見出し画像

【第2章】ネットワーク⑥:お仕事編~チームワーク~

巷でよく聞くのが「日本は集団主義、アメリカは個人主義」といったフレーズ。日本人は共同作業が得意な一方、アメリカ人は個人作業を好むといった話、誰しも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

実はこれ、もう古いんです!


チームワークの重要さを痛感する傾向に

かつてのアメリカでは、与えられた業務に基づいて各個人がお仕事を進めるといった働き方が主流でしたが、このトレンドが変わりつつあります。
どうやらアメリカ勢も、チームで活動すると組織の生産性が上がり、各自のモチベーションがアップするというメリットに気づいたようです。

●大学でのチームワーク

私の本業は、在米の某日系企業の半導体サプライチェーン業務ですが、その傍らで週に1回、テキサス大学ダラス校(The University of Texas at Dallas:通称UTD) のビジネススクールにて夜間授業を一コマ教えています。

University of Texas at Dallasのキャンパス
(画像出典:https://graduate-admissions.utdallas.edu/apply-to-ut-dallas/)

私が教えているのは、ビジネス専攻の学生の必修科目である「Capstone Senior Project」という授業です。大学4年生が5名で1チームとなり、授業の一環として、企業が大学に持ってくるプロジェクトを遂行するというものです。学生側にとっては、企業がリアルに抱えているプロジェクトを実体験できてよし、一方企業側にとっては、無料で大学生が自社のプロジェクトをやってくれてよしということで、Win-Winな関係で進んでいます。

私のクラスには50名の学生がいて、「5名1チーム x 10組」という構成でプロジェクトを進めているのですが、まー、各チームの個性や性格が出ていて面白いなと思います。

リーダー・サブリーダーを決めて、うまーく全体で作業を進めていくチームもあれば、リーダー役の学生が暴走しているチームもあったり、チーム内のコミュニケーションがグダグダで、メンバーと連絡が取れず困っているというチームもあったり。

このようなチーム・マネジメントは、社会に出ると、職場では避けて通れない道。まだ学生のうちに、今からしっかり体験しておくのはとてもよい試みですよね。

大学側もチームワークの重要性を痛感しているようです。このCapstone Senior Projectクラス、以前は選択科目の一つだったのですが、数年前に必修科目となりました。

学生の皆さん、チームワークの精神を今から学んでおきましょう!

大学での授業風景

● 企業でのチームワーク

今ではアメリカのそこかしこの企業で、「チームワークの重要性とは」とか「チームビルディングを進めよう」といった活動が推進されています。

特にコロナ後、リモートワークという働き方が珍しくなくなった今では、社員それぞれがチーム一丸となって積極的に仕事に従事するよう、チームビルディング関係の活動費用に特別予算を設ける会社もあるほどです。また、チームメンバー同士のつながりを強化するためにリモートワークを廃止、もしくはハイブリッド型にして、毎週最低〇日は会社に出社するようにとルール付けを課し始めた会社も増えてきています。私の所属する部署でも、毎週月・金はリモートですが、火・水・木は出社デーです。

海外では終身雇用制を採用している会社が非常に少ないため、転職でメンバーが抜けてしまう場合もあれば、中途入社で新しく人が入ってくるのも日常茶飯事。そんな出入りの激しい社員達が一丸となって同じ方向を向いて活躍するためにも、チームワークを育む活動は必要不可欠なんですね。

さあ、ここで出番なのが、私達日本人です。
小さい頃から運動会や文化祭などの集団活動や、放課後の教室のお掃除、学校での給食当番などが当たり前だった私達にとって、チーム活動の精神はもうDNAに刻み込まれているといっても過言ではありません

チームで行動することに慣れている日本人は、集団で協力して物事を達成するのが非常に得意な場合が多く、海外でも非常に重宝されるのです。

グロ女の皆さん、将来海外で働くにあたり、この日本人ならではのチームワークスキルを活かすチャンスです!

海外では、お偉いさんとの距離が近い

海外の企業で働くにあたり、もう1点特筆すべきなのが、会社のトップの人達との距離感です。

アメリカでは、社長や重役などのトップクラスの相手でも「ハロー、マイク」とか「サンキュー、ボブ」など、ファーストネームで呼び合う会社がほとんど。一般社員と上層部との距離間がとても近いのです。「会社のトップ=雲の上の人」ではないので、会社の食堂などで普通に話しかけても大丈夫。ランチの合間に親睦を深めることもできます。

私がかつて日本のある企業を訪問した時、社長(と思われる男性)がエレベーターに乗った瞬間、同乗者の社員達のおしゃべりが一瞬で止まり、皆うつむいてしまいました。エレベーター内が一瞬でお通夜のような空気になったのを今でも覚えています。もしアメリカでエレベーターに社長が乗ってきたら、ハローから始まって、週末のゴルフの話や今度のバーベキューパーティーの話で盛り上がることでしょう。

どちらが良い悪いという話ではありませんが、このような違いも知っておきたいですね。


チーム一丸となって頑張っていくには?次のページを見てみよう↓↓


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?