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「今じゃなくていいか」を積み重ねた結果

寒い季節は、布団から起き上がるのに一苦労。ぬくぬくした環境でえっちらおっちらしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。

でも今日はいつもと違って、珍しくむくっと起き上がれて、体を動かす準備がスムーズに整いました。

「そうだ、今日は山に行こう」。山に行って、景色のいいところで珈琲を飲んで帰ってこよう。

そう決めて、お湯を沸かして魔法瓶に投入。インスタントコーヒーと少しのお菓子をザックに入れて、準備完了。山を目指します。

「別に今じゃなくていい」という気持ちが生まれる理由

目的地までは登山口から30分程度。登り始めは少し息が上がったものの、すぐに体が慣れてきます。この高度感が、なまっていた体にはちょうどいいのです。

そうして、あっという間に到着。

目的地のポイントは、休日は人がたくさん集まっているところです。今日は平日なので2~3人が休憩している程度でした。気兼ねなく好きなところによいしょと腰を掛けて一休み。

街を見下ろすと、街が太陽に煌々と照らされている様子や、雲の陰が映っている様子が見えます。遠くには、大阪のビル街の姿も。


体を動かして温まっていた体は、風に当たっている内に冷えてきました。もう少し歩こうかな。でももう帰ろうか。持ってきた珈琲も飲まずに帰ってもいいかな。

そうして立ち上がって少し歩いてみたものの、体がピタッと止まりました。無意識にまたぼーっと街を眺めていて。やっぱり、もう少しこの景色をみていたいなぁ。

結局よいしょ、ともう一度腰を下ろして、ザックの中から珈琲のパックを取り出しました。

コップに珈琲パックを設置して、魔法瓶からお湯をとぽとぽと注ぎ入れます。風が強いので、珈琲の香りはあっという間に風で流れていきます。

冷めないうちに、一口。
そうして気が済むまで景色を眺めてみました。


「ふぅ」っと一息吐いてサクッと立ち上がり、軽い足取りで下山していきました。

”今だ”と思うタイミングって、人生にそう多くない

今日山の上で珈琲を飲まなくていいかと思った時のように「もういいか」と思ってしまうことが今までにも多くあったように思います。

「別に今じゃなくていい」という感情は、執着心がなくて軽さがある。一方で、ちょっと冷めたような気持ちでもあるなぁと思うのです。


今日山に登る前に決めたミッション通りに、山で珈琲を飲んでみた。ちょっとやりたいなぁって思いついたことをやってみた。すると、後悔のない軽さが沸き上がってきました。


毎日過ごしていると、特段やりたいことが何もないなぁって思うときがあります。他には、何も情熱が湧いてこないなぁと思う時があります。

でもそれは「まぁいっか」で、終わりにしてきたことがたくさんあるからこその"結果"なのではないかと。


最近、海外ボランティアに関するインタビュー動画を見ました。そこでお話されていたのは「”今だ”と思うタイミングって、人生にそう多くない」というもの。

それこそ海外で活動するとなると、「チャンスは逃さないほうがいい」という感覚はより鮮明に描けると思います。


けれど、そのような重大な決断を「ここぞ」というタイミングでできるのは、日常の「まぁいいか」を減らせることから始まるのではないかなとも思うのです。

一杯の珈琲、短い山歩き…
こういう小さなところから変えていこう。

そうすれば「今じゃなくていいか」という冷めた気持ちは、自然と無くなり、軽さだけが残るのかもしれません。



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