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【Vol.6】ペイ・フォワード⑧:今さらだけど、英語は大事

日本にいても英語力が上達しないのが不安。
実際に使える英語を学びたい。

これが20年以上前に私がアメリカ留学を決めた、一番の理由です。

そして20年以上経った今でも、在米の日本人留学生に留学の理由を聞くと、必ずと言っていいほど同じ回答がかえってきます。

そう、20年以上経った今でも、日本の学生達は、自分の英語力を不安に思っているのです。

今一度、「なぜ日本人女性が海外に流出するのか」リストを見てみましょう。4つ目の理由が、言語に関する内容となっていますね。

【なぜ日本人女性が海外に流出するのか】
理由① 日本人女性が活躍しにくい
理由② 日本の賃金が低い     
理由③ 多様化を受け入れるハードルが高い
理由④ 英語やその他の言語を学ぶ環境が整っていない
理由⑤ ワークライフバランスをとりづらい
理由⑥ 社会に出てからのワクワク感がない
理由⑦ 子育て世代やママさん世代の声が政治に反映されていない

本章では、理由④の「英語やその他の言語を学ぶ環境が整っていない」点について、考察してみましょう。



日本の英語教育

実は日本の英語教育は、読み書きにおいてはかなり高等なレベルを網羅していると思います。特に高校生になると大学受験の準備などもあるため、そのときに学習する英単語や文法、読解問題や筆記問題などはかなりの量。受験勉強を通じて読み書きの英語力をアップさせる学生も多いでしょう。

「アメリカ人だから、英語は完璧なはず」
「イギリス人だから、正しい文法でメールを書いているに違いない」

って思いますよね?
ところがどっこい、実はそんなことは全くないんです!

よどみなくペラペラ英語を話すネイティブだからといって、皆が皆、文法や作文をしっかりできていると思ったら大間違い。実は日本人の方が、きちんとした英文法を踏まえて文章を書けていることも多いにあるのです。

ここで問題なのが、受験勉強ならではの「詰め込み式」英語教育。あくまで受験対策の勉強法なため、音声によるインプット・アウトプット、すなわちリスニングとスピーキングが、どうしても後回しになってしまうのです。

Vol.1の記事でも触れましたが、日本の英語力は世界111ヵ国中80位。更に多様性が求められる社会、やはり英語学習の改善は無視できない課題です。

詳細は下記の記事をご覧ください ↓↓


英語か、はたまた他の外国語か

さて、「日本語以外の言語を学ぼう」と思ったら、何語を優先すべきなのか迷いますよね。

やっぱり、まずはスタンダードな英語?
それとも新規のマーケットを見込んで、他の言語に挑戦?

確かに、人口という点に着目してみると、ダントツトップで1位なのが中国語(ここでは標準語と言われる北京語を対象)です。2位がスペイン語なのも興味深いところですね。

ちなみに日本語は8位らしい。これはちょっとサプライズ?

図表⑥-4:2024年 ネイティブスピーカーの人数ランキング
(出典:Languages with at least 50 million first-language speakers



じゃあ、中国語とスペイン語を学べば、英語は二の次、三の次でいいの?
うーん、そう簡単に結論づけるのもちょっと危険です。

視点を変えて、世界で使用される言語のランキングを見てみましょう。
世界で最も使用されている言語の第1位は、やはり英語でした。

バイリンガルなどの多言語習得者なら、大体は英語は話せる、というイメージもありますよね。世界の総人口が約70億だとすると、「英語が話せる=地球上にいる約20%の人達と繋がれる」という解釈ができます。

図表⑥-5:2023年 世界で最も使用される言語ランキング
(出典:The most spoken languages worldwide in 2023)


「英語学習は以前ほど重要ではない」
「むしろ英語以外の言語習得を優先すべき」

などと言う声もたびたび聞きますが、今のグローバル社会において、英語ができないことはありえないと思います。英語プラスアルファとして第3カ国語、第4カ国語ができるのは大いに結構ですが、何と言ってもやはりまずは英語でしょう。

学問の世界でも論文は英語が基本ですし、母国語が英語ではない国とのビジネスにおいても、使われる共通言語は英語です

私は仕事がら、アメリカ以外の海外にも出張することがしばしばあるのですが、英語が公用語でない国(イスラエル、中国、台湾、韓国など)でも、ビジネスの場では皆英語です。

パワー・ランゲージは今も英語

2016年に世界経済フォーラムが発表した、「The most powerful languages in the world」というデータがあります。いわゆる、世界最強の言語を決める「パワー・ランゲージ・インデックス」というランキングです。

これは、

 ①地理力
 ②経済力
 ③コミュケーション力
 ④知識&メディア力
 ⑤外交力

の5項目から、世界最強の言語を数値化し、ランキングにしたものです。

こちらを見ると、やはり1位は英語ですね。

図表⑥-6:2016年 パワー・ランゲージ・インデックス

そして、将来の2050年の予測データを見ても、英語は第1位の座を譲っていません。

改めて、英語学習の重要さを認識できたのではないでしょうか。

図表⑥-7:2020年予想 パワー・ランゲージ・インデックス



使える英語、どう学ぶ?

では、どうやったら、「使える英語」を学べるのでしょう。
私個人の見解としては、とにかくひたすら使うこと!

私が留学したルイジアナ大学では、全大学を通して日本人留学生が当時3名程度しかおらず、キャンパス内で日本人を見かけるのはほぼ奇跡。よって、毎日英語を使うしかありませんでした。とにかく大変でしたが、留学して半年ほど経った頃から、少しずつ相手の言っていることがわかり、自分の言いたいことを表現できるようになりました。

留学生のジョークで、「言語習得の一番の近道は、その言葉を話すパートナー(彼氏もしくは彼女)を作ること」というのがありますが、あながち間違いではない気がします。

とにかくその言語に興味を持ち、ひたすら練習あるのみです。

私の夫は香港出身なのですが、幼少期の香港はイギリス領統治下だったということもあり、英語教育が自然に行われていたそう。幼稚園でも、お遊戯がてらに英語の歌やフレーズを楽しく学び、小学校では基本的に教科書は全て英語だったそうです(国語のみ中国語の教科書)。

何もここまですべきとは言いませんが、やはり言語習得は幼いうちから、ひたすら実践を交えて継続していくというのが重要と言えそうです。

最近日本では、2020年の学習指導要領改革を機に、言語コミュニケーションの必要性を重視した方針へと舵を切り替えています。

この改革を通じて「海外にいかないと自分のやりたい英語が学べない」という思ってしまう若者が減っていくといいですね。



言語に続いて大事なのが、私達一人一人のワークライフバランス。
さて、イマドキの事情は?次のページを見てみましょう。↓↓


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