【Vol.4】エンパワー③:私達は日本人女性代表
「〇〇人って、こういう傾向あるよね」
誰しも一度は、こんなフレーズを聞いたことがあるはず。
なんなら聞くだけじゃなくて、自分でもそんな発言をしているかも。
私もついつい会話の中で、無責任なことを言ってしまいます。
イタリア人はロマンチストだ
アメリカ人は社交的でパーティーピーポー
イギリス人は紳士的で島国根性
メキシコ人は時間にルーズ
フランス人はオシャレ
インド人はカレーしか食べない
などなど…。真偽のほどはともかく、こんな風にステレオタイプ化すると、何かと楽なんですよね。そもそも人間の脳って省エネしたがるらしいし。
でも、イタリア人が全員ロマンチストなわけじゃないし、アメリカ人でも物静かで一人を好む人もたくさんいます。インド人だって寿司も食べます。
勝手に「〇〇人ってこうだよね」という、雑なくくりで考えてしまうのは大いに危険。そして私達日本人も、海外のどこかで「日本人ってこうだよね」って言われている、ってことなんです。
ってことは、海外においては、私達の一挙手一投足がとても大事。
「私達(女性)の行動=日本人女性代表」と言っても過言ではないのです。
海外で活躍するグローバル女子の落とし穴
過去の記事にて、日本人女性が海外でどう見られているのかについて書いてみました。気になる方は、下記の記事をどうぞ。
では今回は更に一歩進んで、私達がグローバル女子(グロ女)として海外で働いた場合、どのような落とし穴が潜んでいるのか、見てみましょう。
●「少数派=象徴」となる、トークンセオリー
スイスのビジネススクール・IMDのギンカ・トーゲル教授が説明した、トークン・セオリーという理論を聞いたことはありますか?
このトークンは、「象徴」とか「目につきやすいもの・目立つもの」という意味で使われます。企業などの組織で考えると、組織内の少数派グループ(厳密には15%以下)に属する人々のことを指します。
例として、「少数派グループ=日本人女性」として検証してみましょう。
このトークン・セオリーによると、「ある組織内で、日本人女性の比率が全体の15%以下だった場合、トークン状態となる。この環境下で、女性が何かを発言すると、その女性の発言があたかも全ての日本人女性の考え方だと一般化してとらえられてしまう」という懸念が発生してしまうのです。
つまり、あなたが日本人女性比率15%以下の環境にいると、あなたの言動や発言が、まるでこの世の全ての日本人女性代表としてとらえられてしまう危険性があるということです。責任重大!
海外で生活していると、自分が全体の15%以下のサンプルサイズになることなんて日常茶飯事。でもそこで意識的に気を付けていないと、良くも悪くも、私達の立ち居振る舞いがステレオタイプ化されて、「これが典型的な日本人女性に違いない」と判断されてしまうってことですね。
●トークン・セオリー体験談
私もアメリカで、トークン・セオリー的な体験をしたことがあります。
私がダラスで勤務している会社は、日系企業ではあるものの、同僚のほとんどが現地人。日本人女性は片手で数えるほどしかいません。そのため、私が社内で発言をすると、それがあたかも社内に在籍する全日本人女性社員の意見ととらえられてしまうことが往々にしてあるのです。
私:「入社後数年経つと、そろそろ昇進を期待する人も多いんじゃない?」
→ 日本人女性社員は皆、数年経つと昇進したがるんだって
私:「食堂には、フォークとスプーン以外にお箸もあるといいね」
→ 日本人女性社員は皆、カフェテリアにお箸がなくて不満だそう
私:「私はテレワークよりも、出社の方が性に合っている気がする」
→ 日本人女性社員は皆、テレワークを嫌がっているみたい
いやいやいや!
これって皆、あくまで私個人の意見ですから!
特にテレワークなんて、むしろ私が例外。テレワークをやりたがっている日本人女性社員の方が多いのに、私一人が無責任にさらっと「出社の方がいいかも」なんて発言してしまったがために、「日本人女性社員は皆テレワークをしたがっていない」なんて判断をされてしまっては困ります。
いらぬ誤解を招いてしまわないように、社内で発言をする際は「これはあくまで私個人の意見ですが」と枕詞を付けて発信するようにしています。
グロ女の皆さん、私達が世界に及ぼす影響力って、侮れないんです。
発言の重さを肝に銘じて、正しい行動をしていきたいですね。
もっと詳細を知りたい方は、下記の本を購読してみて下さい。(注:別に私にコミッション等は発生しません。純粋にいい本なので、おススメしています)
等身大の自分を愛そう。でも、どうやって?次のページを見てみよう↓↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?