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「食品メーカーで商品開発」体験記 -キラキラ?憧れの仕事?-

「自分で商品を作って、世の中に広めたい」

純粋に、楽しそうに、そう話す友人たちの顔を何度も見てきた。

大学1年、4月。
クラス別初回オリエンテーション。
初めて顔を合わせるクラスメイト達を前に、一人ひとり自己紹介をした。
食品・栄養系の学科だったこともあり、緊張しながらも嬉しそうにこう話す人が多かったのをよく覚えている。
「将来は食品メーカーに就職して、商品を開発するのが夢です。自分が作った商品を、世の中に広めたいです!」

大学4年、10月。
新入社員内定式。
顔を合わせた同期が、口々にこう話していたのを思い出す。
「新たなヒット商品を作りだしたいです!もっともっと世の中に会社の商品を広めていきたいです!」

大学1年の時は、40人近くの前で話すことに緊張していて何を言ったのかそんなに覚えていないし、
内定式では同期の熱さに驚き(依然として就活生に人気の食品業界だ、入れてうれしいのは真っ当な反応である)
「私だけ熱量が低い…なんで採用してもらえたんだろうか…」と若干の居心地の悪さを覚えたことだけが記憶にある。


何を口にする(食べる)のか。
そのことが、身体のコンディションやひいては精神面にまで影響を及ぼすことが興味深くて、高校生の頃から興味があった。
が、自分がそこにどう関わりたいのかはずっと不鮮明なままだった。

それゆえ「自分で商品を作りたい!世の中に広めたい!!」と話す友人たちのそばで何をしたいのかわからない自分がいつも少し恥ずかしく、後ろめたかった。

そんな私が、偶然と運の巡りあわせで商品企画・開発に関わることになったのが2年前。
紆余曲折を経て、今月その商品が全国発売となった。

「自分で商品を開発する」
「世の中に広める」
「ヒット商品を作る」

そう聞いて、どんなことを想像するだろうか。

商品企画~開発~発売にいたるまで。
2年分の軌跡をここに書き残す。

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