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「市場価値」なんて概念は実在しませんよ


エンジニアに限らず、

「イラストをすごい安値で書かされようとした」
「客出し単価が○○円で、そのうち8割を会社が持っていって給料安い!」
「小劇場で演劇をしようとしたらものすごい大金のチケットノルマを要求された(かつての私です)」

こういった話は枚挙に暇がありません。

どうやったら自分の満足する単価で仕事を請けられるのでしょうか。この記事ではちょっとそのあたりを掘り下げていこうかなと思います。

まず、ツイートで箇条書きにしたこの三点について。

自分の最低限譲れない単価を決める


まず最初にすべきことは、「自分のアウトプットの価格を決めること」です。

特にフリーランスであれば、価格を自分で決めることは非常に重要で、できている人には当たり前のことですが、「相手の出した単価でいつも引き受けてしまっている」人が結構見受けられます。

もちろん、それでお互い満足しているのならば言うことは無いのですが。。。

自分の経験からいうと、買い手の言い値をそのまま受け止めてしまうと結果的には安売りになってしまって消耗することが多かった気がします。

もちろん全体の相場観みたいなものはありますが、だからこそそれを無視するのも一つの戦略です。

その単価で買ってくれる人を見つかるまで探す


価格を決めたら、その単価で買ってくれる人を「見つかるまで」探します。

「見つかるまで」というのが重要で、一度「価格が折り合わない!」「高すぎ!ボッタクリだ!」と言われたくらいで「譲れない」と設定した額を早々に引き下げてしまう人が多いのではないのでしょうか。

しかしですね、結局不本意に価格を下げて契約しても、その契約を履行するのは他の誰でもない自分自身です。

「値下げして契約させられた」っていういきなり「不満を持った」状態からスタートして、あなたは最高のアウトプットが出せますか?という話です。

「Win-Win, or No Deal」という言葉があります。

どちらかが妥協して、Win-Loseになってしまうくらいなら、お互いに取引をしないほうがマシです。

世の中にはまだまだ腐るほど仕事があるし、全国には会社が400万社くらいあります。

スパッと見切って、自分の設定した単価で契約してくれる人を探しましょう。

ちょっと「どうでもいい案件」が流れてしまったからといっていちいちへこむ必要はありません。次行きましょう次。

簡単に買い手の指値を受けない


前段で述べたとおり、自分の単価をしっかり設定できていれば、安易に買い手の指値を受けることは減っていくかと思います。

「次に繋がるから」「次の仕事を良い条件で紹介するから」(今回はこの額で)という指値をされることがあります。

この類のオファーですが、99.9%次につながらないし次の仕事を良い条件で紹介されることはありません。

特に口約束で言われたのならなおさらでしょう。

ビジネスの契約においては、紙に書いてあるものがすべてです。

「書いてある金額は、自分の下限を下回っていないか?」だけを評価するようにしておくほうが、結局のところリスクを抑えることができます。

もちろん、受注のために「三ヶ月間30%値引き、それ以降は標準価格」を書面に落とし込んで自分から提案していくのは採算が合えば十分にやっていいと思いますが。

絶対に一意に定まる「市場価値」なんてものはない


よく転職サイトなどで「市場価値を高める」という表現が使われますよね。

あの言葉が独り歩きしたせいか、「転職市場(?)にはスキルによってただ一通りに決まる定量的な市場価値がある」という前提が暗黙のうちにできてしまっているのではないか、と思います。

だから、自分の値段を提示して断られると「ああ、この値段で断られるということはほかも同じように断ってくるだろう」と考えてしまうわけですよね。

しかし、現実には絶対に一意に定まる市場価値など存在しません。

価値を認めてくれる数人を満足させることができれば、批判してくる人がたとえ99人いてもスルーしていれば問題にならないんじゃないでしょうか。

だから、堂々と

「自分の価格を決め」

「価値をわかってくれる人に売り」

「値下げは基本的に断る」

ということをしても良いと思っています。

自分にしかわからない「市場の歪み」を見つけ出す

これは未経験の30代、40代からエンジニアになるためにどのような戦略を取ればよいか?という問題設定。


「マーケットでの「市場価値(らしいもの)」」を追い求めると、その人に現段階での市場価値(らしいもの)はゼロなのかもしれません。

だからといってエンジニアになれないかというとそういうことはありません。

30代・40代ともなれば20代に比べ仕事を長くしてきたというアドバンテージがあるのですから、それを最大限に活かします。

今やすべての事業でITを無視することはできなくなっているのですから、自分の仕事の人脈を伝って「なにかエンジニアの仕事ない?」って聞いていけばよいのです。

実は事業会社のIT化のための求人が公開されていることって比較的少なくて、こういった裏道から攻めると意外とすぐに仕事は決まってしまったりするものです。

あなたより優秀で出世した部下が採用してくれるかもしれません。

市場価値がつかないと転職エージェントに言われたのに、実際には価値が発揮できる場所があるかもしれない。

こうした「自分にしかわからない市場の歪み」を見つける癖をつけておくと、たとえ窮地に立たされても意外となんとかなったりするものです。

このあたりは「フリーランスエンジニアの営業のヒント」でも言及していますので、よければ参考にしてみてください。

まとめ


・自分の価値は自分で決めろ
・自分の価値をわかってくれる人を妥協せずに探し続けろ
・市場価値は一意には決まらない、歪みを見出せ


ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。サポートいただけると記事を書くモチベーションになりますので、よろしくおねがいします。