会社を作ったが法人口座の審査が通らなくて大ピンチだった話
※この記事は2017年7月に書いた記事をリライトしたものです。
こんにちは、yukito ohiraです。
2017年7月に個人事業主(フリーランス)から法人化を行い、株式会社CodeKnightsを設立して代表取締役社長となりました。
従業員はまだいないのでプライベート・ペーパーカンパニーです。
さて、一般的に考えて、会社を設立したら、まず行いたいことの一つとして法人口座の開設があります。
が、この法人口座の開設で予想外に躓いてしまいました。
悔しいので記事にします。
【UPDATE】それから数年後、2022年の法人口座開設事情はこちら↓
法人口座はなぜ必要なのか?
法人口座がないと、入金も出金もできません。そしてオフィス借りられません。
法人カードも作れないので、経理がレシートをノートにペタペタ貼る地獄のルーチンワークになります。
また、会社名義で支払う必要がある、税理士や司法書士への会社設立費用の支払いや契約金の支払いができません。
会社は不渡りの状態からスタートするといっても過言ではないと思います。
一部個人口座でやってる場合があるそうですが、グレーな上に税務署の調査が入りやすいので基本的には避けるべきです。
更に、近年は、マネー・ロンダリングのような口座を悪用した行為等が多発しています。
その為、そのような行為の防止策として、金融機関の審査が非常に厳しくなっています。
実際に、金融機関によっては予めそういった説明をされます。
2017年現在、仮想通貨投資全盛期で同時に投資詐欺全盛期なので、規制はさらに厳しくなっているかと思います。
当初の見通し
「法人口座 開設」や「法人口座 開設 おすすめ」、「法人口座 開設 手数料 安い」などで検索して情報を集めていました。
口座維持手数料が高く、審査も厳しそうなメガバンクはまずは候補から排除。
方針としては「審査がゆるいと定評のある楽天銀行で一発で決める。ダラダラと事務処理を続けたくない」というものでした。
楽天カードは個人でも使用していますし。
まず通るだろう・・・・そう思っていました。
楽天銀行一発で決めるつもりが、2週間後、まさかの楽天審査落ちの連絡。
再度、利用する銀行候補をリストアップ。
落ちてしまったのは仕方ありません。
インターネットの情報をかき集め、口座開設できそうな銀行のリストを並べます。
また、バラ撃ち用に登記簿謄本と印鑑と住民票を大量に取り寄せておきました。(10000円くらいかかりました)
候補1:ジャパンネット銀行
審査がゆるいという前評判。ネット上で手続き完結。
必要な物は「本人確認の証明書」、「履歴事項全部証明書」、「印鑑証明書」。
候補2: 住信SBI銀行
審査がゆるいという前評判+個人で証券口座持ち。
必要な物は「本人確認の証明書」、「履歴事項全部証明書」、「印鑑証明書」、審査はネット完結というのもジャパンネット銀行と同じ。
候補3:ゆうちょ銀行
審査ゆるい?
手続きはHPに書いてある必要書類を直接郵便局に持ち寄って申請をします。
候補4: 三井住友銀行
メガバンクは審査がきついという前評判がありましたが、個人のメイン口座として三井住友銀行の口座を使っているのでワンチャン加点されるかな?と思いました。
ただ、「本人確認の証明書」、「履歴事項全部証明書」、「印鑑証明書」の上に事業計画書などが必要で、かつインターネットバンキングが有料という感じであまり気乗りがしませんでした
候補5: 巣鴨信用金庫
信金は審査がゆるいという噂で候補に入れました。
こちらも事業計画書を直接会って持ち込むことが必要。
とりあえず候補1と候補2のネットバンク二行に書類を提出。
ネットバンク全滅...
書類を提出してから二週間ほどして、審査結果が返ってきました。
結果・・・
住信SBIネット銀行:審査落ち。
ジャパンネット銀行:審査落ち。
なんと、ネットバンク全てに口座開設を断られる結果となってしまいました。
私にとって更に問題だったのは、銀行側は落ちた理由を一切教えてくれないということです。
つまり改善のしようがない。
自分の頭で原因を探す
一応思い当たる節があり、ホームページの会社情報の表記とプライバシーポリシーに関する表記を追加しましたが、効果があったかどうかすらわかりません。
開設に関する評価要素として
・資本金の額
・事業内容
・会社説明資料(ホームページ)の質
・過去の決算の内容
・バーチャルオフィスかどうか
などが見られるポイントだ、ということは認識していました。
1. 資本金
資本金に関しては、会社法上は1円でも問題なく、受託中心に事業をするので1円でも問題ありませんでしたが、
今回のケースのような銀行の審査対策として一応100万を積んでいました。
直前に個人で奨学金返済を終えていてキャッシュがなく、更に2ヶ月後の売掛金も現金化されていない状況でしたので、
全部集約すると300万は詰めたかと思いましたが、どうしてもタイミングが遅くなってしまうので100万での株式会社化に踏み切りました。
そして、資本金の変更には金がかかるため、原因がここであってもはいそうですかと変更できません。
2.事業内容
「Ruby on Railsを用いたWEBシステム受託開発」・・・って、何も問題ない真っ当な商売だと思うのですが。これが影響したとは考えにくいです。
3. 会社説明資料(ホームページ)の質
審査に必要と聞いてbootstrap-template検索して最初2時間で作りました。
個人的にはあまり電話番号やメールを外部に晒したくなかったのですが、会社情報がないと審査側の心象が悪そうなので後から修正・記述しました。
4.過去の決算の内容
過去も何も、今できた会社なので説明しようがありません。
そもそも法人口座無いと取引できないので決算も出しようがありません。
5. バーチャルオフィスかどうか
おそらく落ちた原因の多くを占めているのではないかと(前述したように、銀行から直接指摘をされているわけではないので想像の域を出ませんが)
自宅は法人登記不可の賃貸アパートですから、「クリーンにいくなら」この住所で登記することはできません。
「どうせバレない」と腹をくくって自宅を登記する人もいるようですが...
引っ越しを検討しましたが、物件を検索すると法人登記可能なだけで家賃は上がるし建物は古くなる。。。
そこで、手軽に登録できるバーチャルオフィスを契約し、そこに謄本上の本籍をおくことにしていました。
これも登記の変更を要するので、一度登記したら簡単に本店を変えられません。
さらに各種銀行に謄本乱れ撃ちするしか方法は残っていないのか。。。と軽く絶望を感じでいたその矢先。
ゆうちょ銀行でなんとか開設成功!!
ゆうちょ銀行の審査が通りました!!!
結果的に、ネットで手続き完結したネットバンクにすべて落とされ、唯一自分の足を使って出向いたゆうちょ銀行で口座を開設することになりました。
画像とは違う、黒色の手帳がイカす。これで入金・振込ができる!
ゆうちょ銀行の法人口座の制約
ゆうちょ銀行は、預金上限が1300万円という制限があります。
1300万円というと、個人の家計のレベルで言うと高い天井のように思えますが、ビジネスレベルで言うとかなり低い天井です。
店舗ビジネスをやろうと志している方や、BtoCのスタートアップで早めにキャッシュを回転させていく必要があるビジネスモデルでは、すぐに預金上限に到達してしまう恐れがあります。
幸いなことに私のビジネスは、多くの資本金を回転させるようなモデルではないので当面問題は発生しないでしょう。
また、口座振替依頼書が何故かゆうちょ不可であるケースも多く(なぜなんだろう)、何かと制約があります。
が、唯一通った法人口座ですので当面はこれを使っていくことになるでしょう。ダイレクト振込とFreeeの同期対応していたのは嬉しいポイントです。
おそらく、預金上限に達しそうになったら、信金やメガバンクに新たに口座開設をお願いすることになるでしょう。
今回は設立当初なので何もありませんでしたが、法人口座は一つでも別の会社の法人口座を持っていると作りやすい、という話を聞きますし、おそらくその頃には1期の決算書ができあがっているでしょう。
正直、金融周りで他にもやっておきたいこと(金融公庫からの借入等)は残っているのですが、正直このやりとりを続けるのにうんざりしてしまった自分がいるので、
法人クレカの申し込みだけ済ませたら後はコードを書く、実務に集中していこうと思っています。
つかれた。
これから法人成りを検討している人に向けた5つのポイント
正直、法人設立・稼働開始してから口座を作るのに(待ち時間もあったとはいえ)3ヶ月もかかってしまいました。口座開設は別に利益を生む仕事ではないのに、です。
上述してきたように、2017年は起業して新しく法人口座を立てるのはかなり難しい状況にあるようです。
これか法人成りを考えている方々へ、こうしたほうがよい、というアドバイスをまとめました。(私も2回目があるとすれば、こうします)
1.東京に実家があれば、実家を本店として登記する。あるいは共同創業者に事務所登記可の物件を持っていれば、そこを本店として登記する。
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