【ラーゲリより愛を込めて】がすごかった
12/9 全国公開した映画【ラーゲリより愛をこめて】をみてまいりました。
自担の映画だし、そりゃみるでしょと公開前の予告を見るまでは思っていましたが、実際に予告みて、関連番組を見るとテーマがテーマだけになかなか見に行くかどうするか悩みましたが、やっぱり見よう!と思いみてきました。
タイミングよく、舞台挨拶付で見ることができてよかったです。
とまあ、長文のツイートをする始末。
よすぎました。
マジで、いろんな人に見てほしい。
よかったところをまとめたくて、ここに記事を残すことにしました。
ほぼネタバレしそうなので、ご留意ください。
松坂くん
だれから書くのかまじで迷って、まあ松坂くんかと思って書き始めることにします。
今回のお話において、語りの役でもある松坂くん。
序盤の諦めというか、絶望にあふれた瞳の演技がすごい。
語りもすごいうまくて、すっと入ってくるかんじ。
心の傷を山本に出会うことで、少しずつ癒していくんだけど、
山本のために立ち上がるところのシーンは感動だったし、めちゃくちゃ胸を打たれた。
ラストの、モジミとのシーンが一番だったと思う。
自分の気持ちと山本の気持ちが合わさるというか、
自分が母親に伝えたかった気持ちを伝えているシーン。
印象的だった。
ケンティー
最初キャストを見たときに、なぜ?ケンティー?
ニノのバーターか?と思った私をぶん殴りたい。
しんちゃんはケンティーしかできない。
あれだけ過酷な状況で、明るさというか、
光になれる人は少ないと思う。
足が悪いっていう役柄はすごく難易度が高いと思う。
でも、なんの違和感もなかった。
読み書きを習って、手紙を自分で書くことができる喜びだったり、そこからの成長が伝わってきた。
クロとの関係性もすごくいいなって思ったし、
まっすぐ山本のことを慕う姿が嫌味もなく伝わってくるのがいいなって思った。
あと、めちゃくちゃ体仕上がってたのもすごくよかったです(笑)
桐谷さん
まずこの人の最初の印象は最悪だった。
そして同時にこういうひと多かっただろうなと思った。
高圧的で、自分は他と違うんだという雰囲気の出し方がすごくて、
この人めっちゃうまいなと思った。
でも、曲がっているわけじゃなくて、
すごいまっすぐなんだよね、この相沢って。
軍人時代に、捕虜を殺す役をして、
そこで精神が崩壊してるから、山本みたいなひとに対してすごく強く当たってしまうんだよね。自分もああいう風になりたかったけど、なれなくて。
心の拠り所だった、奥さんをなくして、最後ギリギリつないでいた部分も折れちゃってどうしよう、もう生きる意味もないってところで、
山本に助けられて。
病室のシーンの男泣き。すごい印象的だった。
金スマで、あそこは自然に涙が出たって言ってたけど、
もう二宮和也と桐谷健太ではなく、山本と相沢だったんだよね、
あの瞬間って。
安田さん
相沢が動なら、原は静で。
山本によって、また生きることを決意する役柄で、
生きることをやめた人の演技がすごかった。
言いたくないことを山本に伝えて、
根っこに愛があるからこそのあの病室のシーンが印象的だった。
ロシア語のシーンも、すごくて。
慣れない言葉で、強く訴えるって難しいと思うんだよね。
トーンとか、発声とか。
でもまったく違和感はなくて、
言葉がわからなくても伝ってくる思いみたいなものがすごい。
原は安田さんしかできないなって思った。
ラスト、山本の家族に会ったときのシーンで、
すっと声色が変わるところすごかったな。
二宮くん
どうしてもこの人の話は最後にしたかった。
二宮和也という俳優はここまですごかったんだと思わされた。
映画は始まり、そこにいたのは山本幡男という人だった。
一ミリも二宮和也はいなくて、家族思いのやさしさにあふれた愛のある人だった。
モジミといるときの幡男も、シベリアにいるときの幡男もかわらず愛のある人だった。
自分たちは捕虜としてシベリアに向かっているのに、そこでも歌を歌って、周りを励ますそんな人で、はたから見たら、相沢や松田みたいな人がある意味普通で、歌を歌ってるなんてちょっとおかしいと思われるだろうなと思ったのが冒頭の印象だった。
劇中たびたび登場する【愛しのクレメンタイン】という曲がすごく印象的だったなぁ。
モジミや家族との思い出の曲で、敵国の曲を歌うなんて周りからなんていわれるかわからないのに、曲に罪はないんだな、いい曲だから歌う、本当にまっすぐなんだなと思った。
ロシア語がわかるだけで、ほかの捕虜の人からひどい扱いを受けても、
いろいろな人に生きる勇気を与えるところが、本当にすごい人だなと思った。
病魔が襲って、どんどん衰弱して、余命を伝えられて、ラーゲリに戻ったときの声の演技が本当にすごかった。
どうやったらあんなにすごいことができるんだろう。
かなり、痩せてたんだなと思った。
もともと小顔なのに、もう骨と皮?と思うくらい痩せてた。
(よく考えたら、去年めちゃくちゃ細かったわと思い出した。顔色あんまりよくなかったよね…)
今回、舞台挨拶でも言ってたけど、あくまでも偉人ではなく、
一人の人として演じることを心掛けたといっていたけど、ほんとその通りだった。
今回の映画は、もちろん実際にあった出来事がテーマなんだけど、
愛の映画なんだよね。
シベリア抑留っていうこれまで授業ではあまり触れられてこなかった内容で、実際にそこにいた人は60万人もいて、簡単に言えば地方の県の人口くらいそんな悲しい運命を受けた人がいたっていう事実は変わらない。
劇中に「もはや戦後ではない」と新聞に書かれているシーンのカットがあるけど、今私たちが生きるのは戦後で。
私たちは戦後の平和な日本しか知らない。
戦前、戦中を知る人はどんどん減っていってて。
私自身の祖父母も、戦中についてはあまり語らない。
祖母は終戦くらいに生まれているし、祖父は戦中まだ子供だったからあまり話をしたりはしない。
こういう映画きっかけで、ちゃんと歴史を知って、
どういう思いをした人がいるのか、ということは勉強しておくべきだと思った。
私たちはあくまでも実際にその場にいたわけじゃないし、その時代に生きていたわけじゃないから、憶測でしかないことも多いとは思う。
でも事実を知って、理解することは大事かなと。
今も、戦争が起きてしまっている世界だからこそ、
いろいろな思いが詰まったこの映画をたくさんの人に見てほしいなって心から思います。
語彙力がなくて、つたない文章で、めちゃくちゃ長くなってしまったけど、
2022年ラスト、ぜひ劇場でみてほしいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?