、明確な発熱は見られない。

ある小児や新生児には典型的な症状ではなく、嘔吐、下痢、消化管症状としてあらわれるか、精神的に弱っているだけに見える、呼吸が急に早くなるのみであったりする。

軽症の患者では今までの回復事例を見る限り、多数の患者は予後良好。少数の患者だけが重篤となっている。高齢者や慢性の基礎疾患を持っている人は予後に明らかな差がみられる。妊産婦の臨床像は同年代の患者とほぼ同様。

(二) 実験室検査
1)一般検査
発症の早期は循環血中の白血球の数が正常もしくは減少し、リンパ球の数も減少する。ある患者では肝臓酵素、乳酸脱炭酸酵素、筋肉中の酵素とミオグロビンが増大する。一部の重篤患者からはトロポニンが増加する。
大多数の患者からはC反応性タンパク(CRP)と血沈が上昇、プロカルシトニン値は正常、Dダイマーは上昇、循環血のリンパ細胞は並行して減少、重症、危篤型の患者のサイトカインは上昇。

2)病原学および血清学的検査
1 病原学検査
RT-PCRあるいは、もしくは併用してNGS方式で鼻のどをぬぐった痰や呼吸道の分泌物を用いて検査。血液、糞便からは新型コロナウイルスのDNAを検査できる。下呼吸道の標本(痰あるいは気道の抽出物)があるとさらに正確に行える。標本は採取後迅速に(検査に)送る。

2 血清学検査
新型肺炎のウイルスの特異性IgM抗体が発症の3-5日後に陽性となる。IgG抗体は回復時においては急性期の4倍になる。

3 胸部映像学
早期には破片状の影と間質の異常、その後、肺外帯の明暗、合わせて両肺にはすりガラス状の陰影、湿潤影、危篤者には肺の突然の変化、胸腔への浸出液は少量。

五 診断基準。
(一) 疑わしい病例
下に示す発病までの履歴と臨床症状を総合して判断する。

.1 感染者との接触履歴
1 . 症状が出るまでの14 日以内に、武漢及び武漢周辺、その他感染者の報告がある地域への旅行歴と居住歴がある場合。
2 症状が出るまでの14 日以内に、新型コロナウイルス感染者(核酸検査で陽性反応が出た患者)と接触したことがある場合。
3 .症状が出るまでの14 日以内に、武漢及びその周辺、あるいは感染者報告のある地方から来た発熱や呼吸器症状のある人と接触したことがある場合。
4 周囲に発病者がいる場合。(2週間以内に小範囲内、家庭、オフィス、学校など、そのうちに2例以上発症者及び上に示したような発熱、または呼吸器症状を持つ者がいる)

(三) 臨床像
1 発熱と呼吸器症状
2 上に示したような新型コロナウイルス性の肺炎影像の特徴がある。
3 発病早期には白血球が正常もしくは低く、リンパ細胞が正常あるいは減少。

前述の患者への接触例に相当する場合は臨床像のいずれか2例に相当する、明確な接触例がなければ臨床像の3例ともに相当する場合、疑わしい症例とする。

確定病例
疑わしい病例のうち、以下に示す病原学、もしくは血清からの情報で一致することがあれば患者と確定する。
1. RT-PCR検査において新型コロナウイルスのDNAが陽性。
2. ウイルスのDNA配列が、新型コロナウイルスのそれとほとんど同一。
3. 血清における新型コロナウイルスの特異的IgMとIgGが陽性。もし血清の新型コロナウイルスに特異的なIgG抗体が陰性か陽性かあいまいでも回復時に急性期の4倍以上に上昇するなら陽性。


六、臨床分類
(一)軽症
症状は軽微で、画像診断では肺炎の所見はなし。
(二)普通型
発熱あり。呼吸器等の症状あり。画像診断では肺炎の所見あり。
(三) 重症

成人では以下のいずれかに当たる。
1 呼吸の荒さが出ており、RPが30/分を超える。
2 静かにした状態で、酸素飽和度が93%以下
3 動脈血の酸素分圧(PaO2)/吸酸素濃度(FiO2)が300mmHg以下(1mmHG=0.133kPa)
*海抜の高い所(1000m以上)の地区では以下の補正を行う。
PaO2/FiO2×大気圧(mmHg)/760

★肺の画像で、24時間から48時間以内で病変が50%以上進んだ者は重症管理とする。

小児や幼児の場合は以下の一例に相当したものを重症とする。
1 呼吸の困難がある 
2か月未満 呼吸数60回/分以上、2か月~12月齢 50回以上、1歳から5歳 40回/分 5歳を超える/30回/分超える。
発熱で呼吸数を超えたり、激しく泣いたりして呼吸数が上がっている場合は除外する。

2 静かにした状態で酸素飽和度(指で測定)が92%以下

3 補助呼吸が必要な子(苦しんでうめく(いわゆる呻吟)、鼻翼の広がりが未発達、三凹征=three concave sign 呼吸困難時に見られる鎖骨上などに見られるへこんだような変形)、チアノーゼ、けいれん(小児)、間欠性呼吸停止
4 嗜眠傾向状態、けいれん
5 拒食もしくはそしゃくの困難、脱水症がある


(四) 危険な重症型
以下のサイン、状況にあるもの
1 呼吸の衰退があり、かつ機械による酸素吸入を必要とするもの
2 ショック症状
3 その他の臓器の能力の衰退があり、ICU治療を要するもの。

七、重症、重体型の臨床上の危険指標
(一)成人
1 末梢循環血のリンパ細胞が減少してくる
2 末梢循環血のサイトカインIL-6,C反応性タンパクが同時に上昇してくる。
3 乳酸値が同時に上昇してくる。
4 肺内の病変が短期間に進行してくる。

(二)小児
1 呼吸頻度が上昇してくる。
2 精神反応が変わってくる、嗜眠
3 乳酸値が同時に上昇してくる。
4 影像学的に双方の肺に多数の浸潤があり、胸腔に液がもれるもしくは病変が見られる。
3か月以下の嬰児で基礎疾患(先天性心臓病、気管支および肺の発育不良、呼吸器道の奇形、ミオグロビン血症、重度の摂食不良等)
また免疫能の低下。(長期間にわたる免疫抑制剤の投与など)

八 鑑別診断
(一)新形コロナウイルスか他の呼吸器感染か判別が必要。
(二)新形コロナウイルスによる疾患か、アデノウイルス、呼吸器道のウイルス性感染や、もしくは他に知られたウイルス性の肺炎や気管支炎のウイルスの感染かどうか鑑別が必要。疑わしい病例はできるだけ早く病理を採取、抗原による検査と多重PCRのDNA測定等を行い、並行して他の呼吸道の病原体の検査を行う。
(三)また、非感染性の疾患、血管炎や皮膚筋肉炎、機械化(繊維化)の肺炎との鑑別も必要

九 病例発見の報告 
それぞれの医療機関において疑わしい病例を発見したときは、まずその患者を隔離し、院内の専門家や主治医とで協議し、(確定前でも)2時間以内にインターネットで報告し、並行して標本を採取して新型コロナウイルスのDNA検査を行う。
同時に安全を確保しながら疑わしい患者を定点病院に搬送する。
さらに新型コロナの感染者への密接接触した患者は(ほかの)一般的な呼吸器感染の病原性が陽性であっても、なお新型コロナウイルスの測定も並行して行う。

疑わしい症例は少なくても24時間あけて2回採取した検体が新型コロナウイルスのDNA陰性、かつ発病7日後新型コロナウイルスの特異抗体IgMとIgGが陰性となって(初めて)陰性と判断される。


十 治療
(1)病状に合わせての治療場所の確定
1. 疑わしい、もしくは確定した病例は隔離治療が可能な防御方法を持つ定点医院にて隔離して治療。疑わしい病例は個人で隔離治療が必要だが、確定症例は複数の収容病室での治療が可能。
2. 危険な症例はできるだけ早くICU治療を行う。

(二)一般治療
1 横になり休息をとり、(回復の)補強、十分なカロリーをとり、水分、電解質平衡に注意、継続して内部環境を安定に保ち、生命体証を密接に観測、たとえば酸素飽和度など。

2 .病状によって血液検査、尿検査、CRP、生化学指標(肝酵素、心筋酵素、腎機能など)、凝血機能、動脈血ガス分析、胸部画像検査など。条件が揃っている場合はサイトカインの検査も行うと良い。

3 適時有効な酸素療法を行う。(経鼻カテーテルによる高流量酸素療法、酸素マスクによる酸素投与を含む)ある条件下では水素と酸素を3/1の割合の混合気を吸入。

4 抗ウイルス療法
:αインターフェロン(成人1 回500 万U、あるいは相当量に滅菌注射用水2ml を加え、1 日2 回霧化吸入する)、

ロピナビル/リトナビル(成人200mg/50mg/錠,1 回2 錠,1 日2 回,治療期間は10 日を超えないこと)

リバビリン(インターフェロン、ロピナビル/リトナビルとの併用を推奨,成人500mg/回,1 日2 ー3 回静脈点滴,治療期間は10 日を超えないこと)

リン酸クロロキン(成人500mg,1 日2 回,治療期間は10 日を超えない
リン酸クロロキンの処方量 18歳~65歳成人は体重50kg以上は毎時500mg、毎日2回、7日分、体重50kg未満は1日目、2日目は500mgを1日2回、3日目から7日目は500mgを毎日1回。

アビタールは(成人で200mg、毎日3回、10日を超えない。)

薬物による不良反応に注意。特に禁忌の症状(たとえば心疾患患者にはクロロキンを処方できないなど)また、薬物の相互作用についても考慮する。
これらの抗ウイルス薬物は3種以上は同時に用いない。もし強い副作用が出た場合は即中止する。
妊娠中の患者の治療は妊娠週数を考慮し、可能な限り胎児に影響の少ないものを選ぶが、場合によって妊娠終了(中絶を含む)をしてのちの治療となることを告知また、よく意思統一して治療を行う。

抗菌剤の使用。
むやみやたらに投与せず、必要に応じて用いる。

(三)重症、重体例の治療
1.治療の原則:
対症治療が基本として、合併症を防ぎ、基礎疾患の治療を行い、さらなる感染を防ぎ、合わせて体器官の機能を保持する。

2.呼吸の保持
 酸素治療:重症の患者はマスクから酸素吸入を行う。随時呼吸のひっ迫や、低酸素血症を改善すること。
 高流量経鼻管酸素吸入もしくは気道経由の切開を伴う機械吸入:該当の患者では呼吸のひっ迫や、低酸素血症の改善に伴い、機械をはずす試みを行っていく。
高流量経鼻管酸素吸入、もしくは機械吸入の導入に関して。
もし、短時間のうち(1-2時間)急激に病状が悪化しうる場合は気管挿入での機械吸入に切り替える。
有創酸素吸入(気道切開等)を用いる場合
肺の保持を行いながら吸入を行う観点より、少量の通気量(6-8ml/kg 理想体重として)気道圧力(30cmH2O以下)機械での吸入を行う場合は呼吸器と肺損傷を避ける努力をする。35cmH20を超えるときは、高レベルのPEEP(PositiveEnd-expiratory pressure)を採用するのが妥当かもしれない。
気道の温度と湿度の保持、長時間の鎮静を避け、早い段階で肺の回復治療も行う。
機械にうまく合わない人(同期がとれない)には筋肉弛緩剤や鎮静剤を用いることも考える。
気道分泌物の状況を考えて、痰の吸引部からの標本採取、必要時に気管支の内視鏡検査と検体採取を治療のために行う。

3 救命治療 
重症のARDS(急性呼吸ひっ迫症候群)患者 平行して肺の拡張を行う。人材に余裕あれば毎日12時間以上はうつぶせでの通気、うつぶせでは効果がよく出ない患者は条件が許す限り、体外式の人工心肺(ECMO)を付ける。その指標として、

1 FiO290%超える/時 酸素指数80mmHg以下、持続3-4時間以上
2 気道平台厚 35cmH2O2以上、単純に呼吸が衰退している患者、優先的にはVV-ECMOを利用、もし循環を確保する必要があるなら、VA=ECMO方式を用いる。
基礎疾患をコントロールでき、心肺機能が回復しているなら、機器を外す試みをする。

3 循環保持 
体液量の十分な保持は基本として、肺の循環を改善し、血管の活性をもたらす薬物を用い、血圧は頻回の測定、心臓の拍動と尿量の変化、動脈中の酸素分圧や乳酸値の増減を確認、場合によっては侵襲的、非新侵襲的血流の観測、超音波での測定、心エコー検査、侵襲性血圧もしくは持続心排出量(PiCCO)の観測、救急救命中においては、液体平衡に注意して過量、不足に注意する。

心拍が突然20%以上の増加、または血圧が基礎値から20%以上低下した際には、輸液等の不調(?)や尿量の減少などを伴う際には、敗毒症によるショック、消化管出血、心機能の低下が起こっていないかを密接に確認する。

4 腎機能衰退と腎臓交換治療
重傷患者は積極的にその腎機能の損傷理由を確認する、例えば、輸液や薬物の原因、腎機能低下患者の治療には体液平衡に注意し、酸塩基平衡と電解質平衡、経管治療中の人は窒素平衡に注意、カロリーと微量元素にも注意、重傷患者では連続した腎臓の代替治療も必要、その指標を示すに、
1高カリウム血症 2アシドーシス 3肺水腫、水の過負荷、4多臓器不全時の体液量管理

5 回復者の血漿を用いた治療
重症、重体の患者に対して。用法用量は「第2案」を参照のこと。

6 血液浄化治療:血液浄化法、
血漿置換を含む、吸着、灌流、血液/血漿濾過、炎症因子(炎症性のサイトカインのことと思われる)を除去することができれば、それは体本体への炎症による損傷の原因となるサイトカインストームの発症を抑制できる。
重症、重体の患者でのサイトカインストーム症状の抑制が早期、中期の救済となりうる。

7 免疫治療
免疫治療 両肺の病変重症患者、また検査においてIL-6が水準より高い患者にはトシリズマブの治療を試すことも可能。用量4-8mg/kgは 大体400mg、0.9%生理食塩水で100mlに希釈し、1時間以上かけて点滴する。この用量で効果の少ないものには12時間以上空けて同じ量を追加できる。しかし、最大2回までの投与とする。アレルギーに注意し、結核など(感染病原体が)活動状態の感染者には使用禁忌。


8 その他の治療措置
窒素平衡が悪化したときは、影像の検査を迅速に行い、本体の炎症反応がどの程度激化しているかを確認、短期内の想定でグルココルチコイドの利用、メチルプレソニゾロン換算で1~2mg/kg、大用量のステロイドによりウイルスへの免疫抑制に注意、コロナの体内からの排除が遅くなる。静脈注射により「血必浄」注射液の100ml/回を毎日2回行う。

子供の重篤患者は、静脈点滴にてガンマグロブリンを投与することも考慮する。
重症の患者では場合によっては妊娠の中絶、もしくは帝王切開による胎児の取り出しも考慮する。
患者は強い恐怖と焦りを持つので、カウンセリングも必要となることがある。

*血必浄=中国の生薬製剤で注射剤。

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