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人には得意な思考の幅がある

最近、部下を持つマネージャーやリーダーからマネージメントについて相談頂くことがあります。

私の経験上、プレイヤーとして優秀な人ほど、マネージャーの立場に立つと最初に苦労します。私自身もプレイヤーとしてブイブイ言わせていたタイプですので、マネージャーになってたくさん失敗しました。そんな失敗体験をもとにご相談頂いた方にアドバイスをさせて貰っています。

ご相談頂く中で最も多いのが仕事を任せることに関するトピックです。
具体的には【信頼して依頼したものの、思ったアウトプットから乖離があり、クライアントが望んでいるものをベースに部下に細かくフィードバックし過ぎてしまう】というモノです。

こうなると上司は細かくフィードバックしなければならないことに心苦しくなりますし、部下は部下でせっかく任せられて頑張ったのに全否定されているような気持ちになってしまいます。

私も何度もこの経験をしましたし、クライアントのことを考え、資料を訂正し続けたことで部下に嫌われてしまったことが何度もあり、疲れてしまったことがありました。

人によって思考の幅が異なる

そしてある時に「あれ、自分と部下では得意な問いの幅が違う」ということに気付きました。

ゼロベースから物事を考えることが得意な人もいれば、ある程度フォーマットがあり、型に合わせて考え方が得意な人もいます。そして相手がどういう範囲で物事を考えるのが得意なのかを把握し、相手合わせてコミュニケーションをすることが大事だということに気付きました。

私はこの人によって異なる得意な問いの範囲を【思考の幅】と呼んでいます。

より自由度が高いところから考えた方が色々な選択肢が思いつき、その中から最適解を見つけることができる人もいれば、ある程度前提条件や情報が揃っていた方が思考が巡りやすい人もいます。

どちらか良いかというより、考え方が異なるというイメージです。

思考の幅に合わせたコミュニケーション

ゼロベースから考えられるタイプ
だいたいリーダー、マネージャーポジションにつく人はゼロベースで物事を考えるのが得意な人が多いです。自分なりに今ある情報から、最適解や最適なアウトプットを導き出せます。

顧客の解像度が高かったり、経験値があったり、情報収集能力が高く、自然と答えが導き出せてしまう人で私もこのタイプです。

型をベースが得意なタイプ
逆に前提条件やプロジェクトの全体像、ゴールまでのステップが明らかで、そのウチのどの部分を考えればよいかが予め指定されていたり、フォーマットをもとに情報収集をした方が最適解が導き出せて安心する人もいます。

この場合、上司はできるだけ相手の得意な思考の幅まで歩み寄り、考えるポイントを伝えることで期待したアウトプットとの乖離を減らすことが可能です。

与えられたお題をクリアした部下も、この小さな成功体験が思考の幅を広げ、少しずつ抽象度の高い問いでも取り組めるようになります。ついつい忙しいと仕事を雑に振ってしまいますが、相手の得意な思考の幅を意識し、依頼をした方が手戻りも少なくなり、結局、時間短縮に繋がります。

部下が期待したアウトプットを出してくれなかったときに相手を叱責する前に、彼らが得意な思考の幅を確認するようにしてください。そして相手が得意な問いの範囲まで棚卸しをして、仕事を渡してみて下さい!少しだけ物事が好転するかもしれません。

起業して10年が経ちますが、まだまだ私自身課題だらけです。だからこそ、この記事を読んでくださった方のお役に立てればと思い、執筆しました。

具体的な解決策ではありませんが「こういうもんなんだな」と思えることで前向きになれることもあると思います。

大変ですが共に頑張りましょ!


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