ゆき

本が好きです 数字が好きです 好きなものがたくさんあります

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最近の記事

大好きなおじいちゃん

わたしがまだ長屋のお嬢様だった頃 向かいのマンションに母方の祖父母が住んでいた わたしに生まれつきの持病があった為 毎日交代で病院の送り迎えや母のサポート 仕事をしながらわたしの面倒を見ながら 惜しみない愛情を注いでくれた わたしは祖父母が大好きだった 特に初孫に激甘だった祖父にべったりで 従姉妹が5人いるのに独り占めしていた そんな激甘な祖父は大工で西郷隆盛に似ている 誰よりも1番愛情をもらっていたのは わたしだと自信がある 長屋の裏に昔ながらの喫茶店があった そこのミ

    • かけがえのない友達

      わたしには人間の友人も人外の友人もいる どの誰を取っても欠ける事のない かけがえのない大切な人達だ もう友達はこれ以上増やすつもりはなかった だけどこんなわたしに彗星の如く 現れた兄弟がいた 人見知りのわたしに何の違和感もなく 話してくれて 泣いているわたしを気遣ってくれた この日で切れる縁だと思っていた それでも変わらず2人は朝からLINEをくれた 仕事がおわったらまた話そうと 終わる時間を伝えてくれた 何もかもの絶望が時差で襲ってきていた わたしにはとてもありがたか

      • 本物の水玉のアクセサリーを

        大切に育てた娘が嫁ぐ事になった まだまだ幼ないと思っていた娘だ そんな日はまだ先だと思っていた娘 わたしのおひげのアクセサリーを欲しがり 撫で付けてやると目を細め甘えていた娘だ 女の子らしい振る舞いを見せたかと思うと 無邪気に姉弟喧嘩をしたり お転婆な娘だった そんな子供だと思っていた娘が 遠く離れた所に嫁いで行くことになった 嫁ぐ事がどう言う事なのか それは親兄弟と遠く離れてしまう事 簡単には逢えない事 そしてその離れた所で新しい伴侶と生きていく事 わたしは愛娘に1つ

        • 父のこと

          わたしには大好きな父がいた 幼い頃から尊敬していて頼りになる父だった そんな父は約10年前に亡くなった 癌だった 病名が分かってから2週間 あっという間の別れだった 信じられなかった 今でも実家に帰ると 『今日パパ遅いのん?』って 聞いてしまいそうになる わたしは長女だ 葬儀の準備から何から何まで1人で しなければならかった つまりみんなと同じ様に悲しむ事が出来なかった 葬儀屋さんやお坊さんと決める事も わたしがいなければ成り立たなかった 悲しみに打ちひしがれる母のフォ

        大好きなおじいちゃん

          言葉

          わたしは昔からいい言葉や素敵だなと 思った言葉をメモする癖がついていた 1番新しく『ほんとそれ!』 と思った言葉は高山都さんの インスタで紹介されていた 『私に保証できるのは    現在の私の誠実さだけ』 という誰かの本の言葉だ 今のわたしの心にズドンと響いた どれだけ自分を認めてもらいたくても 自分自身がちゃんと誠実でなければ その場にしゃんと立てない だからといって作った自分では 何1つ誇れる物はない わたしが今1番意識していなければならないのは 他の何でもなく

          キャリアが欲しかったあの頃

          わたしは仕事が好きだ キャリアこそ全てだと思っていた時期もあった 20代前半の頃に派遣会社に就職した 面接に研修にトレーナーに営業 スタッフに欠員が出れば 代わりにシフトインしたりもした 忙しく大変だったが 上司に恵まれたお陰で頑張れた そして数年後新しく大阪支社を 立ち上げるという求人を見つけた 採用されれば大阪の支店長だ わたしはそのチャンスにかけてみたくなった そして受けた面接…まさかの合格だった 研修期間は東京から社長や副社長がきてくれたが 基本はわたし1人 ビルの

          キャリアが欲しかったあの頃

          わたしのともだち

          わたしには人間ではない友達がいる ピンクの洋服を身に纏うという風貌に特徴があり 彼女いわく ギロリとした大きな目に猪のような大きなお鼻 激しくトゲトゲしたすきっ歯だという わたしはそんな彼女を可愛いと思っている そして峰不二子も真っ青な巨乳なのだ トドだといういう噂もあるが確かではない わたしは彼女の事が大好きだ 見た目に反し心はとても繊細でわたあめみたいで 彼女の言葉はキラキラとしている それはまるで物質であるかのようなのだ そして真っ直ぐで凛とした強さも持っている

          わたしのともだち

          『呪い』の言葉

          誰でも一度は『呪い』の言葉を 口にしたことがあると思う 『どうせわたしなんて』 『どうせ無駄』 『わたしになんてできるはずがない』 誰よりも自分を愛してあげなければ 誰からも愛してもらえるはずはない 何度もそう思い自分にも言い聞かせ 分かっているはずなのに 自分自身に『呪い』をかけてしまう 本気で取り組んでいるはずなのに 失敗した時の逃げ道を言い訳を 自分で用意しないと 安全圏内でしか動けないのだ 初めての事をそつなくこなす事に憧れるくせに 失敗を恐れ動けない それを恥ず

          『呪い』の言葉

          『花束みたいな恋をした』 近年そんな映画が大ヒットした 観たいと思いながらもわたしはまだ観れずにいる… かつてわたしもそんな恋をしたことがある 叶わなかったからこそ綺麗な想い出のままだ もう少し出逢うのが早ければ側にいたのは わたしだったのではないかと今だに思う でもどうこうしたい訳ではなかった ただ単にわたしと遊んで欲しかった わたしという存在を彼の中に留めておきたかった それ程彼との出逢いは衝撃的だったのだ 一目惚れだと言ってしまえばそれまでだが そんなに簡単に割り

          わたしのこと1

          わたしは10月にしては珍しい雪が吹雪く とても寒い日に産まれた 母曰く破水が先にあり羊水がない空出産で とても難産だったらしい 今みたいに携帯が普及していない今と違い 父となかなか連絡が取れず1人で 長い陣痛と闘っていたという 相当な痛みなはずなのに声1つ上げず わたしを産みあげた母は助産師さんに えらく褒められたそうだ 初めての孫 両家の祖父と祖母は大層喜んでくれて わたしは蝶よ花よととても大切に育てられた 我が家には分不相応な立派な7段飾りのお雛様を 当たり前に用

          わたしのこと1

          水玉のアクセサリー

          ある晴れた日のことだった 普段はおしゃまで強気な娘が モジモジしながらすり寄ってきて 『ねぇ、ママのもっている  キラキラした水玉のアクセサリーは  いつかわたしももらえる?』 そう恥ずかしそうに聞いてきた あの幼かった愛娘がそんな事に 興味を持つ年頃になったのかと感慨深い 「あなたもこれが欲しいの?」 『わたしもママとおそろいのがほしいの。 どうしたらもらえるの?』 わたしはふふっと笑いながら 「あなたがお姉さんになったらもらえるわ。  そうしたらママとお揃いね」と 撫で

          水玉のアクセサリー

          本の虫

          わたしは本の虫だ 幼き頃から定期的に本を与えてもらっていて 周りには父の所有していた詩集や文学本があった 島崎藤村や武者小路実篤や中原中也など そのお陰かわたしは今でも本を読むのが好きだ 辞書を読むのも好き いわゆる活字中毒だ 現実から逃避するかのように 忙しい時に購入して積読したままになっている 本をまとめて読む その中でも推理小説が好きで 理数系のミステリー作家の森博嗣先生が大好きだ ほぼ全作持っている 彼の言葉選びが抜群にわたし好みでたまらない どうしたらそんなに

          本の虫