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そもそもファシリテーションって何ですか?一般的なファシリテーターのイメージとプロの視点はこう違う

今日は「そもそもファシリテーション」とは?という話と、一般的なファシリテーターのイメージ、そしてプロのファシリテーターはどういう視点を持っている人のことなのか?ということを書いてみます。


そもそも「ファシリテーション」ってなんでしょうか。




ファシリテーションとは、直訳すると「促進する」なので、広い意味で言うと物事を進めやすい関わりをする人のことを指します。



なぜかカタカナ言葉を使うとかっこいいイメージになるからか?何かとファシリテーターって言葉が乱発されているように思います。研修ファシリテーターとか会議ファシリテーターとか。あと、ただ場の進行する人のことをファシリテーターと呼んでいるとか。 ( もちろん、広い意味だとファシリテーターですよ )  ファシリテーターという言葉の定義は、名乗る人の数だけあるのかもしれません。


一般的に「ファシリテーター」というと、話し合いを進める人(進行役)、そして方向性を管理する人のことを指すことが多いようです。特に企業では。私、先日お会いした人に「対話を支援するファシリテーターをしています」と自己紹介をしたら「君、ファシリテーターっぽくないね!」と笑顔で言われて若干ショックを受けたのですが、良く話を聞いたら「一般的なイメージの話し合いをコントロールするファシリテーター」というイメージではないところがいいね!と褒めてくださっていたようです…。


ファシリテーターという職業は日本ではあまりまだ確率されていないと思います。でも私なりに「プロのファシリテーターと一般的な進行役(ファシリテーターと名がついてるものの)の違いはなんですか?」と聞かれたら、話し合いが本質に向かうために見ている視点が異なります。と答えています。

図で表すとこんな感じ。ただ話し合いを進行したり、まとめたり、下手したら結論をコントロールしたりするのは「プロのファシリテーターか?」と問われるとプロのファシリテーターではないと思います。


※ちょっと余談ですが、↑の書き方だと私の個人的意見に感じると思うのですが、世界的な国際ファシリテーターの協会の定義で、「話し合いの内容を扱うのではなく、過程を扱うのがプロのファシリテーターと定義されています。


先日「話し合いに影響するのは何ですか? 繊細で優しいあなたがファシリテーターに向く理由」という記事にも書いたのですが、プロのファシリテーターは「何が話し合いに影響しているか」を考え、仮説を立てて、その場に介入 、つまり声をかけたり、話し合いの方法を変えるよう提案したりできるようにしています。 



例えば、あなたがファシリテーターだとして、話し合いの場が沈黙しているとしたら、どうしますか??

黙っている人、誰かを指名して話ししてもらう??




これも1つの介入ですね。



自分から話すほどでもないけれど、何となくうずうずしているというか、後押しされるなら話ししてみたいという人がいそうだなと思った時などは、私もこうします。



でも、沈黙の原因が「上司がいるから話しづらそう」というように感じられた場合は、どうしますか。


そもそもの上司を場を分けて話し合いをするよう、設計を変えるかもしれませんし、「立場た違う人たちが、お互いに話しやすくなるために、どんなことをお互いにお願いし合えばいいと思いますか」というようなテーマを出し、簡単に小グループで話し合いをしてから話し合いをする、など方法を変更するかもしれません。


または、上司の方に「周りの人にどんな風に話し合いに参加してもらいたいと思っていますか」と聞くのも良いかもしれませんね。



別の仮説だと、沈黙は、まだ考えがまとまっていないだけなのかもしれません。(私みたいな内向的な人は、先にあれこれ考えてから発言したいのでこの状況はよくあります。)



その場合「先に1人で○分考える時間をとってみましょう」と提案してみるでしょう。



どんな理由で沈黙になっているか、仮説が全然湧かない時には少し時間が経った後、「今の静かな時間をどんな風に捉えていましたか」と聞き、沈黙の意味そのものを参加者に聞くかもしれません。 


そこで、「さっきの話がすごくよかったのでそれを味わってました」と返ってきた場合は、沈黙のままでよかったことになりますし、「あ、ちょっとさっきの話が分からなくてどうしたらいいのか考えてました」だったら、どの辺が分かりづらかったのかを聞き直して、それに答えられると参加者も安心するでしょう。 (これをファシリテーターが何もせず終わると、参加者に不消化感が残ることになります。)



このように、プロのファシリテーターは話し合いをしやすくする、また今の話し合いをより本質的に進めるために関わる手段をたくさん持っています。
( 関わる手段をたくさん持っている=何が話し合いに影響しているかを見て、仮説をたててトライする練習をたくさんしている、です )


何を持ってプロと見なすのかは人それぞれの捉え方もあるかもしれません。でも、少なくとも私の中で話し合いを進める進行をするだけの人、結論をコントロールしようとする人、はプロとは考えていません。


もちろん、ファシリテーションという言葉そのものは「促進すること」なので、進行する人のこともファシリテーターと呼ぶのはアリだと思います。でもプロのファシリテーターっていまいち何をしているかが、分かってもらえないことが多いです涙。



人は自分の専門分野の技術ばかりに目が向きがちですが、同じくらいそれを「伝える努力」をしてこそ、その力が活かせると考えています。私の周りにはコーチやファシリテーターは多いですが、コーチングやファシリテーションを「知らない人に分かりやすく」伝える努力をしている人はそう多くない。(どちらかというと皆、次々「新しい講座に参加しよう!」というように技術を磨くのに走りがち)


私も今までは技術を高めることに時間を費やしがちだったのですが、今年は「それを伝える努力」をすることに時間とお金を使おうかなと考えています。




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