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「今」の自分が、誰かの夢見る未来

「すみませんが半年待ちになります」

2週間後の予約を入れようと思っていた私にとって、あまりに想定外の答えだった。まさかそれほど人気だとは。。。

申し込もうとしたのは、弓道場の初心者講習だ。ここ最近、弓道の夢を2~3ヶ月に1回は見るようになった。つい昨晩も、夢の中で的を射抜いてきた。単純な私は、何度か弓道の夢を見るうちに「弓道やりたい!!」と思うようになっていた。私が弓道をしていたのは高校時代の三年間。弓道経験者とはいえ10年ほどのブランクがあるので、近所の弓道場で開催している初心者講習に参加したいと思った。近所の弓道場では隔週の土曜日に開催されているのだけど、それがまさかの半年待ち。そこまで弓道人口がいるのかと驚いた。

遠方の弓道場も含めて調べてみたけど、初心者講習はなかなか見つからない。ほとんどの弓道場では平日昼間に開催しており、社会人の私は参加できない。とりあえず東京の社会人弓道サークルに申し込んでみたけど、そこも順番待ちのようで、ブランクが少ない経験者が優先されているらしい。わたしが弓道を再開できるのは、当分先かも知れない。

思えば、高校時代は弓道をするチャンスは山ほどあった。放課後の練習はもちろん、朝6時半ごろから始まる朝練、そして昼休みは昼練があった(昼食は授業の合間に早弁していた)。当然土日も1日中練習だ。まわりに同年代の仲間がたくさんいて、週末には社会人のコーチの指導を受けられた。道具代など諸費用はかかるけど、受講料はゼロ。弓道場を何時間使っても、利用料は必要なかった。弓道をやりたい大人からすれば、夢のような環境だった。

だけど当時は「当たり前」だと思っていた。一時期は弓道に対して真剣になりきれず、ほかの部員に比べたら練習量が足りなかったときもある。せっかくの弓道場無料パスを使い倒していなかった。あのとき使い切れなかった時間をいまの私がもらえたら、どんなに良かったらどうか。。


多くのチャンスは、失ってからその存在に気付く。勉強したいと思う頃には、自由な時間が多かった大学を卒業していたり。「何かしよう」と思う頃には、日曜日の夕方になっていたり。黒毛和牛の焼き肉をたくさん食べたいと思う頃には、胃腸がついていかなかったり(笑)。最適なタイミングは、本当にいつの間にか消えている。多分いまも。。

「現状(いま)に甘んずること勿れ」と言われても僕は笑えないよ
だって「今」のこの僕が誰かの夢見る未来

これは、RADWIMPSの曲「夢番地」の一節だ。いまの自分は自分にとって「当たり前」でも、誰かが夢見る未来でもある。いくら10年以上弓道を離れていたとしても、未経験の人からすれば夢見る存在かもしれない。結局、考え方次第なのだろう。

もしかしたら、弓道をすぐに始められないのもチャンスの1つかもしれない。自主的に練習するチャンス、弓道以外のものに打ち込むチャンス、自分にピッタリの弓道場を探し出すチャンスとか、、、、。どんなチャンスがあるか分からないけど、いまの「当たり前」に目を向けるようにしたい。


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