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カウントダウン

あっという間に12月になってしまい、なんとも言えないあわただしさの中仕事をしていると、毎日毎日どうしてこんなにもカウントダウンが多いのかと悲しくてかなしくてとてもやりきれない歌を歌いたくなる。

師走とは字のまんま本当にその通り、と私たちは職員室で静かに焦る。もちろん静かじゃない人もいる。今年は転勤したてほやほやなので、なんだか訳がわからないまま、あっという間に12月がやってきてしまった感が満載。

外に出る日、私がいない日、提出締め切りの日、行事の日、お休みの日、私もあの子もパニックになってしまったので、カレンダーを印刷してみた。牛の絵だったから2人で「???」となったけれど、いくらなんでも干支がそうだからと言って、12月に牛かいな、と思っていたのだけれど、あの子は「牛じゃなくて犬の方がいい」と言っていた。なかなかに曲者であった。そこはぜひともトナカイ氏を登場させてほしかったよ先生は。

いざ書いてみると、毎日何かしらの予定があるようなカレンダーになって、私たちは静かに焦り、扉の近くにカレンダーを貼ることにした。「これなら入ってすぐ見れるね」だそうだ。果たして、その需要は如何に。

あの子はとても可愛らしくて、何かある度にカウントダウンをしてくれる。勝手にしている。そして私にも強要する。やめてほしい。でも助かっていることもたくさんあって強く言えない。

テストまであと何日、私の好きなカレーライスまであと何日、ぼくの好きなスパゲッティまであと何日、お出かけの行事まであと何日、参観日まであと何日、カードはあと何枚、移動図書まであと何日、誕生日まであと何日、冬休みまであと何日、100問合格まであと何個、よくもそんなにもカウントダウンのネタがあるもんだわ、と心の声がダダ漏れてしまう。ごめん。

そんな職場の平和なカウントダウンと、私の仕事やらプライベートやらのカウントダウンの、なんと気分の差のあることか。カウントダウンと一緒に、カウントアップされていく残念部門のものも多くて嘆かわしい。寂しい部門が色濃くなっていく様もいたたまれない。しゃーない。

ひとまずこれから一か月、平和にカウントダウンが終われるといい。みんな元気だといい。今年もあと少し。大人になると、どうしてこんなに一年が早いのか。毎年加速していく気しかしない。「平均寿命でこうだから、あと何年くらいなんだよ」と突然カウントダウンしだすあのお兄さん、ほんと、やめてほしい。哀しくなるからさ。寂しくなるからさ。平均寿命の前に終わってしまう人もいるんだからさ。カウントダウンしたくてもできない、には、お互い、ならないように、残り一か月、ファイト。


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