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終わりから始まる

noteを見てみると、前回公開した記事から1年以上経っていたことに気づく。
その間に何度か書こうと試みていたのだけれど、なんか今じゃないなと思いながら、下書きに書きかけのテキストを溜めながらあっという間に1年が経ってしまった。

自分以外の誰かに読んでもらうための文章を書き始めたのは、以前ジュエリーのブランドディレクターをしていた時、ブランドサイトにコラムを寄稿していたことに遡る。コラムは写真を交えた情緒的なジュエリー談義をメインに、夜のお酒や食事を通し自分の周りの楽しい人々との繋がりやユニークなメンバーを紹介する、ゆるめの文章で小さなコミュニティ形成の手段にもなっていたような気がする。拙い文章ながら社内やお客様たちに読んでいただき、自分にとっても大切にしていた作業の一つで、コラムは気づけば退社する直前まで、10年間ほど続いた。

『転機』は、何かが始まることではなく、何かが終わることから始まる。
そうキャリア理論で学んだ時、本当にそうだなと思った。転機の理論を唱える学者は何人かいるけれど、そのうちの一人、ウィリアム・ブリッジズは、転機には、終焉ーニュートラルゾーン(中間圏)ー開始の3段階があるとした。(ウィリアム・ブリッジズ『トランジション』)

ニュートラルゾーンは苦悩の日々であり、終わったことを理解し以前の生活やそこにいた自分自身と決別する時間。と言われる。その期間人は最も成長してゆくのだと思う。自分に向き合いながら次へと進む準備をすることは実はそんなに簡単なことではない。そんな中で、ある時直感のようなものがふんわりやってきて、自然にニュートラルゾーンを抜けて始まりを迎えていることが多いようで、始まりの印象は強く残らないということも言われている。

どこからが始まりだったのかー多分2022年7月から新しい仕事に就いた時からが私は始まりだったと思う。その日から猛スピードで進んでいった。

そんな終わりの始まりを抜け、どうやら本当のスタートを切っている今、改めてnoteに戻ってみる。先日新たな仕事場のインタビュー記事が会社のnoteに掲載され、ああ、なんだか私ここにいるんだなと思った。同じ私であるけれど、何かが更新されているような、どことなく不思議な感覚。
人生はトランジションの繰り返し。これからだってきっとある。終わりから始まりへ。終わりと始まりを繋ぐのは自分自身。その静かな努力が未来を作ってゆくのだと思う。いつでも自分が選択するものに、自分自身が応えられるように、始まりを楽しもう。つまりは今を楽しもう。


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