前回の続きです。
前回は私たちが無条件に肯定している「夢」や「希望」も、それがないものねだりになってしまって、返って「夢」や「希望」を(歪んだ形で)もつことで人生がおかしくなる話を整理しました。
これについては、高橋さんからいただいたコメントが、多分大多数の方の反応かな、と思いました。
では、もうちっと実利的に、今感謝したほうが損得勘定で(笑)得だ!ということを実感するにはどうしたら良いでしょうか。
例えば、ちょっと本日一生懸命出典を探したのですが、どうしてもみつからなかった(すいません)小林正観さんの講演会の法話みたいなものがあります。小林正観さんが好きな人はみんな知っている話なので、出典が明記できないのですが、こんな話だということでそれを書いてみます。
これなどは、新規会員を増やそうとするよりも既存客を大事にしようというマーケティングの基本的な考え方に合致していますね。
でもこれだと、理論的じゃないのでこれもいまいちインパクトに欠ける。じゃあ、みこちゃん的にアクロバティックに他の王道理論を持ってきましょう。
これです。
小林正観さんの「現在に感謝せよ」というのは、エイブラハム・マズローとフィリップ・コトラーを援用するとくっきりと腑に落ちます。
これは、小林正観さんの現在に感謝することによって会員数が増えたある団体の会長さんの話の理論的裏付けですね。
ちなみにコトラーのマーケティング理論の歴史は、そのままマーケティングという学問における人間理解の変遷になっていて、さすがは巨匠コトラーだなと思います。
こんな感じです。
この最後のAdovocate。これが、小林正観さんの「感謝の法則」の実利的(マーケティング的、ビジネス的)意味です。
企業活動という、最も利益、実利を優先する現場において、現在一番大切とされているのは、下記のような自己マズローの実現段階=コトラーのマーケティング4.0段階の消費者の価値の実現、製品の価値の最大化です。
これは、どうやって実現するかというと、欠乏動機(要求)ではなく成長動機(欲求)に着目してそれを実現することです。
再び前回と同様、小林正観さんのこの本から引用してみましょう。
いかがでしょうか、これはマズローとコトラーの理論をすべてやさしく言い換えたものになっています。
つまり、感謝するということは人間の成長の本質であり、そして同時にビジネスという実利を最も追求する場所で、現在最重要に大切だとされている自己実現マーケティング(マーケティング4.0)を達成するために不可欠の考え方だったのでした。
というわけで、ないものねだりをしているのは、コトラーで言えば【マーケティング1.0】1900年代〜1960年代産業革命を機に大量生産・大量消費の時代に突入したことによる「製品中心」のマーケティングで描かれた、貧しい時代の欠乏動機だということになります。
何もかも物が満たされたこの現代社会において、なお私たちが不幸でありつずけているのは、自己実現を達成するために不可欠な感謝の気持をないがしろにし、極めて古い我が国で言えば高度経済成長期までの動機で今現在も生きようとしている、というアナクロニズムにあると言えるでしょう。
だから、私たちは私達自身の欲望の形をアップデートする必要があるのです。
その時に、マズロー、コトラーと並んで、小林正観さんの言葉は非常に参考になると思います。
以上2回シリーズ終わり。
また、このあたりは過去記事にも詳述していますので、興味のある方はぜひご参照ください。
(^-^)