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19/3/14  スポーツニュースPickUp 鉄剤注射関連

鉄剤の不適切な「注射」をやめるよう、スポーツ庁からも通達が出ていますが、こういう背景があると、なかなかやめられないかもしれません。

中高時代にいい成績を上げれば、大学進学や就職への道が開かれる。競技結果による推薦入学や入社といった社会の仕組みがある限り、当事者である選手やその親、そして教え子の進路が自身の評価に直結する指導者は勝利に向かって血眼になるに違いない
実際に、前出のスポーツ医は全国高校総体(インターハイ)前、「疲労骨折だから、出たらもう走れなくなるよ」とドクターストップを下した女子選手からこう言われたことがある。
「インターハイに出て良い成績が出せれば、走れなくなってもいいです」
選手たちも目標はそこだと教育されているのかもしれない。

アスリートも指導者も、長期的な視野を持つ必要がありますね。成長期には、体の成長を優先する必要があり、この時期に体重管理を目的に食事制限をするのは、やめるべきです。

そして、正しい知識を学ぶことも重要です。そもそも、鉄剤を注射したところで、記録は上がりません。全身の筋肉に酸素を運ぶヘモグロビンは、鉄とタンパク質を材料に体内で作られます。貧血とは、このヘモグロビンが低くなってしまう病気ですが、いくら鉄剤を注射で補ったとしても、もう一つの材料であるタンパク質が不足していたら、ヘモグロビンは作れないのです。

アスリートに多い貧血は、タンパク質と鉄が不足した、一種の栄養不足の状態が続いた結果です。そこに、注射で鉄を急速に補ったところで、すぐにヘモグロビンを作れるような状態ではありません。




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