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2019/01/06 France Shoin @吉祥寺CRESCENDO

2019年のライブ初め。東京のポストロック・マスロック・インディーポップバンド、France Shoin。

France Shoinは大学の軽音楽サークルの先輩によるバンド。サークルに入った頃は先輩方の演奏する未知の音楽やその演奏力の高さに衝撃を受けてばかりで、France Shoinもその存在の中のひとつ。あまり外に向けた積極的な活動はしておらず、ライブハウスでの演奏も今回が4年ぶりくらいの2回目とかだった気がする。ライブハウスで見られるのは初めてだったので楽しみにしてました。

ライブを見て思ったのは、France Shoinの曲は変拍子が違和感を持たずに曲に溶け込んでいてすごい、ということ。マスロックのシーンって日本でもあって、そこには変拍子をあからさまに見せ付けるようなバンドもたまにいたりするけど、「変拍子の違和感で奇をてらう」という感じがしてあまり好きじゃなくて。(もちろんマスロックバンドにはインストバンドも多いので、変拍子の使い方をボーカルありのバンドのそれと単純に比較することはできない。ので結構な偏見だとは思う..)

France Shoinは歌が中心にあって、あくまでそれを引き立てることが重要視される中で、変拍子がかなり曲としてのフックになっているなと。グッドな歌モノとしてすっと聴けるんだけど、楽曲自体には緻密なテクが盛り込まれていて(特にドラム)、不思議な違和感がある。

あとこの日はボーカルを、マイメロディーズというバンド(個人プロジェクト?)のこまつさんが務めていたんだけど、こまつさんのMCがすごく丁寧で良かった。新年早々の時期の遅い時間に集まってくれたことをお客さんに感謝したり、音楽からしばらく離れていたけど新年明けに音楽をまたスタートできて、今年を音楽の年にできそうで嬉しい、とか。謙虚で率直なこまつさんの人柄が滲み出ていて、きっと初見のお客さんも「いい人だなあ」と思ったと思う。全く知らないバンドがMCで言ってたことって、バンドに対する先入観がない分、結構記憶に残りやすいと思っていて、それがそのままバンドに対する印象にもなったりするから、あのこまつさんのMCはバンドを印象付けるものとしてとても良かったと思う。

France Shoinは今月の27日にもライブをやるそうで、その後はまたしばらくやらなくなるそうだけど、細々とでいいから是非外向けの活動を継続してほしいなと思う。ポストロック・マスロックのルーツを、なんちゃってじゃなくてきちんと固く持っていて、小手先でなく硬派に楽曲にしたためているバンドは結構シーン的に貴重だと思う。あとドラムのこうじさんの積年の技術力とプレイヤーとしての唯一無二の個性は、知人の間だけで聴かれて終わるのはとてつもなくもったいないと感じる...。是非ポストロック・マスロック界隈の人に発見されてほしい。


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