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「3月のライオン」16巻を読みました

マンガは100%電子に移行しています。
小説も「ジャケ買い」するものもあるけれど、最近はほぼ電子です。

理由は「目が悪くなってきたから」。
小学生の頃からベッドで本を読んでは怒られながらも、この年になってもいまだ悪癖治らず、バックライトで読みながら寝落ち、最後の数ページが記憶に残っていないなんてこともしばしばですが、そんなことができるのも「電子」のおかげです。

*     *     *

前置きが長くなりました。
3月のライオン16巻の感想です。

親の交通事故がもとで、将棋指しの家に引き取られた桐山玲くんの幼い頃からの物語。
「生き延びるためには将棋しかなかった」彼の物語は、いろんな棋士の人生や戦友二階堂棋士の話に広がり、ときには将棋をはずれ、ときには高校生活や、河本家のひなちゃんの不登校の話になったり、いろんなところをうろうろしていきました。

テーマとしては少しブレているようにも見えていたのですが、毎回感じたのは、羽海野チカさんは魂を削っているという感触です。
そんなに魂削って大丈夫なの!?

「さみしさ」をさみしさとして表現することの限りなさ。
「孤独の淵」を、とてつもないものとして表現するときの水底の深さ。
そして、その対局にある「あたたかさ」を表現するときの、かぎりない愛情。

いつもいつも「真摯に向き合う物語」に、のめり込んでいました。

感触は変わらないけれど、今回、桐山くんが「ひなちゃん」との愛を感じ、その中でひとつ乗り越えた。

乗り越えたんだと思う。

乗り越えたように見えた。

それがとても嬉しかった!

盤の前で飛び跳ねているように見える桐山玲。

そのワクワクする対局の姿に大泣きしました。

将棋の話でなくても、青春の話でも、家庭の話でも、もう、なんでもいいと思う。この一コマから、また新しい物語が始まるんだと思う。

ずっとずっと続けて読んでいきたいと思いました。

*     *     *

追記:ずっと前に羽海野チカさんの原画展を何度か見たことがあります。
絵のきれいさもさることながら、ご自分の手芸品!が飾られていました。

毛糸編みだったと思います。ちんまりと、きちんとそろった編み目。

なんだか、その姿勢が「絵を描く姿勢」と一緒でとても嬉しくなりました。


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