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ネパールのレンガ工場を訪問しました

僕:「君は何歳?」

少女:「12歳だよ」

僕:「ここで働いているの?」

少女:「そう、乾季の間だけね」

僕:「じゃあ、雨季は学校に行くの?」

少女:「行かないわよ。学校なんて必要ないわ」

僕:「なぜ必要ないと思うの?」

少女:「なんとなくね・・・」

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昨日ネパールのレンガ工場を訪れました。最初の会話はそこで働く12歳の女の子とのものです。

レンガ工場はどういうところなのか、どんな人が働いているのか書いていきたいと思います。

Q. レンガ工場ってどんなとこ?

ネパールの多くの家はレンガで作られています。ネパールの街中を歩くと赤いレンガ造りの家々が立ち並んている姿をよくみます。あのレンガを作っているのがレンガ工場です。旅行客の宿街、タメル から車で1時間ほど行ったところのバクタプルにはレンガ工場が集積しています。レンガ工場が稼働するのは乾季のみです。(10月から5月くらいまで)

Q. どんな人が働いているの?

今回訪れたレンガ工場には、首都カトマンズから遠く離れた農村部からの労働者と、インドからの労働者がいました。農村部からは10歳にも満たない少年・少女も働きに来ています。彼らに話を聞くと、2年生まで学校へ通い、それからはずっとレンガ工場に来ているそうです。私が活動していた村の近くの学校からも多くの子供達がレンガ工場へ出稼ぎに行っています。

Q.お給料は?

正確なお給料を聞くことはできませんでしたが、4ヶ月で2〜3名合わせて20万ルピー程度ということでした。一人1ヶ月あたり15000ルピーほどです。ある人からは1か月30000ルピーと聞いていたので、年齢や場所によって給料は異なるようです。

Q. レンガはどれくらいで売れるの?

現在のレンガ一個あたりの売値は14ルピーほどだそうです。ちなみに震災時には需要が増えて25ルピーまで高騰したこともあったようです。

Q.どれくらいのレンガが作られるの?

1シーズンで約5000万個ほどのレンガが造られます。レンガ工場で働いている人たちには1日のノルマがあり、例えば四角い方に泥を流し込み、レンガらしい四角形にする仕事の人は1日1000個がノルマのようです。


多くのこどもたち、それも小学生くらいの子供たちが働いていることがわかった。彼らは乾季のみの労働となるが、雨季には学校に行かないことも多くあるようです。ネパールの学校には1年間で3回大きな試験があり、その試験全てに合格しないと、進級できないシステムとなっています。乾季の間ずっと学校を離れている子供たちにとってそれらの試験に合格するのは至難の技です。

このような問題がある時、児童労働をやめさせよう!となると思うのですが、なぜ子供たちまでもが村を離れて仕事をしなければいけない状況にあるのかを考える必要があります。

ネパールの村の主な産業は農業です。ほぼ自給自足の生活を送っています。家族の世帯収入というのも当然微々たるものです。両親は稼ぐために海外へ出稼ぎに行ったりしますが、それでも足りなかったり親が働けなかったりします。そうなると必然的に子供達が働いてお金を稼がないといきていけなくなります。

根本的な問題はどこにあるのか、僕もまだ完全に理解できていませんが、児童労働をやめたところで、また別のところに子供達が送られてまた過酷な環境で働かさせられるだけです。

ネパールのレンガ工場一つとっても社会の様々な課題が見えます。

どうしていったらいいものか・・・

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