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ペアマーケティングトレースに参加しました! NewsPicsアカデミアマーケティングトレース

こんにちは!世界へボカン株式会社で海外WEBマーケティングのコンサルタントをしている徳田です。

本日はマーケティングトレースの新しい取組みである「ペアマーケティングトレース」に参加させて頂きました!

今回はワークを通して、得られた気付きや学びが多く、備忘録としてnoteを書きました。

まだマーケティングトレースに参加した事ない方やペアマーケティングトレースに興味がある方の参考になりましたら幸いです。

ペアマーケティングトレースとは?

ペアマーケティングトレースでは二人一組で、一つの企業の成功要因や現状を分析し、最終的に自分たちがCMOだったらどういった打ち手を取るかを発表します。

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普段、一人で調査、思考するものを二人で行う事によって、より多角的な視野を持って意思決定する事がでます。

まず、ペアの方と私では、違った調査方法、考え方をしていたので、共にワークを進めさせて頂いた事で多くの学びや気づきがありました。

※ 誰と組むか分からない為、事前に歯を三回くらい磨いたのは内緒です。(私が組ませて頂いたのは大手Saas系サービスを提供する会社で働くマーケターの男性でした。)

マーケティングトレースの目的、使用するフレームワークの解説

今回はマーケティングトレースにはじめて取り組む方も多くいらっしゃってました。

その為、まずは黒澤さんより、マーケティングトレースの概要と今回の会で使用して貰いたいフレームワーク、トレース対象企業についてご説明頂きました。

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トレースを通して企業の成功要因を分析する事で、全ての成功要因を再現する事は難しくても、自身がマーケティング戦略を考える時の引き出しが増えます。

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マーケティングの全体像の中で多くの方が状況分析や戦略ではなく、戦術にばかり時間を使ってしまっている話は、先日、CMDtokyoで話題に挙がったマーケターのドーナツ化現象の話と共通する課題です。

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企業分析には複数のフレームワークを活用できますが、今回は初心者の方もおり、時間も限られているという事で3C、4P、STP分析にフレームワークを限定し、トレースをしました。

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■ 商品特性に応じて戦略を変化させる4P分析

今回、黒澤さんが4P分析の考える際に各要素の力の入れようを調整する事で変化をもたらすという話をしていたのですが、この部分とても興味深かったです。

例えば、商品の希少性が高く、流通量が少ない場合、価格は上げ、広告露出もそこまで増やさず、口コミやクローズドのコミュニティ等で広めていく。

逆に商品の流通量が多い場合、多くの方の手に取ってもらう為に価格は下げ、広告露出を増やす等、商品特性に応じて戦略を変化させるのに使えそうです、

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お題の企業としては、Sansan、丸亀製麺、コメダ、Newspics等がお題の企業として挙げられており、そこから好きな企業を選ぶ方式でした。

私たちチームはNewspicsの最上位サービスNewspicsアカデミアを選びました。

他のペアの方は丸亀製麺、コメダ、Sansanを選ばれており、独自の視点とそれぞれのサービスへの愛が感じられる発表を聞けてとても良かったです。

丸亀製麺のトレースをされた市嶋さんの記事が公開されたので、興味ある方はこちらもご覧ください。「麺匠」の話とかは知らなかったので、なかなか興味深い内容でした。読んでたら丸亀製麺に行きたくなりますw


30分個々でトレース、15分シェア、30分でペアでとりまとめをしなければならなく、計1時間ちょいで企業分析をします。(かなりタイトです)

「1時間で企業分析をやり遂げろ!!」とドエスの黒澤さんが言うので、僕らは必死にトレースに取り組みました...

NewsPicsアカデミアのマーケティングトレース

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NewsPicsアカデミアはUZA BASE社が提供する総会員数420万人のサービスの最上位プランです。月額1600円のプレミアム会員は10.2万人(全体の役割2%)おり、そのプランの更に上位にあるのがアカデミア会員です。

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アカデミア会員数のデータは無かったのですが、恐らくプレミアム会員の10%くらいの1万人くらいなんじゃないかと想定してます。

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山口吉宏さんやネスレ日本の高岡さん等の有識者の方の講義動画を閲覧できるサービス(Mooc)を提供しております。

■ NewsPicsアカデミアの4P分析

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私たちはまず、Product(商品)の特性やPrice(価格帯)から顧客像を推測できると仮説を立て、4P分析からはじめました。

アカデミア会員は月額5000円で上記のような有識者の講義動画を閲覧できる他、オフラインのイベントの参加、講義の応募権利等が得られます。

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Product(商品)を顧客提供価値、商品サービス、付随価値に分類しました。

顧客提供価値としては、マーケティング、ファイナンス、ブランディングのノウハウを有識者から学ぶ事ができる事です。

商品•サービスとしては、オンライン動画、NewsPics会員限定イベントの参加、書籍等があります。

付随価値としては、メディアでも露出の多い、プレイヤーの講義が受けられる事から、普段、自身が学んでいる分野以外の講義も学ぼうと思え、視野が広がる事なのではないかと考えました。

Promotion(広告)を深堀りして考えたところ、以前、FacebookやTwitterのタイムライン上でアカデミアの動画広告が配信されていたのを思い出しました、

有識者の講義動画がタイムライン上に流れてきて、それが自分の興味のあるトピックや有識者なら課金してしまうかもしれません。(私はまんまと広告経由で課金しちゃいました)

NewsPicsアカデミアは人を立てている分、Facebook広告やTwitter広告経由の獲得率が高いのではないかと予測しました。

また広告経由だけでなく、Newspics会員からアップグレードされてきたりと複数の獲得経路があるのが強みなのかなと考えました。

■ NewsPicsアカデミアのSTP分析

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STP分析では、商品の価格と内容からそれぞれの要素を分解して考えました。

S(セグメンテーション)では、所得の縦軸、学習意欲の横軸とした時に月5000円のオンライン動画を継続課金する事ができるという事から所得が比較的高い(20代の平均年収250万に対し、400万くらい貰っている方)と推測しました。

また横軸の学習意欲では、グロービスの大学院に通うほど学習意欲は高くないが、通勤中にもサクッとビジネスに役立つ情報を学びたい層と設定しました。

T(ターゲティング)では、20代〜の学習意欲が高いビジネスパーソンで箕輪編集長プロデュースの自己啓発本が好きな方なのではないかと毎月送られてくる書籍、参加している講師から推測しました。

流行に敏感でAirpodsを耳にし、講義動画を山手線で見ている若手営業マンをイメージしてます。

P(ポジショニング)では、価格と学びの二軸でポジショニングマップを作りました。

オンライン学習サービスで比較的安い月額1600円のグロービス学び放題と比べ、アカデミアは人を立てて講義をし、約3倍の価格で提供しています。

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グロービス学び放題、アカデミアの両方を課金している私としては、学べる事に3倍の差は感じられず、誰から学ぶのか?という部分に価値を感じるか否かでグロービス学び放題かアカデミアを選択するのかなと考えました。

■ NewsPicsアカデミアの3C分析

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NewsPicsアカデミアの3C分析をしました。(ペアの方にお願いしたパート)

顧客はSTPでもお伝えしたように月額5000円を支払いながら、ビジネスの基礎知識を各分野のプロから学び、身につけたい方。

自社のNewsPicsアカデミアではMoocと言われる講義動画が見放題オフラインイベントに参加できる他、書籍が得られます。

競合では、グロービス学び放題の他、グロービス大学院や他メディア等が挙げられます。

■ もし私たちがNewsPicsアカデミアのCMOだったら?

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IR情報や媒体資料を確認したところ、総会員数が420万人なのに対し、Newspicsの有料会員は102,000人と約2%でした。

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更にここから最上位ユーザーとしてアカデミア会員がいるのですが、有料会員の10%の1万人ほどがアカデミア会員なのではないかと推測し、どのように会員離脱を防ぎ、増やしていくかを考えました。

まず考えなくてはならないなは会員離脱者を減らす事です。

NewsPicksアカデミア有料会員の評判(主に解約理由)&継続利用している私の活用方法では、

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①人を立ててコンテンツを提供している事から、キャスティングの兼ね合いもあり、動画の生産スピードが遅くなり、目新しさが少ない点

②一方通行の学びでコミュニティ性の薄い点

③価格が高く、不必要な書籍が送られてくる点

が解約要因として挙げられていました。

これらの離脱要因を防がなくては穴の空いたバケツに集客しているようなものです。

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私たちは現状の著名な方から講義をして貰えるという評判価値にあるサービスから、より実務に使用可能な実利価値にシフトしていく打ち手があるのではないかと考えました。

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具体的にはグロービス学び放題のような人に依存しない形で、実務に使えるナレッジをアニメで提供したり、第一線の現場で活躍するプレイヤーを起用し、次のスターを作り上げていく方法が考えられます。

また要らない本が送られてきても満足度が下がるだけなので管理画面からリクエストができる機能等があると良いのではないかと考えました。

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尚、毎年。NewsPicsの会員数、有料会員数は増えており、この最上位プランのアカデミアだけで収益を伸ばさなくても全体で収益を伸ばしていけば良いと考えているのかもしれません。

まとめ ペアマーケティングトレースをするメリット

今回、トレースをさせて頂き、限られた時間(約1時間)で情報を集め、分析し、次の打ち手を考えるのはなかなか難しさを感じました。

しかし、短い時間でフレームワークを活用して情報を整理し、アイデアに変換するクセが身につけば、かなり業務で役立つなとも感じてます。

マーケティングトレースがマーケターの思考の筋トレなのであれば、短時間で思考する瞬発力や速筋が鍛えられるトレーニングにようなイメージです。

また、いつもと違うマーケティングトレースをペアで行う事で大きく分けて2つの気付きが得られました。

① 企業選定の軸が異なり、視野が広がる
通常、トレースする企業は自分が好きな企業を選びがちです。ペアマーケティングトレースの場合、自分の好きな企業のトレースではなく、ペアの方の興味関心に合わせて新しい企業のトレースができ、視野が広がります。

② 調査のソースが異なり、引き出しが増える
IR情報やネット上の情報、媒体概要等、人により調査をする際の情報ソースが異なります。ペアパートナーと普段自分ではリーチしない情報ソースを使って分析することで自身の引き出しが増えます。

私は「「個」の弱みは「チーム」によって補完され、強みが先鋭化される。」と考えています。

マーケティングは一人ではなかなか完結する事ができません。一人のズバ抜けたエースがいる事も大事ですが、チームのマーケティングの基礎力の水準を上げる事も成果の最大化には不可欠です。

チームで課題解決をする力を養う取組みとして、視野を広げ、引き出しを増やしていくペアマーケティングトレースを定期的に自社内でやっていくのも良いなと思いました。

素敵な学びと気付きをありがとうございました!

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