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読書記録と、2024年上半期近況

随分と間が空いてしまい、久しぶりのnoteになりました。
更新しなかった間も、わたしの記事を読んでくださった方がいてとても嬉しかったです。これからものんびりnoteとつきあっていきたいと思います。

このnoteの空白期間、いろいろとありました。
このことはまたいつか別に書いておきたいのですが、今年になり、好きだったはずの仕事で適応障害を発症し、復職できずに辞めてしまいました。今思えば去年から割とおかしくって、順調だった読書のペースも落ち、観たかった企画展もたくさん逃してしまいました。コロナも落ち着いてきたというのに、わたしは日常に戻るどころか、より非日常な時間を過ごしてしまいました。とはいえ今の世界の陰惨な現状に比べたらわたしの環境の変化などたいしたことではないのですが、いろいろを含めて、あーこの先ちゃんと生きていけるのかなーなんて思いながら過ごしています。それでも仕事を辞めて本当にゆっくり休めたおかげで今は落ち着いていて、好きだったこともできるようになってきました。一足も二足も遅くなりましたが、日常を少しずつ取り戻しているように感じています。

いつか書いてみた読書noteがわたしにとってよいアウトプットになったように感じるので、また、最近読むことができた本のことなどを綴ってみようと思います。ネタバレなし、加えて語彙力もありません。


◆『泣きたい夜の甘味処』『疲れた人に夜食を届ける出前店』
 
中山有香里 著

ベストセラーの本書ですが、コミックエッセイとは知らず手に取りました。読み始めてすぐに真っ昼間からとにかく泣いてしまいました。ぼろぼろと泣いてしまった。こんなに泣いた本は初めてでは?と思うくらい涙がとまりませんでした。移動中の電車などで読まなくて本当によかったと思います。笑
シンプルなストーリーであたたかい絵、ふんわり甘い香りが漂ってくるようなお菓子たち、タイトル通り、泣きたい夜にはぴったりで、美味しそうなお菓子がたくさん登場するけれど、夜食が食べたくて大変!という感じにはならず、そっと寄り添ってくれるようなほどよい存在感がよかったです。時間を空けて何度でも読みたくなる本。熊さんと鮭さんがとにかくかわいくて好きです。
下記シリーズ含めKindleで読みましたが、紙で持っておきたいと思っているので、大きな本棚を手に入れたらまず揃えようと思います。

こちらの出前店シリーズのほうがお話はマイルドで、ひたすらにご飯がおいしそう&ほっこりでした。こちらから読んでもよさそう。レシピがメインの感じで、作り方のイラストも細かいところまで全部が可愛いし全部が美味しそうです。おかかバター卵かけごはんのレシピがお気に入り。よくおにぎりが添えられているのがとても好きです。特大クリームパンのお話も好き。
ただ、こちらはご飯美味しそうレベルがかなり高めな感じがあるので、深夜の空腹時に読むのは苦行かもしれません。笑
きらきらの色使いが本当に素敵で、メインの登場キャラクターもみんな好きです。特にまっくろいコのお話が好きでした。名前もわたしと同じだし。
栄養とってよく眠るって大事だよね、と改めて思い出させてくれる本だと思います。

◆『レモンと殺人鬼』
 くわがきあゆ 著

帯コメントにあるようにどんでん返しの展開もあり、後味悪いのが好きな人におすすめしたいです。(好き嫌いはわかれそうですが)
主人公の生い立ちが不憫すぎて感情移入するのが難しいことが逆に救いにはなるのですが、後半から、特に主人公の幼少期の描写は、心臓をえぐられたような気持ちになりました。悲しいとかツラいとかとも違う、なんとも言い表せない感じ。気持ちが落ちてる時には読んではいけないのかもしれません。笑
ただ、読みやすく書かれているというのと、エンディングに向けてどんどんテンポが速くなっていくのであっという間に読み切ることができました。つっこみどころもありつつ、おもしろかった。
ジャケ買いする人も絶対いたと思う、雪下まゆさんの魅力的なカバー絵がとっても素敵!わたしはレモンのモチーフが好きって理由だけで本書を手に取りましたが、読み始める前と読み終わった後では、表紙のレモンの味が変わるような気がします。

◆『ムーミン全集』新版 1〜9
 トーベ・ヤンソン 著

ムーミンって童話だったよね、と思って軽い気持ちで洪水のおはなしから読みはじめました。アニメは見たことがないけれど、パペットアニメーションの映画は昔字幕で見た記憶があります、夏祭りか彗星か、忘れちゃったけど。
童話と思っていたけれど、全体的に日陰というか、ざわざわする印象があり、おとなになってから全集を読んでよかったと思います。考えることもたくさんあった。
ムーミンたちは冬眠するので、お話は夏のできことを描いたものばかりだけれど、わたしは5巻の『ムーミン谷の冬』が一番好きかもしれません。
冬について知らないムーミンの案内役をしてくれるトゥーティッキの言葉がすてきなものばかり。名言として紹介されることも多いですよね。みんなに春を知らせるのもトゥーティッキの役目で、春が近づいて、自分の帽子をひっくり返すところはなんだか可愛らしい感じがします。

ものごとって、みんなとてもあいまいなのよ。まさにそのことが、わたしを安心させるんだけどもね。

『ムーミン谷の冬』トゥーティッキのことば

ムーミンにとって未知の冬、不安になる場面も多いけれど、トゥーティッキや、ヘムレンさんとスキーを楽しんでいるミィ、家で冬眠しているパパとママの存在が、どことなく安心感を醸し出しているようで、楽しく読み進められたのかな、と思います。
『ムーミン谷の仲間たち』も大好きで、この巻で登場する姿が見えなくなってしまったニンニのおはなしは特に好きです。スナフキンに名前をもらったはい虫のおはなしも好き。
『ムーミンパパ海へいく』は、灯台守になろうと奮闘するパパにもやもやしつつも、ムーミンがうみうまやモランとこっそり心をかよわせる場面がとても素敵でした。ムーミンパパというと『ムーミンパパの思い出』で、スニフやスナフキンのルーツが語られているのもよかったな。

そもそもムーミン全集を読もうと思ったきっかけは、日本で昨年末に公開されたアキ・カウリスマキ監督の『枯れ葉』。主演のアルマ・ポウスティさんがあまりにも素敵で、彼女がトーベを演じていたと知ってすぐに『TOVE』を見て、それから改めてムーミンの物語を読んでみようと思ったのでした。

映画でトーベがどんな作家人生を歩んだのか、その一部を知ることができたおかげで、トフスランとビフスランのお話や、トゥーティッキの存在とか、ムーミンと家族のお話などはより印象に残ったような気がします。

次は、トーベの弟が引き継いだムーミン・コミックスを読んでみたいと思っています。あとはいつになるかわからないけれど、元気なうちに夏のフィンランドにも行ってみたいな。トーベのおかげですっかり北欧に憧れてしまいました。シナモンロールとコーヒーで朝の時間を過ごしたい。かもめ食堂!

そうそう、『枯れ葉』は劇中歌もすごく素敵ですっかりお気に入りです。

そんな2024年上半期、都内は梅雨に入る前に暑い日が続きそうで戦々恐々としていますが、健康第一で乗り切りたいです。ムーミンママのように雨音を楽しみながら梅雨を過ごせたらいいな。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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