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山ペンギン 39 まるがりたさん女神に出会う

「まるがりたさん!お願いですから一人で行動しないでください!」
焦った感じでトリ2人がひよこを追いかけてきた。
「ついに鷲に獲られたじゃないですか・・・」
マジか。
「交渉するの大変だったんですから。」

交渉って・・・。

「我々トリなので鳥類とはコミュニケーション取りやすいんですよ。」

色々マジか・・・。

ワシ「おねがいします。その方はこの宇宙でも非常に貴重な方なのです。どうかお返しください。」
鷲「我とても、吾子ありて、ただただ育成せしに繁なり。良き食餌必ずしも入手するに易しきにあらず。」

なんで鷲がそんな言葉を・・・。
ワシ「理解いたしました。それではフィッシュフライ7個と交換で如何でしょう」
鷲「願わくば10なるが吉」

「というわけで、さらにつけて14個と交換してもらったんです。」

どうやって鷲に追いついたんだ・・・

「一応我々も飛べますので。」

飛んだんかい・・・。

「いや、良かったですよ。もしまるがりたさんが食べられてたら、太陽系ごと消滅させられるところでしたからね。」

「ああ、第一級危険区域としてな。」

ちょっと待て。

「大丈夫ですよ。宇宙全体から言えば誤差にも入りませんから。」

どう大丈夫かもう議論する気力もなくなった。

「まるがりたさんね・・・」
しまったもう涙目だ。
鷲に獲られたことがそれほど怖かったのか・・・

「いえ、まるがりたさんにはNASAの護衛もついてますから、場合によっては鷲が危なかったですね。」
「ああ。静止衛星がターゲッティングしてたな。」

「まるがりたさん自身も精神攻撃がすごいですからね。」

通常のコミュニケーションを糸としたら、まるがりたさんのそれは布かそれ以上の情報を瞬時に相手に送信してしまう。
まともにくらったら通常の存在なら脳が破戒されてしまうらしい。

まあ、一次元バーコードと二次元バーコードの違いくらいで理解してもらうと多少伝わるだろうか。

じゃあなんで泣いてるんだ。
「きっとまた伝わらないことがあって辛いんでしょうね。」
しまった今日は劉さんがいない。

「ごめんください。」
女神登場。
「あ、現状の菓子のうち、崩壊性が乏しく粘性が高いうちで、フルーツ系の香料を含んで、歯ごたえに弾力性があり、口中での溶解性が比較的高いものをこのひよこさんがお求めですよ」
なんで分かるんだ。

「この方言語化する前思考伝播できるのですね。珍しいタイプの人間ですね。」

女神さまアンタ・・

「私も神の端くれですから。3次元思考くらいまででしたら受信可能です。」

まるがりたさんはその思考能力で宇宙の構成をキムレイティブに時間処理し、各箇所で起こってくるであろう事象を読みとることが可能なのだそうだ。
そしてそれをAIにプログラミングして未来予測をしたいがためにNASAは招聘したらしい。

宇宙は広いのになぜまるがりたさんに?

「それだけ彼女は有名なのですよ。」



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