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山ペンギン 20 お星さまにお願い

流れ星を見た。

「流れ星に願い事を3回言うとその願いが叶うぞ。」

イマドは

「間に合うわけないじゃん。」

と非常に現実的なことを言う。

そもそもお前の願いごとって何なんだ。

「たぬきって生き物を見たいなあ。」

見ろよ。動物園で。

「私この間たぬき見たわ。」

「主任、本当ですか?」

「ええ、鼻が白いのよね。」

それはハクビシンだが、めんどうなので説明しなかった。

説明が誰よりも必要なペンギンがそこにいるのに、ハクビシンとたぬきのことはどうでもいいだろう。

「ハク・・たぬきはどこで見たんですか??」

「おでん廃棄しようとしたら、なんかとられちゃって。」

それはいろんな意味でまずいだろう。

「私にも願いがあります。」

女神さま、アンタは叶える方じゃないのか?

「私は何でもいいので、金、銀、鉄がそろったものを泉に落としてもらいたいのです。」

オリンピックを観戦したらどうだろうか。

あ、鉄じゃなくて銅か。

主任の願いは・・・

「そうねえ・・・。」

ごくり・・思わずつばを飲む。

誰かと両想いになりたいとか・・

まさかな・・・

「このコンビニの商品の廃棄率を下げたいのよね。」

ま、そんなもんか。

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