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フリーランスになりたいから仕事を辞めるという選択は止めるべきだよ

フリーランスになれたら、社会のしがらみからも
解放されるし、仕事をやめてフリーランスに
なろうかな。今は独身だから思い切って仕事を
辞めちゃうのもアリだな!


今回の記事は、このようなことを考えている方をターゲットとしています。

もし、現在あなたが勤めている会社が気に食わず、いますぐにでも辞めてフリーランスになろうと考えているのであれば、ぜひこちらの記事を最後まで読んでください。

最近ではフリーランスという働き方が増えてきている反面、フリーランスの良い面ばかりがピックアップされているように感じます。メリットばかりを考えていると間違いなく痛い目にあいます。

かくいう筆者も一時期フリーランスとして働いてきた経験があります。

その時の事実を皆さんにお伝えするので、これからフリーランスになろうと考えている方の参考になると思います。


フリーランスになりたいから仕事を辞めるのは止めた方がいいよ


まずは、皆さんが思っているフリーランスのイメージについて分解していくところから始めます。

「フリーランス」という言葉を聞いたときに以下のようなイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

フリーランスというと
・会社内の社会的しがらみから解放される。
・在宅で勤務することができる。
・エンジニア、ライターの仕事が多い。
・正社員よりも給与が多い。

こんなところでしょうか。


おそらく、フリーランスになりたいと考えている方はフリーランスに対してこのようなイメージを持っているのではないでしょうか。
これら1つ1つのポイントに関して深堀していきます。


フリーランスは会社的しがらみから解放される

よく考えてみてください。

そもそも論として、フリーランスとは会社に勤めずに仕事をもらって働く人のことを指します。

今あなたが会社に勤めていると仮定すると、会社から仕事をもらって働いているわけです。

となると、フリーランスになったときにはどこから仕事を貰うつもりですか。

仕事を貰うということを簡単なことだと思っている方が多いですが、そんなに甘くはありません。


フリーランスの仕事の取り方

大きく分けてフリーランスとして仕事をとる方法としては2種類あります。

フリーランスの仕事の取り方
1 ココナラ、Bizseek、CrowdWorksなどに転がっている案件を受ける。
2 自分で営業をして、直接案件を受ける。

1に関してですが、これだけではなかなか生きていくお金を得ることはできません。

※エンジニアとして異常に優れていたり、ライターとして素晴らしい実績があれば別ですが。

なぜか当然のように、時給換算で最低でも2,000円くらいもらえると勘違いしている人がいますが、あまりにも楽観的すぎです。

実績もない人間にお金を払う企業なんてまずありません。

正直、この方法を使ってフリーランスで稼ぐというモデルは現実的ではないです。

一度全てのサービスに登録してみて、今の自分がどの程度案件を受けれるのか、月に稼ぐことができるのか試してみてください。

客観的にみた自分の価値を「お金」という物差しで測ることができますので。

となると、フリーランスで生きていくためには、自分で営業をして仕事を受ける必要性があります。

スキルを獲得することはもちろんのこと、自分自身をブランディングしなければなりませんし、営業をかけまくる必要性が出てきます。

そう考えたときに、フリーランスになることによって、社会のしがらみから脱却できるどころか、ほとんどの方の場合は今よりも社会のしがらみにがんじがらめになってしまうのです。

結局フリーランスで稼ぐことなんて社会的資産をいかに積み上げていくかということです。

よく言えば、「信用が最強のブランディングになる」、悪く言えば「人脈ゲー」です。

Lancersが出している調査資料でも、人脈ゲーですよということが示されています。

フリーランス実態


フリーランスは在宅で勤務することができる

案件にもよりますが、結構多くのフリーランス案件は在宅ワークじゃないですよ。

特に、単価の高い案件ほど会社に出社する傾向が高いように感じます。

そもそもですが、在宅ワークがしたいなら在宅ワークができる会社に転職すれば済むだけの話です。

僕自身は最初の会社以外は全て在宅ワークが可能な会社に勤めています。

探せば腐るほど在宅ワークを認めてくれる会社はこの世にあります。

わざわざフリーランスというになるというリスキーな選択をする必要性があるのか一度考えてみた方が良いのではないでしょうか。


コロナウイルスの影響で今後在宅ワークを認める会社が増える!?

コロナウイルスの影響で、テレワークをする会社が半数近くになったと言われています。

テレワーク

つまり、47%の会社が在宅ワークできる可能性を秘めていることがわかります。

インターネットというインフラは、もはや家だろうが会社だろうが大きな変化はありません。

会社で働くことのメリットが薄れてきている時代に、より多くの会社が在宅ワークを認めるようになると推測することができます。

小さい会社だけではなく、大手企業でもこの動きは加速することが考えられます。

大手ITメーカーの日立では、コロナによる緊急事態宣言解消後も在宅ワークができる環境を提供することを宣言しています。

僕は現在海外の開発会社のCOOとして働いているのですが、今後の働き方のためにリモートワーク前と後の社員の生産額調査を行いました。

さすがに、データを公表するわけにはいきませんが、リモートワーク前後の生産性の違いには大した変化は見られませんでした。

多少会社に集まって仕事をする方が1人あたりの生産額は高かったのですが、オフィスの賃金や電気代などを考慮すると、リモートワークの方が生産額の差異を踏まえたとしても、会社にとって経済的に得をすることがわかりました。

もちろん会社によっては、集まって仕事をした方が効率的な会社もあると思いますが、少なくとも社員の生産額が変わらないというデータが取れた会社としてはリモートワークが推奨されることになってくるでしょう。

ですので在宅ワークがしたいからフリーランスになりたいという方は、在宅ワークができる会社に転職すれば良いのではないでしょうか。


フリーランスはエンジニア・ライターの仕事が多い

これに関しては確かにそうかもしれないなぁという感じです。

ただ、エンジニア・ライター以外の仕事も全然ありますよ。というのが実情です。

エンジニア・ライターの案件を受けている方が多いのは事実ですが、僕自身は組織マネジメントの仕事や業務改善コンサルティング、ベンチャー企業の資金調達のための事業計画作成などの案件をメインとしていました。

というのも、以下のような理由があったからです。

エンジニア・ライター職の案件をメインとしなかった理由

1 エンジニアというキャリアプランで戦っても勝てると思わなかったから
→仕様書の通りにコードが書ける人間(コーダー)なんて腐るほどいるし、そこに対するプロの人間と今から勉強して戦ったところで勝てないことは明白だったから。
また、システム設計部分はコーディングができる人が担当をした方がレベルの高い提案ができることは自明であるにもかかわらず、ゼロからコーディングの勉強をしてまでやりたいことでもなかったから。

2 ライター職はレバレッジの幅が狭いと感じたから
→確かに、ブログで月に数百万、数千万稼いでいる方がいることは知っています。「文章が上手いから他の職でも生かすことができるのか」と問われたときに、実績を売りにしてインフルエンサーになってYoutuberになるくらいのキャリア幅しか思いつかなかったんですよね。それはそれで参入障壁が低くて競合が異常に多いというレッドオーシャンでの勝負になっちゃう気がしました。

コンサルティング関連業務をメインとした理由
前職がコンサルティング会社であったことが関係しているのは確かですが、日本には中小企業が大量に存在しているところに目をつけました。大半の企業では、作業を行うためのマニュアルもなければ事業計画もない、とりあえず問題が起きてから考えれば良い。と考えている企業が多くあります。
会社として問題なくまわるのであれば問題ありませんが、人手不足や人材レベルの差が激しいとどこかしらでガタがきてしまいます。
となると、会社の社長が直々に土日まで仕事をしなければならなかったり、遅くまで残業をしなければならないという事態が発生してしまうのです。
社長たるもの、自分が手をかけなくても仕事がまわる状況を作ることをゴールとする方が多いので、そこに目をつけたわけです。
将来的に日本にある中小企業・ベンチャー企業が全て倒産しない限り仕事に困ることはないという算段です。

もしあなたがフリーランスとしてのキャリアを進みたいと考えた時に、どのような職種で稼ぐつもりなのかは考える必要があります。

落ちている案件を拾うという考え方から、企業の求めているニーズを探し出して提案して案件にするという考えにシフトしないとフリーランスとして生き残っていくのは無理だと思います。

※少なくとも、あなたが思っているような年収1,000万円フリーランスなんて夢のまた夢です。


自分の強みと企業のニーズを分析する

あなたが現在どのようなお仕事をされているのかはわかりませんが、何かしらの強みはあると思います。

その強みと企業の求めているニーズがマッチすることでお金を生み出す案件を作り出すことができます。

例えば、

エンジニアのニーズって物凄い高まっているよね。
だったら、エンジニアになれるようにしなきゃ!
よーしエンジニアになるための勉強をするぞ!

という情報商材に流されたような考えだと、まだまだ考えが浅すぎます。

あまりエンジニアについて詳しくはありませんが、エンジニアと言っても大きく分けると

1 コーディングをメインで行う
2 システム設計を行う

の2通りに分けることができます。

また、コーディングと一括りに言ってもプログラミング言語ですら色々とあります。

Webエンジニアになりたいのか、インフラエンジニアになりたいのか、アプリエンジニアになりたいのかによって学習するプログラミング言語は変わってきます。

さらに加えて、競合のレベルを分析する必要性も出てきます。

例えば、参入障壁が比較的低いWebエンジニアであれば、自ずと競争相手も増えます。

よくありがちな「とりあえずエンジニアとしてフリーランス案件を取れるようにコーディングができるようになろう」くらいの甘い考えだと秒で淘汰されるのでご注意を。


フリーランスになると正社員よりも給料が高くなる

これは完全に人によりますね。

大半の人は正社員レベルの給料を貰うまでに挫折して消えていくと思います。

2018年のデータなので少し古いですが、フリーランスの収入に関する調査資料があります。

フリー年収

これは平均値ですが、中央値をとると間違いなくもっと少ないでしょうね。

一部の人間によって値が吊り上げられている可能性が大なので。

例えば、日本の平均年収は441万円だと言われていますが、中央値は360万円と言われています。

フリーランスだけに絞った場合は、間違いなくもっと差があるので平均値を鵜呑みにしない方が良いです。

平均値と中央値の違い
年収が100万円、200万円、300万円、400万円、1000万円の5人がいたとします。

平均値はデータの総数を割った値
(100 + 200 + 300 + 400 + 1000) ÷ 5 = 400(万円)
となりますが、

中央値はデータを並べて真ん中にくる値
300万円
となります。


実際にフリーランスとしてどのくらい稼げるの?

僕の場合は、フリーランスとして初月に稼いだ額は2万円程度です。

難関大学出身なので高学歴ですし、英語もペラペラですし、前職のキャリアも大手外資系コンサルタントだったので、控えめに言っても世間的には超エリートだと思います。

僕より優秀な人間なんて世の中にほとんどいないと思って生きてきたこの僕が月のフリーランス収益が2万円でした…。

人にいばれるような経歴があっても実績が全くなかったのでしょうがないのかもしれませんが、正直フリーランスという働き方に絶望しました。

※結局、フリーランスという働き方は自分には合っていなかったので半年ほどで辞めました。最終的には時給換算3,000~4,000円くらいでした。

フリーランス時代に関しては、「マネジメント」とは何かを考察した結果、得た気づきをまとめてみたの記事で記載しているので興味がある方は読んでみてください。


まとめ

フリーランスでなければ達成できないという明確な理由がなければ、フリーランスになることはおすすめしません。

会社というブランドをなくしたあなたにどれほどの価値があるのか客観的に考えてみてください。

世の中には間違いなくフリーで仕事をした方が稼げる方がいる反面、今のままフリーになったところで稼げない方もいます。

記事の前半でチラッと言いましたが、まずはココナラ、Bizseek、CrowdWorksなどのサービスに全て登録してみて、月にどのくらい稼げるのか試してみるのが良いでしょう。

現在の客観的市場価値を測ることによって、フリーランスになるかどうかの決断をしても遅くはありません。

自分のキャリアとして正しい道にすすむためにも、後悔のない選択をするのが良いと思います。

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