新型コロナウイルスの影響でイベントを延期した主催者の備忘録②【緊急ライブ配信編】


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続編は、今回延期した、3月4-6日に実施予定のイベントを、緊急ライブ配信するまでに至った経緯と、初のライブ配信で学んだことを書きます。前編はこちらをご確認ください。

【3】基調講演を緊急ライブ配信する

イベントの延期を急遽決定したことは重く心にのしかかり、世間の暗いモードに加担してしまっているのではという気持ち、スポンサードしてくださる企業の皆さんや登壇準備をしてくれたスピーカーの方、参加者の皆さん、関係各社へご負担をかけてしまったという思いでいっぱいでした。もちろん経営的にも大ダメージです。重たい気持ちの中で、本来のイベントのメインプログラムである「基調講演」に登壇予定だったサンリオエンターテイメント代表取締役の小巻亜矢さんは、エンタメ施設の中では先陣を切った形でピューロランドの一時閉館を発表した方であることに気づきました。さらに、インタビュアーをお願いしていたエステーの執行役クリエイティブディレクターの鹿毛康司さんは2011年東日本大震災直後にみんなを元気づけたCM「消臭力」を手がけた方です。

・偶然にもこのお二人が基調講演。それなら、こうした状況での企業の在り方を話していただくことが、皆さまのお役に立つのではないか?

・今まで私たちがやったことがない「ライブ配信」に挑戦し、より多くの方にお二人の話を届けるべきではないか?

小巻さんと鹿毛さんに「当初のプログラム通りの日時に基調講演をライブ配信したい」とすぐに相談をしました。連絡したのは三連休あけ2月24日(月)の朝です。すぐに承諾いただけて喜んだのもつかの間(本業がお忙しい中、本当に本当に本当にありがとうございます!!!)、リアルイベントにこだわってきた私たちには動画配信のノウハウが全くないという現実に激突。もうここまで来たら、と腹をくくり自分のFacebookページでバカ正直に事情を説明しました。予算がないことも含めて。

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すると、ありがたいことにたくさんの方が温かい手を差し伸べてくださり、

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と声をかけてくださったICCパートナーズ小林さん、NewsTV金子さんのお力を借りることになりました。お二人だけでなくコメントではたくさんの協力しますよというお言葉や、直接メッセージをくれた方がいました。「配信なら視聴者コメントを伝える用のカンペ必須」なんていう超具体的で超実践的なアドバイスなども心強かったです!

そこからは裏では引き続きイベントのキャンセル対応などをしながら、ライブ配信の準備。過去のビジネス系イベントの配信動画を見て勉強したり、会場見学をしたり、とドタバタでした。

そして3月4日(水)当日、なんとか無事に配信がスタート。

※上のリンクから動画をフル視聴できます。

最終的にはYoutubeで約450名、Facebookで約50名がリアルタイムで視聴してくださいました。現在(配信後6日)ですでにYoutube再生数2,500を超えています。ライブ配信を思いついた時はBrand Summit Springに参加予定だった方向けのものとして準備し始めましたがたくさんの方に手伝っていただけたことで、オープンなコンテンツとして見てもらえるような配信ができ、イベント参加者の10倍以上の方に視聴していただくことができました。

※NewsTVさんがボランティアで作ってくださった、かっこいいダイジェスト版です。こちらもぜひチェックください。金子さん、ありがとうございます。


【4】生配信を通じて学んだこと

まず、ライブ配信はリラックスした雰囲気が大事なのだなと学びました。視聴者にはリモートワークの人もいるだろうし、自宅で見ているだろうからスピーカーの2人はカメラに近くて話しかけるようなスタイルがいいんだなと。冒頭お二人がクロミちゃんとウィッシュミーメルちゃんのカチューシャを着けてくれた明るさは講義スタイルではなかなか出せません。(鹿毛さん、土壇場でのアドバイスありがとうございました。)

一方で、ライブ配信の難しさも感じました。私たちは常にお客さんの顔と反応が見えるコンテンツ作りしかしたことがありません。会場の雰囲気が暗ければすぐに司会でフォローするし、スピーカーも声を大きく張ってくれたりします。でも配信ってコメントは流れてくるけど顔は見えないので、「○○さんが参加しています」と表示されていても本当に○○さんが見ているかはわからない、ミュート中で何もきいてないかもしれない。でも、逆にそれがとても新鮮でした。現時点でのリアルの強みはお互いの気配まで伝わること、それを再認識できたのは大きいです。急速なリモートワーク導入の流れもありますし、VRやビデオチャットも間違いなく進化するでしょうから、またリアルと配信のそれぞれの強みが変わってくるとは思います。そこは期待したいし、イベント屋としてどんどん新技術は取り入れていきたいです。

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配信に際して、 ICCパートナーズさんが、オフィス兼スタジオと最新機材一式、そしてそれをサポートくださるスタッフまでボランティアで貸してくださいました。事前にも、Youtubeの配信予約設定という超初歩的なところからすべてサポートいただきました。小林さん、尾形さん、本当にありがとうございます。

【5】最後に

とにかくとにかく多くの人への感謝でいっぱいです。失ったものはとてつものなく大きいですしまだ出血中ですが、得るものも大きかったです。まだ正しい行動をしたのかどうかはわかりませんが「あのタイミングでの延期決断を支持します」と仰って延期先日程を待ってくださっている参加者の皆さん、小巻さん鹿毛さんをはじめとしてライブ配信をサポートしてくれた関係者の皆さん、いつもイベントをサポートしてくれている協力会社の皆さん、そして事務局スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

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何もしないと仕事も生まれないし、お金が動かなくては経済も動かないので、単に、延期・中止、回復するまで待機・保留、しかも無給。という無のサイクルではなくて、少しでも新しい仕事を作るチャレンジも大事だと思いました。緊急結成の配信チーム全員でマスクを装着してモゴモゴしながら配信をしたことはきっと忘れられないでしょう。

すべては期間限定だから大丈夫(←小巻さんの言葉をお借りしました)。笑顔で乗り越えましょう!!


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