林優子@artな日記

美術作家|頭の中で光に置き換える|記憶や文章|会話や音楽| 作品詳細はインスタグラム …

林優子@artな日記

美術作家|頭の中で光に置き換える|記憶や文章|会話や音楽| 作品詳細はインスタグラム でも見れます。 https://www.instagram.com/yukohayashi_/ https://www.linkedin.com/in/yuko-hayashi/

最近の記事

抽象写真について

私の作品の多くを占める抽象写真。 作品についてよく言われるのは『写真で抽象表現って珍しい』という感想です。 その通りで確かに少数派です。 しかしある程度の規模で存在しています。 評論家でも無い私が、私見を書くのもおこがましいのですが、抽象写真に惹かれて撮り続けている者として書きたい事があります。 まず多くの人に馴染みのある抽象絵画との違いは何なのか? それは、手で描くのかカメラで撮るかだけ、つまり表現は同じです。 ここで抽象主義とは何かを分かり易く説明できればと思

    • 個展を終えて  (ゴーストのような瞬間たち)

      今回初めてインスタレーションという形での個展を開催しました。 作品作りのアプローチはこれまでと同様です。 そのアプローチと言うのは、私の場合は、頭の中で起こる『反射・反響』の再構築、そして身近に起こったことの再認識といったところでしょうか。 文章や写真・映像作品だけで無く、空間全体で表現をしたつもりです。 まだ規模も小さくシンプルな展示でしたが、スタートとしては色々と今後に繋がるものになったと思います。 特に設置当日にその場で作り上げるライブ感は、今までに無い達成感

      • 開催中の個展について (ゴーストのような瞬間たち)

        今週大阪のギャラリー白3で個展を開催しているので、作品展示について説明してみたいと思います。 まず、壁面2面を使ったインスタレーションから。 片方の壁には、ブルーと電球色の2つのライトが当たっています。 アルミホイールやリボンなどで作った不規則な形のオブジェクトに2種類のライトを当てることで、頭の中にある不確かな混乱した記憶のイメージ作りを試みました。 もう一方の光があたってない壁には、比較的整然とオブジェクトが並んでいます。こちらは、事実だと信じている記憶は少しデフ

        • ゴーストのような瞬間たち

          今月個展を開催させていただくので、その説明を少し書いてみます。 私はインスピレーションを得たという表現を度々使うのですが、頭の中に映し出された要素を組み合わせて作品に繋げています。 感情や記憶そして他者からの刺激などを作品作りの入り口として、写真・映像・文章などで表現してきました。 なんですが、、、 最近は、もう今は存在しないけど自分が過ごしてきた様々な時間について、ふわふわと考えることが多くなりました。 時と共に微妙に変化する記憶。そして周りも変化してしまい、益々

        抽象写真について

          無意味の味

            無意味の味    この場所に 出口はある? 失った事は 二度と 同じに 元には戻らない 代わりに 抱えこむには大きすぎる 白い世界が広がる まるで 春霞の中で上も下も右も左もなく あたかも存在しなかったかのように 埋もれ消えゆく記憶 いや、 そうじゃない 私自身が霞になってしまったんだ そして 存在のぎりぎりで漂っているんだ 変な後味のような感覚を残して

          作品の紹介(Vol.2)

          昨年、個展で展示した作品紹介です。 前回と話が被るのですが、作品タイトルに制作当時とは違う意図(自己内面)をあえて付けてみました。 様々な変化を経験し、現在の自分にはそれが相応しいタイトルであると思えたからです。 前回の投稿で、撮影作業時の事を少し書いたので、今度は、作品のコンセプトを作る時のことを書いてみます。 今回紹介する4作品は、当初、絵画からインスピレーションを得て制作し始めたものです。 特定の一人の画家や一つの作品ではなく、複数の画家そして複数の作品からイン

          作品の紹介(Vol.2)

          作品の紹介(Vol.1)

          よく色々なところで聞く『世界観』と言う言葉について考えてみた。 私の中には現実の世界と別に、もう1つの世界があります。 音や光の意味が大きく膨らんだ世界です。 大きな風船の中にその世界を閉じ込めておいて、 現実世界から行き来している感じです。 納得のいくものを撮るには、この2つの世界のバランスが 大事だと私は感じています。 2つの世界の折り合いが悪くなると内容も無くなっていきます。 私の作品は写真ですので、シャッターを押せば画像ができるという瞬間作業です。 あらかじめ

          作品の紹介(Vol.1)

          違和感

          まず展覧会のお知らせから書かせてください。 会期 : 2022.11.7(月)~11.12(土) / 11:00~19:00(土曜日17:00迄) 場所 : ギャラリー白3 http://galleryhaku.com/ 今回は紙に印刷した作品9枚を展示予定です。 短い会期ですが、ご興味のある方是非お立ち寄りください。 私の作品(写真)は、フラッシュの光の反射を利用して撮影しています。 作品展示方法は、紙に印刷した物だけでなく、プロジェクターや画面でデータを映したり

          秋宵

            上に載せたのは音楽と自分の内面を表現した作品なんだけど、 改めて見直して眺めていると、ふと風景が思い浮かんだ。 作品を撮ったときのイメージと全く違うんだけど。。 困ったものです。 もう少し詳しく言うと、クラシック音楽と少し冷めた目で見た現実の奥にある静寂さをイメージしたんですが、 本当に困ったものです。。。 私は、よく訳のわからない、面白くもない妄想をしていることが多いので、 まあ書いてみます。 良かったら、美術作家の少しおかしな裏話にお付き合いください。 では

          夕立

          はじめに 私はこの『artな日記』と題したページで何を書くか、 細かく考えて始めたわけではありません。 私は現代美術作品を制作している者です。 何かを発信してどう転がってどこへ動いていくか ほとんど興味本位?で始めようと思いました。 その制作活動の側面にあるものでも書いてみようかなぁと思っています。 では、まず何を書こうかな。 先週、いつもお世話になっているギャラリー白に行った。 ギャラリー1階にあるアートショップに置いてもらっている私の作品を入れ替えてもらえれ