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「個展を開きたい」ずっと蓋をしていた気持ちを口にした

ずっとやりたかったことがある。
自分の絵の個展を開くこと。

2015年から絵を描き始めて、個展をやりたいなとぼんやりと思っていた。

子どもたちとの些細で何でもない時間を一つの空間に詰め込んで、頭の片隅に眠っていた記憶に出会えるような。そんな個展を



だけど、毎日は子育てと仕事で、トイレに行く暇もないほど忙しい。

夫に協力してもらってなんとか捻出できた時間も、ほんの小さな一枚の絵を数日かけて描きあげることができるくらいしかの余裕しかない。
子どもともちゃんと向き合っていたい。

ただでさえそんな時間と余裕のない状況で、個展の準備をするなんて無理。と、自分の気持ちに蓋をしていた。

そして個展を開きたいという気持ちも、そのうち忘れかけていた。

だけど、そんな私が「個展を開きたい」と強く思った日があった。

次男を出産した日だった。

昨年の10月21日深夜に始まった陣痛。予定日の4週前だったけれど、本陣痛だったためそのまま出産することに。痛みがつらくて、そんな気持ちを吐露するようにTwitterに本陣痛が始まったことを書き込んだ。

信じられない痛みの陣痛の合間にふと携帯をひらくと、さきほどの投稿に多くの応援のメッセージが書き込まれていた。

暗い病室の中でひとり痛みに耐えているとき、家族だけでなくつながっている人たちがいた。

激しい痛みの陣痛を経て、ようやく生まれた次男。

生まれてすぐの2607gの小さい体で、少し痛みを感じるほどの力でおっぱいを飲んでくれた。
ああ、この感じ。長男が生まれた時にも感じた。恋をした時のような切なさと幸福感。
忘れたくない気持ち。

少し落ち着いて、出産の報告をツイートすると、多くの方のおめでとう、ゆっくり体を休めてねという温かいメッセージで溢れていた。

産後ハイで全く眠れない夜。気も大きくなっていたのかもしれない。朝までの長い時間色んな気持ちが駆け巡っていた。

生まれたばかりのフワフワで柔らかい次男と、しゃべれるようになって甘えてくれる長男の可愛さを形に残したい。

こうやって繋がって応援してくれる人たちと会いたい。

そして心に浮かんだのは、胸の奥で眠っていた「個展を開きたい」という気持ちだった。

「個展を開きたい」と思ったが、私はそのことを公言することを躊躇っていた。夫は二つ返事で応援すると言ってくれたが、公言してしまったら後戻りできない。子育てをしながらほんとに出来るの?コロナの状況がどうなるか分からないんじゃない?私が個展を開いたところで誰が来るの?色んな考えが頭の中を巡った。


そんなある日、晴天のお正月の日、なんだかとっても清々しい気持ちになってエイヤと投稿してみた。

会いたいと思っていた人たちが「行きたい」と声をかけてくれた。ワクワクして高くなる体温。

その時から、もう私の頭の中は「個展を開くか開かないか」ではなく「どうやったらうまくいくか」という考えしかなくなった。

不安はひとつひとつ対策をすればいいことなんだ。

写真家のホシノヒデキさんに個展のことを相談したらある言葉をもらった。
「個展を開くことって、初恋した人に人生初の告白することに似てます。色々考えて準備して、成功するんだ!と意気込んで、でも不安になって逃げ出したくなったり…」

私は初恋の相手に告白することを決めたばかり。これからああでもないこうでもないと不安になったりドキドキしたりするんだろう。それも含めて楽しみな気持ちでいっぱいだ。

絵を通じて心を通わせた人たちと会えますように。

展示会のコンセプトやどんな空間にしたいかは、また改めて。

サポートいただいたら息子とのお出かけに使いたいと思います、そしたらまた絵を描きたいと思います✨