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心配と喜び

上の子が中学生になった。中学校まで歩いて40分。重い荷物を背負って、ジャージ姿で18時半頃に帰ってくる。
リュックの中には、国語だけでもノートを含め4冊。数学も同じような量。置き勉はしてもいいので、各自の判断で必要な教科書類を持ち帰る。
それらの上に制服がぐちゃっと突っ込んである。
「宿題で使う英語の教科書忘れた。まぁいいや。明日英語ないし。」
教科ごとに出る宿題は、次の授業までにやればいいからと、今日やれることを考えてやっている。

バスケ部に入った。バスケ未経験者は娘1人だった。自己紹介でバスケ未経験であることを堂々と言ったようだ。ハンドリングを調べてくるようにと宿題を出され、表紙にバスケと書いたノートに、調べたことをまとめイラストを書いている。

夫は、「スラムダンクの海南大付属の宮益みたいじゃん!」と呑気なことを言っている。
宮益義範(みやますよしのり)はただ一人、初心者で強豪チームに入り辞めることなく最後まで残った、試合経験のない小柄でひ弱なメガネの男だ。彼はチームメイトからとても信頼されていて、3年生で初めて出た試合で湘北と戦い活躍する。
娘はまだ入部したてで練習も始まったばかりなのに、宮益と重なりなんとも言えない気持ちになった。

娘は、夕食はあまり食べなかった。
「給食めちゃめちゃ食べたし」と言いソファでぼんやりTVを観ている姿を見て、私が泣けてきた。
「がんばっとるねぇ。一生懸命頑張っとるからお母さんが泣けてくるわ。」
娘「なんでお母さんが泣くの。」
夫は「えっ?なんで?」
息子は「僕のことでは泣かないのに。」とやきもちを焼いていた。

初めての中学生活に慣れるのに必死で、でも頑張る娘を見守り、美味しいものを食べさせることくらいしかできないけれど、こんな思いを経験させてもらえる親としての喜びを噛みしめる日々である。

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