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朝の輝きをひろった会話


私はあまり書いていないのですが、以前の仕事は個別の聴覚・言語障害の教育を25年位していました。

その前は学級担任を小学校で数年していました。授業や行事の準備やら色々な校務で忙しい日々でしたが、子ども達との関わりは一言では言い尽くせないけれど、学びの多い時間でした。


そして、未熟な私の失敗も笑って助けてくれる頼もしい先輩達に囲まれて、毎日楽しく職場へ向かっていました。

通勤は都心を抜けて1時間くらいかかっていましたが、職場は高速道路を挟んで海が近くて、風向きに寄っては潮風が香る、海辺育ちの私の好きな場所でした。

もちろんまだ家庭も子どもない時で、電車通勤はさほど苦ではありませんでした。


ある朝、学校の前のバス停で降りて、歩道を歩く子ども達と一緒に歩いていたら、

おはようございまーす。

と、元気よく挨拶をする子がいました。誰だろうと、思って振り向くと
隣のクラスのAちゃんでした。

おはよう、元気だねー。」


Aちゃんは、クラスでもちょっと元気が良すぎて、物に当たったり、友達に
強い言い方をしたり、ちょっと行動が落ち着かないこともあるようでした。

でも、今日の挨拶は溌剌としていて、私も朝から気持ちよくなりました。


職場に着いてから、早速その話を担任のB先生にしました。


「B先生、Aちゃんが、朝、会ったら、自分から元気に挨拶してくれたんですよー。」


その話をしたら、B先生もキラッと目を輝かせて

「え、そうなの。なんかいいこと、あったかな。教えてくれて、ありがとう。」


と、いってくれました。

その後B先生は、教室に行ってAちゃんを褒めてあげたそうです。

「隣のクラスの先生に自分から、元気な挨拶してくれて、先生も爽やかな気持ちになったって。」


と。

それを後で聞いた私は、ちょっと、私にはできない盛ってる感、感じましたけど(笑笑)



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私は仕事を始めて2年目で、まだまだ先輩達に、沢山教えていただいていた時期です。

今から思えば、先輩のクラスの子どもをほめるなんて、ちょっとおこがましかったかな、とも思いますが、子ども達のいいところは、すぐに認めてあげたかった。

そして、そのことを家族のように、毎日一緒に過ごしているクラスの担任の先生に伝えたい、そう思っていました。

私の経験を振り返っても、子ども達の成長を感じる時は、教師にとって一番嬉しい瞬間ではないかと、思うからです。


もちろん、目に見えることだけではありません。日頃の行動や会話、表情などでも伝わることは、たくさんあります。

今振り返ってみて、次の年、Aちゃんを担任することになった私。ちょっとこのエピソードで、B先生の推しがあったのかな、なんて考えてしまいました。


その後、色々なものを背負い込み、職場で爽やかに挨拶をすることが、どんどん辛くなっていった私だけど、昔昔、そのまた昔はこんな時代もあったんだなぁ。


と、思い出してみました。


◎今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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