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「インタビュー」について「書くこと」から始める。

編集者・竹村俊助さんのnoteが好きです。一見当たり前のようなことの中にある大事なことが言葉になっていて、スルッと体に入って染みます。竹村さんのこの記事を読んで、自分のやっていることを一度、書いてみよう!と思いました。

「きいてみたい」の入り口

私がインタビューを始めたきっかけは、2017年、にしさん(西村佳哲さん)の「きく」という5泊のワークショップに参加したこと。

ワークショップ後、猛烈に誰かの話をきいてみたくなり、所属する会社でインタビューサイト「Being-あり方を探求するメディア」を立ち上げ、現在4年目。ありがたいことにたくさんの素敵な方々のご協力を得て、続いています。

当たり前過ぎることかもしれないけれど、一人ひとりの生き方や人生は全く違っていて、面白い。その違いや多様さが面白くて、毎回、1本の映画やドラマを観たような気持ちで帰路につくのが、なんともいえない幸福感をもたらしてくれています。私の人生に欠かせない時間です。

自分と「きく」との関係

竹村さんの記事を読んで、「インタビュアは世の中にごまんといる」「私は会社員インタビュア」と自分で自分のことをきちんと大切にできていなかったことに気づきました。

会社員インタビュアだったとしても、私がやってきた3年間を言語化することは、きっと私にとって意味があるし、誰かにとって「ほほう」と思うことがあるかもしれない。そう思って書き始めたのがこの記事です。

インタビューのコツ

以前に倉成英俊さんにインタビューさせていただいたときに、こんな嬉しいメールをいただきました。

『自分で喋ったはずなのに、新鮮な言葉がいろいろとでてきていて、面白かったです。で、ちょっとお聞きしたいんですが、「なんでですか?」コツはなんですか?』

とても嬉しくて、ひとりで舞い上がってしまいました。嬉しいままではいけないと思い、そのときに考えたことを整理してみました。にしさんのワークショップで学んだ「きく」ことそのものについてはまた別途、noteに書いてみたいと思っているので、今回はまずインタビューそのものについて。

①情報を集める・問いを考える

「セントラル・クエスチョン(真ん中にある問い)」を出す。

著作やネットなどで情報収集しながら、まずはききたいことをたくさん考えます。その中で「一番ききたいこと=セントラル・クエスチョン」を出します。

私の場合は、「その人の原動力はどこから来るか」「その人のアドベンチャーは何なのか」を軸に考えていることが多いです。これは私の所属する会社が”アドベンチャー”に関する事業を展開しているからです。

その人に関心を持つ。見る、読むを通して、ひたすら知る、感じるの時間。その人は何をしているのか、どんなことを考えている人なのか。

たくさんの質問を書き出しながら、「その日、ひとつしか質問ができないとしたら何を質問したいか?」を考えて、それを自分の真ん中に置きます。ノートの質問リストにも◯をつけたりしています。

②インタビューする「私」を考える

相手のことをどんな風に感じたい自分なのかを掘り下げる。

どんなことをききたいのかを考えるとき、どんなことをききたい自分なのか、何を知りたい自分なのか、どんな風に感じたい自分なのかということが私には重要です。

その人のことを知りたいのはもちろんですが、その人やその人の持っているものに対して、どんな「私自身」が知りたがっているのかを考えます。これから始まる1時間の関わりのベースを育てている時間です。

その人に問いかけたい私はいまどんな感じなのだろう、なぜ私はその人の言葉に触れてみたいのだろうと考えながら、①の質問を眺め続けています。

③そのまま、出会う

その人の「いま」と共にいる時間を生きる。

目の前にいる人の思いや感覚がどこに存在しているのかをひたすら感じる時間を目指しています。

①②で考えた過程や質問、自分自身のことを手放して、そのまま、インタビュイに出会います。言葉にすると簡単だけど、結構難しい。用意していた質問とは全く違う方向の語りが生まれることも多いのが、「いま」を共にする面白さですね。

事前に作成した質問ノートは、実際にインタビュー中に開かれることはめったにありません。◯した唯一の質問もインタビュー中には忘れていることもあります。質問ノートはお守りのようなものです。質問を考えたプロセスが「そのまま、出会う」を支えてくれています。

インタビューが染み込でいく

インタビューの前後、その人のことばかりを考えています。インタビュー記事ができたあとも、その人やその人発した言葉のブームが続くことが多いです。

その人の発した言葉や空気感のつぶつぶのようなものがいつしか自分の体に取り込まれていって、私の細胞のひとつになっていく感覚があります。自分とは異なる感覚や真似できないこと、単純に素敵だな!と思うこと。いろいろなものが体の中に入り込んでいき、それはとても有機的!幸せ!

インタビューがうまくいかないとき

「いま」を大切にしながら、その人のことをきこうと思っても、うまくつながれなかったり、どうにもうまく関われないこともあります。インタビュアとして未熟であるということもあると思います。

人と人の関わり、たった1時間でそんなにいつもうまくいくわけではありません。でも貴重なお時間をいただくので、あとはその日のその時間の「私」ができることを、最大限にがんばるしかない。

インタビューの中で、なんだかうまくいかないとき、私は心の中でインタビューの師匠の名前を叫んでいます。「にしさーん!うまくきけませーん!!」
そう叫んでいる間、私は焦って取り繕ったような質問はしないので、その間になんとなく突破口がふわりと開けることがある気がします。

インタビューをしてうまくいかないとき、心の中で誰か(何か)に向かって叫んでみる。これはおすすめしていいのかはまだよくわかりません!


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