水玉のアクセサリー
ある晴れた日のことだった
普段はおしゃまで強気な娘が
モジモジしながらすり寄ってきて
『ねぇ、ママのもっている
キラキラした水玉のアクセサリーは
いつかわたしももらえる?』
そう恥ずかしそうに聞いてきた
あの幼かった愛娘がそんな事に
興味を持つ年頃になったのかと感慨深い
「あなたもこれが欲しいの?」
『わたしもママとおそろいのがほしいの。
どうしたらもらえるの?』
わたしはふふっと笑いながら
「あなたがお姉さんになったらもらえるわ。
そうしたらママとお揃いね」と
撫で付けてやりながら教えてやると嬉しそうに
『はやくおねえさんになりたいなぁ』と
無邪気に笑った
胸が張り裂けそうな悲しいお別れを経験しても
無情にも流れていく時間
あれから子供達はすくすくと成長し
元気に喧嘩をし
遊び甘えるおしゃまさんがお姉さんになった
あの子がお姉さんの証とする『それ』を
身に付ける時が来たのだ
あの子の嬉しそうな大きな声で呼ばれた
『ねぇ!ママ見て?
わたしにも水玉のアクセサリーがついてる!
これでわたしもお姉さんなのね?』
「本当ね。あなたもお姉さんになったのね。
ほら今もママとお揃いよ。」
パァッとはじけた笑顔を引き連れて
『ママとお揃いなの。素敵でしょ?』と
みんなに嬉しそうに見せびらかす愛娘
わたしは愛娘を見ながら
「次はあなたがあげる番よ。」とボソッっと呟く
そんな成長した愛娘を見て少し寂しそうなパパ
「大丈夫ですよ。
わたしの王子様はあなたでしょ?」
なんて甘い時間にそう喜んだのも束の間…
『僕!大きくなったらママと結婚するんだ』と
愛息子に言われた事を真に受けて
ショックを受ける忙しいパパ
「ママはパパの宝物なんだから
絶対渡さないんだぞ!!」
そんな騒がしい毎日がわたしの宝物で
何よりの幸せ…
そうして時間は流れて行く
※画像は桂浜水族館さんからお借りした物です。
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